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629話 用意周到


 2人とも真っ青になる何も言わなくなった。

 これは紛れもなくグリュムの仕業である。


 グリュムならこの世界なら把握しているし、次元を乱すことなんて可能だ。

 確か……カイセイがナノミとコトハが召喚されたのは1年前ぐらいと言っていたな。


 その頃俺たちはあいつらと戦っていたときだ。じゃあ、前から手に負えなくなったら俺たちをこの世界に送り込む計画をだったのかもしれない。


 そうなら用意周到だ。


「あいつが関わりがあるなら儂は許さない……コトハとナノミを巻き込むんじゃない……」


 ライカは毛を逆立てバチバチと雷を纏っていた。

 ライカの言う通りグリュムはやりすぎだ。


「ティーナさん、俺たちもグリュム討伐をさせてください。アンバーたちでは厳しいと思います」


「そ、そうね……。シャーロと相談するわ……それからにしてちょうだい……」


 結局、シャーロさんの許可をもらわないといけないか。


「グリュム……本当に懲りないわ……。レイちゃん、戦うときは気をつけてね」


「わかりました。気をつけます」


「うん。それと、言うの遅れたけど、コトハとナノミを救ってくれてありがとねー。ところで私がいない間にどんな状況になったの? かなり大変なことになってみたいだけど」


「実は――」


 シャルさんにこれまでの出来事を伝えた――。


「なるほどね……カイセイたちが反逆者扱いにされたのね……」


「どうか俺たちが戻ってもカイセイたちにも力になってくれませんか?」


「うーん、そうしたいけど、私でもどうすることができないわ……」


 やはり、状況的に厳しいか。しかし、シャルさんは腕を組んでまだ悩んでいた。


「うーん、ほかに方法があるけど、ティーナちゃんが怒るかもしれないけどいい?」


「私が怒るってどういうことよ?」


「少しでも可能性があるならなんでもいいです」


「カイセイたちもグランシアに送るのはどうかなー?」


 ……はい?

 ちょっと待て、あの数千の人を送ることが可能なのか?


「ちょっとなにバカなこと言うの!? 蛇神族の子と不正召喚された子くらいなら許されるけど、あの人数を送るって、(みんな)が黙っていないわよ!? あなたの世界自分で管理できなくなるわよ!? 良くて一時的――数百年管理できなくなるわ!?」



 限度というものがあるのか……。確かに数千くらいの人を異世界に送るのは大問題だよな。


「別に管理できなくてもいいよ。ソシアちゃんの看病もしたいし、そっち優先」


 娘が心配で気が気でないようですな。確かにソシアさんの看病優先なら世界管理なんてできない。

 というかそんな簡単に手放していいのか……?


「そんな急に言わないでよ!? 誰がウェミナスを管理するのよ!?」


「そんなに慌てないで、アテがあるから大丈夫だよ」


「アテって……あぁ……ムルテーラのことね……」


「そう、彼なら絶対に引き受けてくれるよー」


「絶対とか、その神様は親友ですか?」


「親友は親友だけど、ソシアちゃんの父親でもあるからねー」


 あぁ……なるほど、そういうことか……。


「ですが、世界を管理して忙しいのではないのですか?」


「その点は関しては大丈夫だと思うわ。レイにどれくらい言ったのかわからないけど、ムルテーラは家族で世界を管理しているわ。1人いなくなってもほかがやってくれるから心配しなくていいわよ」


「そうですか。ん? 家族? 家族って……」


「えぇ、結婚して子持ちよ。まさかバーミシャルに手を出すなんて思わなかったわ……確かに人気があるけど、既婚者が手を出すなんて呆れたわ……」


「もう、ティーナちゃんてば、昔の話をレイちゃんの前でしないでよー」


 いやシャルさん顔を赤くしているが既に言いましたよね……。

 納得しました……。これは絶対引き受けてくれますね……。


「と、とにかく、これもシャーロに言わないといけないわ……。悪いけど、帰らせてもらうわ……」


 ティーナさんは頭を抱えてながら、床に魔法陣が現れて、光とともに消えてしまった。

 これもシャーロさんにも相談しないといけないよな。


「私も今からムルテーラに相談するから少し待ってね。2日には戻ってくるからその間にみんなと相談してね」


 シャルさんも相談しないといけないか。まあ、カイセイたちが安全になるのならありがたい話だ。

 俺たちも戻って相談をしよう――。

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