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620話 愚かな王


「妙な剣で俺が倒せると思うな!?」


「妙とは意味がわからんことを言うな。儂の刀――日本刀の良さがわからんとは残念だ」


「日本刀……じゃあ、あなたも……日本の方なの……?」

「獣人が日本刀を使う……じゃあ、転生者……?」


 コトハとナノミもライカを同郷とわかったか。

 まあ、今はそんな話をできる場合ではない。


「話はあとだ。主よどうする?」


「2人を安全な場所に移動して守ってくれないか? 俺が法王をやる。隊長たちもカイセイを安全な場所に移動してくれ」


「させるか――」


「――――クリスタルプリズン!」


 結晶の檻で法王を閉じ込めて、移動できなくした。

 

「こんなもの法剣で破壊くれるわぁぁぁ――!」


 結晶の鉄筋を何度も剣を振るっているが、傷をつけるだけだ。

 時間稼ぎくらいと思ったが、破壊できないのは都合がいい。安全に避難できる。


 隊長たちは俺と顔を合わせると、頷いて、ボロボロのカイセイを運んで部屋から出ていった。

 あとはライカたちだ。


「絶対守ってやるから安心してくれ。バルバトも儂と来い。ここは危ない」


 バルバトは反応しないで崩れたままだ。

 すると、ゆっくり拳を握りしめてゆっくり立ち上がった。


「なぜなんだ……、我々は王のためにこの大陸を良くしようと懸命に働いたのに、この仕打ちはない……」


「黙れ、裏切り者! お前よりも十分役に立った。俺のための養分としてな!」


「最低だ……。お前はもう王ではない……。自分のことしか考えない、愚か者だ……」


「ふん、裏切り者が何を言っているかわからん」


 バルバトの声が響くわけがない。アイツは自分のことでしか考えてないバカだ。

 

「もうよせ、あのクズは救いようがない。あとのことはクズを倒してからだ。主が仇を取ってくれる、行くぞ」


「は、はい……」


 バルバトを説得してライカたちも部屋から出ていった。悔しいだろうが俺に任せろ。

 結晶の檻(クリスタルプリズン)を解除すると――。


「この魔導士風情がぁぁぁぁ――――!」


 叫びながら近づいて剣を狂ったように振るう。

 俺はアダマンタイトソードで軽々と受け流した。

 高レベルになっても弱いな。


「どうした? 魔導士風情に剣を受け流されてる気分は?」


「ふざけるなぁぁぁぁ!? なんなんだお前は!? 俺は最強なのに通用しないのはなぜだ!?」


「人の者を奪って自分で最強とはダサい。あとお前の剣技、中身が空っぽだぞ。これじゃあ、剣がかわいそうだ」


「黙れぇぇぇぇ!? 俺は法剣を使うにふさわしい王だ! 愚弄するのはやめろ!?」


「法剣か。その剣、どこで手に入れた? 前から持っているものではないことがわかる」


 受け流してわかったが、こいつは剣の扱い方がぎこちなかった。

 最初から持っていないことがわかる。使うのも初めてだとわかる。


「お前に教えるわけなだろ!? 受けてみよ――――法剣閃舞!」


 法王は下がって舞いながら勢いよく襲ってくるが、普通に受け止めた。

 渾身の技だったのか、口を開けて冷や汗をかいている。

 本当に中身がない……。こんな奴が王とは情けない。

 法剣を聞けないのであれば、俺も()()()()で対応しよう。


「――――豪刃!」


「――――ぐあぁぁぁ!?」


 そのまま剣を下から振るい、法王は剣で防ぐことができずに吹っ飛んでいく。

 その隙にアダマンタイトソードを解除させ光魔法を使う――。



「――――()()()()()()()



 白く神々しく輝く()()を創り、手に持った。

 法王は聖剣を見て動揺している。


「エクスカリバーだと!? あ、ありえん……に、偽物に決まっている!?」


「何を言っている? ()()のエクスカリバーだぞ。そもそも、お前が使っている剣はエクスカリバーじゃないだろ?」


「これは正真正銘の本物だ!? だが、お前の偽物は光属性だとわかった。俺の法剣に勝てるわけがない!」


 なぜか、誇らしげに向かってくるのだが……。

 悪いが、光を吸収できようが関係ない――。

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