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616話 法剣


 カイセイは光魔法――光輪を法王に放った。

 この前、無駄なことをするなと言い渋々承諾したが、やはり唱えていない方がさらに加速して無駄がない。

 これに当たればさすがの法王もひと溜りもない。


 しかし、法王は持っている剣を前に突き刺すと――魔法に当たった瞬間、剣に吸収され消えてしまった。


 威力のある魔法だぞ……。そんなのありかよ……。

 剣をよく見ると、茨の紋章が出ていた。

 魔導兵器を強化できるなら剣も強化できるよな。

 だが、魔法吸収したのは強化のものではない。

 剣そのものの性能だとわかる。


「なっ……」


 本人はただ口を開いたまま何も言わない。

 首を取る自信があっただろう。


「ふん、どうした? こんなものか? 弱すぎて話にならん。いつまでマヌケ面している」


「な、なんで魔法を吸収できる……」


「俺の秘宝――法剣エクスカリバーがお前の魔法に通用するとでも思うか。甚だしい……身をわきまえろ……」


「な、なんで神話の剣を持っている……? せ、聖剣の間違えだろう……」


 俺たちが知っているエクスカリバーではないだろ。

 気になるのが、あの高性能の剣が人が作れる代物ではない。

 

 これは……神――シャルさんが関係しているかもしれない。

 なぜ法王が持っているのかわからないが、あとで聞くしかないか。


「わけのわからないことを言っている? もうよい、用済み――」


「――フレイムバレット!」


 俺は炎の弾丸を法王に放ち、慌てて剣で防ぎ、煙が立つ。

 煙が消えると、剣には焦げ跡つき、法王の手と腕は火傷を負っている。


「やはりな、お前が持っている剣は光魔法しか無効にできないようだ。どうだ、やられた気分は?」


 法王は剣を地面に何度も突きつけ狂っていた。

 よほど気に食わないようだ。

 だが、それでいい――。


「なんという不敬な……虫唾が走る……。死刑に値する……殺せ……」


「「い、いやぁぁぁぁ……」」


 コトハとナノミを紋章が輝き始め、手を前の伸ばして魔法を発動させる。

 命令させたか。でも想定内だ。


「特大魔法が来るぞ!?」


「悪いがバルバト、後ろに下がってくれ。あとは俺たちがやる」


「わかった。ご武運を――」


 バルバトは頭を下げて、部屋から出ていった。

 これで思う存分できる。


「に、逃げて! あなたたちではどうすることができない!」

「や、やめて! もう誰も殺したくない! 早く逃げて!」


 2人とも心配している。つらい思いしているのに優しいな、でも大丈夫だ――。



「――――アンチマジック!」



 無魔法を使い、コトハとナノミの魔法を無効にした。

 

「「えっ……?」」


 2人とも何が起きたのかわからないようだ。


 特に法王は戸惑い驚きを隠せない様子だ。


「いったい何をした!? お前ら早く魔法を発動しろ!」


「無駄だ。発動無効の魔法だ。やり直しだ」


「ふ、ふざけるな! 聞いたことない魔法だ! お前いったい何者だ!?」


「ただの助っ人だ。コトハとナノミを助けに来ただけだ」


「ただの助っ人であるわけがない!? 聖王め……新たに勇者を召喚したな……」


「悪いが、俺は勇者でも何者でもない。強いて言えば()()()()()()な存在だ」


「イレギュラー……、もしかして……日本人……」

「君って日本人なの……? 私たちのために……」


 2人とも俺がわかって少し安心している様子だ、

 まだ安心するのは早い。


「何わけのわからないことを!? ふざけるな!? お前たち、もう一度魔法を――」


「ベラベラとしゃべるなー。お前、そんな余裕はないぞ。自分の心配したほうがいい――」



「――――光波神剣!」



「へっ? ――――ゴボォ!?」


 カイセイは後ろに周り、剣を光で覆い大きくさせ、玉座ごと突き、貫通して法王の背中を突き破った。

 

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