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596話 勇者を強くする

「ほかの表示はどうなっている?」


「SSからAに下がっています……」


 なるほど、おそらくゴーレムの元の強さか。

 じゃあ、法王が使う奴隷スキルは無条件で強化できるってことか。

 これは大きな収穫である。

 奴隷自身を強化するだけなら限度があるはずだ。ゴーレムはレベル1000以上は上がらない。

 なら、コトハとナノミも同じだ。

 厄介だが、それ以上でもそれ以下でもないスキルなら問題ない。


 ただ、問題なのが一つ……カイセイの怯え具合が尋常じゃない。勇者であるカイセイが意気消沈していたらダメだ。

 騎士たちを先導させないといけないしな。

 これはセイクリッドの特別メニューを用意して自信を持たせないと。


『レイちゃん、楽しそうだね。何か企んでいるのかな?』


 悪いが、シャルさんにも利用――協力してもらう。


 その後、奴隷強化したゴーレムしか来ることなく豪邸に戻り、夕食の時間となった。


「ハハハ! 違う世界に来ても牛丼が食べられるのはありがたい!」


 セイクリッドの要望で夕食は牛丼となった。

 

「この牛丼、美味しすぎる……。最高だ……」

 

 カイセイは涙を流しながら勢いよく食べる。

 さっきまで怯えていたのが噓のようだ。やはり日本食は偉大だ。

 ちなみにカイセイはノワッチェの豪邸に泊まるよう言われ、準備ができるまで一緒に生活するようになった。

 こちらへの応援が来るのには2週間以上はかかるという。カイセイを鍛えるには十分な時間がある。


「明日から稽古だからしっかり食べて頑張れよ」


「はい、できるだけレベルを上げて頑張ります!」


 喜んで言うが、明日にはその言葉の意味を知ることになる。



 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


「――――ひぃぃぃぃ!?」


 朝食を済ませて城壁に行くと、やっている。


 セイクリッドの容赦ない剣撃がカイセイに襲いかかる。


「どうした、こんなものではなかろう」


「レベル2000以上、筋力がEXを持っている方にむちゃを言わないでください!」


 そうそう、カイセイが俺たちのステータスを見てもいいと許可を出した。


「――――ぎゃあぁぁぁぁ! 目がぁぁぁぁぁ!?」

 

 目を抑えて床に倒れてもがいてしまった。

 最初は悪ふざけしていると思った。


『レイちゃんたちのステータスを見るなんて私が許さないんだから、特にレイちゃんは大切なお婿さんなんだからプライベート禁止よ』


 シャルさんの仕業でした。

 別に仲間になったから共有してもいいと思ったが、許せないらしい。

 だからお婿さんではありません……。


 さすがにかわいそうだから稽古をするセイクリッドの一部だけ教えることをお願いした。


『しょうがないな、それだけは許すよ』


 とりあえず許可はもらった。

 それを言うとカイセイは真っ青になって落ち込んでしまった。


『だから言ったのに……。知らない方が幸せって言うでしょ』


 シャルさん……言っていることが違うでしょ……。

 まあ、差がありすぎると絶望するのは当然だが。


 けど、朝から頑張っているなら問題ない。ただ、ちょっと厳しくなるだけだ。


「それがどうした? 主殿なら魔力を使って簡単に我の剣を軽々と受け流すぞ」


「レイさんと比べないでください!?」


 比べるのは仕方がないが、そうは言っていられない。カイセイのステータスはオールAと言った。

 最低でも筋力はSに上げなければならない。

 シャルさんに聞いたところ、稽古でもレベルが上がると言われた。


 だったら徹底的に稽古をして間に合わせるようにする。


 すると、ゴーレムが向かってきた。


「よし、中断だ、あのゴーレムを倒してこい」


「――――ひぃぃぃぃぃぃ!?」


 当然、ゴーレム討伐もしてもらう。カイセイには大変だが、これも稽古のうちに入っている。

 決して俺たちが楽をしたいわけではないからな。


『フフフ、カイセイ楽しそうで何よりだね~』


 俺が言うのもなんだが、シャルさん……自分で召喚した勇者に対して皮肉な発言をしますね……。

 相当ストレスがたまっていたのかな?

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