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578話 大天使……?


 グリュム違いなだけだ。ソアレを見ると――身体が震えて真っ青だった。


 ただ、名前を聞いて驚いただけのはずだ。


『なぁ、グリュムという天使は今、天界にいるよな?』


『い、いません……』


『じゃあ、偽って本名を隠したとか?』


『て、天使が……自分の名を……偽ることは……ありえません……。天使にとって、名をもらうことは大変名誉なことです……。偽る行為は……愚か者のすることです……』


 グランシアを騒がせたグリュムなのか……? 意味がわからない……。

 昔は南の大陸を救った大天使なのだというのは本当なのか……?


『ソアレ、本当のことを言えるか? もしかして、グリュムに嫌なことをされたとか?』


 すると、ソアレから涙がボロボロと落ちる。嫌なことをされたのは本当のようだ。

 これ以上の質問してもつらいだけだ。ソシアさんのお母さんに真相を確かめなければならない。


「て、天使様、どうして泣いているのですか!?」


「ああ、悪い、この子、ここに来る前に疲れて我慢していたんだ。この子が潜めるような場所で休みたいのだがあるか? 公の場で天使がいるのは大混乱になる」


「そうですか、つらい思いをされたのですね。しかし……我々が派遣されて拠点としている要塞――ワブナテールしか近くにありません。あなた方が対話――女神バーミシャル様の大きな像が祀られている中央広場は、天使様が潜むのは少々難しいかと……」


 やはり人混みは避けられないか。ソアレを外で待機させるわけにはいかない。


「ソアレ、しばらく翼を折りたたんでくれないか?」


「はい……」


 翼を折りたたみ、アイシスは無限収納からフード付きのコートを出して隠した。


「あ、アイテムボックス!?」


 やっぱりこの世界でもアイテムボックスは珍しいのか。


「悪いが、俺たちは規格外と思ってくれ」


「わ、わかりました……。自己紹介が遅れました。私は聖国騎士113番隊長――ゾルダー・マーカスと申します」


「113番って……いったい何人いるんだ……?」


「200人以上はいます」


 そんなにいるのかよ!? 俺が住んでいる世界とは全然違いますね……。

 ここではこれが普通だからしょうがないか。


 少々、驚いたが、俺たちも自己紹介をした。


「ああ……ソアレ様と言うのですね……。美しい名前です……」


 ゾルダーたちは感動してソアレに拝んで称えた……。

 美化しすぎだ……。


「要塞についたら平然としていろよ。お前たちしか頼れないからな……」


「もちろんです。ところで、グランドウルフはどうしますか? 倒した方の所有権になります」


 ソアレの話だとすぐ戻れるわけではないしな、この世界の通貨を持っていないから換金するのがいいか。


「この魔物は換金できるか?」


「はい、グランドウルフは上質な毛皮で貴族には大人気です。ゴールデングランドウルフの毛皮は非常に高価なもので聖王様も気に入っています」


「じゃあ、換金したい。売れる場所とかあるか?」


「それなら知り合いの商人に紹介します。直接交渉ができますので、それでいいでしょうか?」


「よろしく頼む。じゃあ、俺が持つよ」


 俺は無限収納に入れるとさらに驚く。


「全部しまえるとは……本当に規格外だ……絶対に敵に回してはいけない……」


 しまう制限もあるようだ。

 まあ、できるのだから仕方がない。


 ゾルダーとともに森から出る――。

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