551話 良い方向
――あれから1週間が経つ。
俺は寝室で安静にしている。
意識を取り戻すと、身体に力が入らなく動けなかった。
今はだいぶ回復して動けるようになったが、エメロッテにまだダメと言われて安静している。
かなり心配されています。
まあ、無理やり創造した代償がこのくらいならお安い御用だ。
だが……完全に戻すことはできなかった……。
そう、エフィナを魔剣から完全に戻すことは無理だった……。
「しょうがないよ、完全に戻すなんてボクが知りたいよ。レイのおかげで自由に動けるようになったからそれでいい」
本人は気にしていなかった。
これが、俺の限界だと感じた。最善を尽くしたとはいえ、元に戻す約束は果たせなくて申し訳ないと思った。
そう思っていたら、朗報が入ってきた。
エフィナが3人の女神に会って戻って来ると――思いっきり飛びついて抱きついてきた。
理由は本来エフィナは違反して現界したから亡くなってしまうと、天界に戻らなく魂が消滅してしまう。
しかし、俺が主になったことでエフィナは、別の存在として変更されて、俺が亡くなったら一緒に天界――女神のところに行けることが可能になった。
これでめでたしめでたしになるわけではなく、この件について別の世界の神が集まって会議が始まった。
さすがに大問題になるよな……。
ソシアさんとシャーロさんが事情を説明した結果、なんとか話が通せたようでした。
それにしてもティーナさん……しっかり事情を説明できなかったのですね……。
「こんなことなんてあり得ないよ! ありがとう!」
笑顔で感謝されました。
けど……力が強すぎて苦しいです……。
慌ててエメロッテが引き離してくれました。
「もう少し、余韻に浸ってもいいのに~」
嬉しいのはわかるが、加減してください……。
まあ、結果的には良い方向になった。
それを聞いてひと安心した。
そうそう、エフィナのステータスだが――。
【名前】エフィナ
【性別】女 【種族】魔剣(創造神)
【称号】創造神 創造の魔剣 レイの魔剣 英雄
【加護】魔剣の加護 ミスティーナの加護
ソシアの加護 シャーロの加護
大精霊の加護 守り神の加護
【スキル】スキル共有
【魔法】創造魔法 時魔法 空間魔法
かなりざっくりでした……。
エフィナ曰く――【魔剣の加護】は俺と同じに適用されて、【スキル共有】は文字どおり俺と魔剣たちのスキルを使うことができるチートスキルだ。
創造魔法は……言うまでもなくこれもチートですね……。
さすが創造神です……。
「だけど、半分以上は失ったよ。しょうがないけどね」
まだ強かったのかよ……。本当に恐ろしいです……。
ただ、俺にスキルは増えなかった。時と空間上級魔法くらいは覚えるかと思ったが、ダメでした。
別にいいけどさ。
そして気がかりなのは「グリュム」だ。大まかなことはわかったが、アンバーたちで対象できるのか?
創造神が動くほどの相手だぞ……。それにグリュムの動機がわかっていない。
…………まあ、そのうち話してくれると思うし、今はやめよう。
エフィナが楽しんでいるのに不快な話は禁止にしよう。
【人化】して動けるようになったのだから、好きなようにする。
ちなみにみんなには――。
「ボク、賢者の1番弟子のエフィナだよ~! よろしくね~!」
と言っていたと、アイシスから報告がありました。
…………ごまかせるなら好きにしてください……。




