545話 俺たちのやり方
夜中になり、俺、メア、ライカはシエルに乗り、ゴミがいる西の方へ――。
1時間くらい経つと、森の中に嫌になるほどわかる邪石の反応があり、シンガードの方へ向かっていた。
数は……どうでもいい……数を数えたって意味がないことだ……。
すると、ゴミどもの動きが止まった。
なるほど、俺たち――シエルを気づいて警戒しているのか。
動きが止まっている方が都合がいい……。
俺たちは【隠密】を使い、シエルから飛び降りる。
「物音がした各自、警戒せよ」
男が大声で言い、ゴミどもはバラバラになって散る。
遠いところに降りたのにわかったのか。
でも無駄だ……木の後ろに隠れても背後にいるぞ……。
「――――刹那……」
【武器創造】で黄金に輝く金剛の短剣を創り、黒装束の男の首を切り、灰になって消滅した。
所詮、【隠密】がわからない雑魚だな……。
「――――ギャァァァァ!?」
隣から悲鳴が聞こえた。
メアが闇を付与した金剛の星球を当て、楽しんでいた。
「フフフフフフ……もっと嘆きなさい……下等生物はそれがお似合いですこと……」
まったく……豪快にばらしてどうする……。
「て、敵襲!? 各自、攻撃態勢――――ギャァァァァ!?」
ライカは雷を付与した黄金に輝く金剛の刀で雷光を纏いながら次々切っていく。
あまり派手にやりたくなかったが、どうせ全滅させるからどうでもよくなった。
「ひぃ、た、助けてくれ!?」
次々と仲間がやられて怯えて逃げていく。
逃がすわけないだろ――。
「――――ダークチェーン……」
「や、やめてくれぇぇぇぇ、――――ギャァァァァ!?」
魔法で地面から4本の闇の鎖を出して手足に巻き付かせ、拘束するし、短剣を振り下ろして真っ二つにした。
「な、なんなんだ!? いったいなんなんだよ!?」
何もわからなくていいさ……気づいたら頃には地獄に行っている――。
………………
…………
……
邪石の反応がなくなり、ものの数分で片付いた。
「久々に楽しませてもらえるかと思いましたが……骨がありませんこと……」
「あくまでこいつらは偵察隊だ。邪石を付けても弱いのは変わらない」
「フフフ……そうでした……。このくらいで我慢します……」
「我慢も何も儂らはこれくらしかできん。あとはあやつらが頑張るしかない」
ライカの言うとおり、これ以上踏み出してはいけない。
俺たちが踏み出していいのはこれだけだ。
用は済んだ、シンガードに戻る――。
シンガードに着くと、ヴェンゲルさんが駆け寄ってきた。
「お前たち、何も言わずに外に行くとは……。散歩でも行っていたのか?」
心配そうに言う、散歩と思っているならごまかせそうだ。
「ええ、そうですよ」
「そうか……。俺にもひと言くらい言え……。自ら汚す行動はよせ……今回は見逃してやる……」
そう言って俺たちの肩を軽く叩いて離れていった。
わかっていたのか……。血がついていないのに……。
グランドマスターの勘かもしれない。
けど、俺たちは未来のためにやったこと――後悔はしていない。
だけど……気遣ってくれたことには申し訳ない……。
ふぅ……寝て落ち着かせよう……。




