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505話 精霊使いの暴走②


「ワタクシの玩具なのに生意気ですこと……」


 風魔法(アクセラレーション)も使って素早く動いているソウタにイラだっているメアがさらに影の鎖(シャドウチェーン)を追加して捕まえようとする。

 捕まえなくても十分に遠くに離している。


 今のうちに――。


「う……私……いったい……えっ、なんで服が破けているの!?」


 気を失っていたチヨメが目を覚ました。

 縄を外そうと暴れる。

 目覚めていたらちょうどいい。


「待っていろ、魔法で切って――」


「レイさん後ろ!?」


 魔法を発動しようとした瞬間、チヨメの声で後ろを振り向くと、背後からソウタいた……あの距離を移動したのか……。

 ソウタは拳に風魔法を纏っていて俺を殴ろうとする――。


「おい……俺を忘れるなよ……」


「――――ブエェ!?」


ヴェンゲルさんはソウタの顔面を殴り、お遠くへ吹っ飛んでいく。 

 

「レイ、早くしてくれ!」


 

「――――フレイムカッター!」


 炎の刃で縄を切り、チヨメは体制を崩さずきれいに着地する。

 無事とは言えないが、助けることができた。


「助かりました……」

 

「もう大丈夫だ。何かされなかったか?」


 そう言うと身体を震えさせて顔が真っ青になった。

 あっ……聞いてはいけないみたいですね……。


「私が意識があったとき――担いでたときに……む、胸を触ってきたり……か、髪を鼻息荒くして嗅いでいました……」


 うわぁ……全然無事ではないぞ……。アイツどさくさ紛れて触るのではない……。


「ほかにされたことはないのか……?」


「抵抗したら黒い液体を飲ませられて意識がなくなりました……」


「ちょっと待て、あれを飲んだのかよ!? 本当に意識がなくなっただけか!?」


「はい……。無理やり飲まされましたが、今は身体が軽く高揚とした気分です……」


 あくまで滋養強壮剤だからな……。効き目はあるようです。

 あれを飲んだら意識がなくなるっていうよりも記憶がぶっ飛んだほうがあっているはずだ。


 だが、実際にはマズすぎて意識がなくなったかもしれないしな。

 チヨメが暴走しなかったのがまだ救いか。


 ソウタが倒れているうちに避難を――。


「俺の女に手を出すなぁぁぁぁ――――!」


 ソウタは膨大の魔力を出して立ち上がり、俺たちの方に向かってくる。

 はっ? ヴェンゲルさんに渾身の一撃を喰らっても起き上がるのかよ……。

 というか正常に戻らないってない……。


 どんなけあの滋養強壮剤を飲んだんだよ……。


「今度は逃しませんこと……」


 メアはさらに影の鎖を追加してソウタの行く手を阻む。

 しかし、関節を曲げて人間離れした動きで躱して進んでくる……。

 さすがのメアもドン引きです。


「人をやめて得体の知れない軟体になりましたか……」


「これじゃあソウタを止められない。ソアレ、チヨメと一緒に領地に戻ってくれ」


「わかりました! ――――ゲート!」


 ソアレとチヨメは空間魔法で領地に戻ってくれた。

 すると、ソウタは消えたことがわかると、逆方向――領地に方に向かう。

 諦めが悪いな……このまま繰り返されても困る。時魔法(ヘイスト)を使って追うしかないか。


「救世主様! 私に任せてください!」


「セレネが? わかった、できるだけ加減はしてくれ」


「わかりました!」


 笑顔で言うと、翼を広げて飛び――ソウタに追いついた。

 そして【混合魔法】――氷と時魔法を使う――。




「――――フリーズ!」



 魔法を発動すると――ソウタの身体は薄い氷の膜に徐々に覆われて動きが止まった。

 氷魔法だけなら火魔法を使って溶かすことができるが、逃げないよう時魔法を組み合わせるのはよく考えた。


「嬢ちゃん……ありがとよ……。テメェ……言いたいことはあるよな……」


 ヴェンゲルさんは指をポキポキと鳴らしてソウタに近づく。

 あぁ……やられたらやり返す精神ですね……。

 というか硬直して何も言えないですよ。


「そうかそうか……。ないならないでいいぞ……。死ぬ気で耐え――」




「――――雷走!」



「――――グブェ!?」



 殴りかかろうとした瞬間にライカが雷を纏って突進し――吹き飛んで大木に当たり倒れしまう。



「あれ? 何も起こらなかったぞ?」



 逃がさないよに思いっきり突進したみたいだ。

 まあ、ソウタは気絶して動かないから結果としてはいいです。

 今のうちに縄で縛ろう。

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