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495話 動く魔王と王様


 夕方になり、アマーニをは王都――教会に戻ることになった。

 メア曰く、ギリギリまでソウタとお熱くなっていたらしいです。

 昼のときよりもさらに干からびていた。


「ああ……聖騎士様……寂しくなります……すぐにお戻りください……」


 ヴェンゲルさんの機嫌により、ソウタは再び王国騎士――尻追い組と合同訓練をすることになった。

 これはソウタのせいだからなんとも言えない。


「ああああ……ああああああ……」


「そうですか……お互い乗り越えましょう……」


 「あ」しか言っていないぞ。何を言っているかわかるのか?

 

「では行きましょうか……」


「少々お待ちを――」


 メアが送ろうしたときにアマーニは膝をついて拝む。


「守護天使様……必ずお迎えに上がります……」


 コイツ、懲りないな……。当然、その祈りは届くはずがない。

 双子は小人たちと遊んでいるからな。

 

 もし双子に何かしたらまたマイヤに頼んで後悔させる。

 

 メアはアマーニの姿に笑いをこらえて空間魔法(ゲート)を使って王都に送った。


 ――夕食後、屋敷でのんびりしていると、王様から連絡がきた――。


『いや~急でごめんね~。重要な話があってかけてたんだけど、いいかな~?』


 やけにご機嫌である。いい知らせでもあったのか?


『大丈夫ですよ。話とは?』


『実は魔王さんと話して――』


 話によると――アンバーが突然、連絡が来て、帝国との休戦を解除する話になった。

 そう、戦争を開始すると。

 解除は王様の契約上の元、主導権を握っている。

 王様が宣言をすれば簡単に解除できる。


 王様としては嬉しい話だが、急なことで待ってくれと言う。

 メデアコットを占拠したあと、解除する話になった。


 まだ話し合っている段階だが、アンバーは魔大陸とズイール大陸の荒れている海域を渡り、西から責め、反乱している冒険者と王国騎士で東から責め、挟み撃ちにすることを考えているようだ。


 そこまで考えているとは……。アンバーとシャーロさんが本当に帝国に殴り込みしようと考えていたとは……。


 しかし、メデアコットは一からやり直しで、まだ先の話になる。


『そうですか……。では俺に話したということは俺たちは戦争に参加ですか……?』


『あ~、そこなんだけど、魔王さんと話して、レイ君たちは支援くらいで前線には出さないことになったよ。けど、ソウタ君は参加させるかな』


『なぜソウタは参加ですか?』


『だって、スカーレットの婚約者だからね。その分は働かないと。ヴェンゲルから聞いたけど、ソウタ君、調子に乗っているみたいだね。さすがに僕も軽視できなくて、スカーレットの代わりにソウタ君を参加させるってことだよ』


 優しい王様がソウタにもう黙っていなくなるとは……。

 いや、これまで大目に見ていたのが不思議ではある。

 

『そうですか……。それで俺たちは支援っていうのは……?』


『レイ君の領地で王国騎士を鍛えてくれないかな? ファイスが見たらかなり好評と聞いてね。ぜひお願いしようと思っているよ。あとは準備のために多めにポーションとか納品をお願いね』


 ファイスさん……ロードに会いたくて言ったのかもしれない……。


『それはいいのですが……王都にいる騎士が少なくなるのでは……?』


『ああ、レイ君の領地にいる騎士と交代しながら回すから安心してね』


 そういうことか。なら問題は……ある……。

 新しく来る尻追い組が面倒なことを起こしそうです……。

 ゆっくりできそうにない……。


『わかりました……』


『よろしくね~。そうそう、もしかすると魔王さんから連絡が来ると思うよ。魔王さんも同じこと考えていたからね!』


 魔王軍も交代するのか……。

 また慌ただしくなりそうだ……。


 こうして王様との連絡が終わった。

 

 その数時間後――。


『レイよ、王様(ディカルド)から聞いているかもしれんが、魔王軍を鍛えてくれ! よろしく頼むぞ!』


 アンバーから連絡が来ました。


『わかったよ……。というか、戦争とか気が早いのでは……? それに魔大陸とズイール大陸の間の海域は荒くて危険ではないのか……?』


『荒れている? ああ、あれか、確かに荒れているな。あれは幼女神がズイールの連中を越させないよう荒くしているだけだ。休戦解除のタイミングで、幼女神が穏やかにさせる。心配無用だ』


 シャーロさんが発生しているのか……。

 女神ってそんなこともできるのですね……。

 

『初耳だぞ……』


『オレしかしらなくて当然だ。まあ、荒くても屈強な人魚族に頼んで船を余裕で動かせるぞ。あと、ハーピー族に任せて空から運ぶことができるしな』


 多様な種族がいることを忘れていました……。

 いつでも仕掛けられるじゃん……。


『ハハハ……俺たち出番ないな……』


『そうだろう? だから準備が整うまで部下を頼むぞ! あと、明日の昼にディカルドと帝王の息子と会議するから小娘かメイドに王都の移動を任せた。じゃあな――』


 そう言って連絡が途切れる。

 会議するのか……しかも王子も一緒に……。

 まあ、話が進むのはいいことだ。

 俺たちは支援するだけだからな。


 あっ、ソウタにまだ言っていないや、もう遅いから明日にする――。

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