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494話 天使の笑顔


 シャーロさんは泣き止み、俺から離れていつもの表情になる。


「魔王……城に戻って……相談したいことがある……」


「わかった、すぐに戻る。お前さんもすぐ来てくれ」


 今後――グリュムの件について話すようだ。

 まさか帝国に殴り込みに行くわけではないよな? 

 そうだとしてもすぐには行かないとは思うが。


 こうして会話が終わり、双子を呼んで、シャーロさんは手を振って見送ってくれた。


 視界が変わり――女神像の前に戻った。


「オレは城に戻る。アイシス、送ってくれないか?」


「かしこまりました――」


 さっそく、アンバーはアイシスの空間魔法(ゲート)で城に戻っていった。

 

 すると、ぐぅっと、大きなお腹がなる音がした。

 双子はお腹を抑えている。


「「お腹すいた……」」


 もうすぐ昼食の時間だったな、俺たちは集会場に行き、食事が来るまでイスに座って待つ。


 待っていると小人たちは双子の前に集まって賑やかだった

 ほかの人も集まってくるが、気にせず小人たちと話していた。

 ちょっと心配していたが、大丈夫なようだ。

 周りに怯えていたら屋敷の食堂に移動させようと思ったが、問題なかった。

 

 朝食のときはわからないが、この様子だと普通に食べていたと思う。


 すると、アマーニと干からびてよろけながら歩いてくるソウタが腕を組んでラブラブな様子で来た。

 おい、さっきまで反省していたのにすぐ開き直るな……。

 まさかこの短時間でお熱くなっていないよな……?


 その後にソウタの嫁たちと精霊、ヴェンゲルさんが冷たい視線でソウタたちを見ながら来る。


「フフフフフフ……滑稽ですこと……」


 笑いが止まらないメアも来て察しました。

 もう何か問題を起きたらアマーニを出禁にする。


 食事が運ばれてきた――オムライスにハンバーグ、エビフライにスパゲッティがワンプレートの皿に盛られている。

 これ、お子様ランチか? 


「「わ~い、お子様ランチだぁ~!」」


 双子は大喜びだった。

 お子様ランチを知っているのか。

 

「お子様ランチを食べたいとのことで特別に用意しました」


戻ってきたアイシスが言う。

 まさかお願いしていたのか。

 日本の発祥の料理が気になっていたかもしれない。


 小人たちも好きな食べ物が盛られていて大喜びである。

 

「「「よし!」」」


 その様子を見る輩3人組(ジェリックたち)はガッツポーズをする。

 そういえば今日は当番だっけ? 


「悪いな、手間がかかっただろう?」


「そんなことはないですぜ! 本当の天使に頼まれたらやる気になりますぜ!」


 ああ……好きでやっているのなら問題ありませんね……。

 まだジェリックたちはいいが、ヤーワレさんが見たら昇天して天国行きなのは確実です。


 双子は目を輝かせて口に運び、ジェリックたちは唾を飲み込んで緊張する。

 

「「おいしい!」」


 喜んだ瞬間、涙が溢れて止まらなかった。

 嬉しいのはわかるが、大袈裟だな。


 遠くで見ているほかのヤーワレ軍団も自分かのように涙を流す。

 まあ、ジェリックたち丹精込めて天使たちに作っているから喜ばしいことだよな……。

 なんか、大袈裟と言って申し訳ない……。


 小人たちも喜んでいるから月に数回くらい献立に入れよう。


 昼食後、ヴェンゲルさんとライカと禁忌野郎のことについて話す。


「レイが寝ている間に聞いたぞ。あと少しのところだったことをな」


「失態です……俺が油断していなければ終わったことです……」


「まあ、怪我人は出たが、死人出なかった――それだけで十分だ。次があるならそこで終わらせればいい」


 かなりポジティブに言うな。

 でも、ここで悔やんでいても仕方ない。次に備えないといけない。


「次は儂も禁忌野郎をやらせてくれ。絶対に子どもたちを守ってみせる……」


 ライカは納得していなかった。

 無理もない、ナゴミが人質にさせれて気が気でない。

 俺の失態でもある。ダメだとは言えない……。


「わかった、だが、怒り任せに戦うなよ」


「それはお互い様だろう……」


 返す言葉もない……。

 今回、怒りはあったが、【逆鱗】のおかげで暴走まではいかなく制御できた。

 ライカが暴走しないようにと思って言ったが……心配である……。


「それはそうと、終わってないなら冒険者はこのまま継続させる。なんなら増やす手もあるぞ。暇な奴も多いしな」


「心強い天使が来てくれたので大丈夫ですよ」


「ああ、あの子らか。よく俺が知らない間に天使と会っていたとはな……。まだ隠し事があるようだな」


 さすがにここまでくると、疑いますよね……。


「ハハハ……後ほどわかりますよ……」


「まあ、いい、そういうことにしておく。言っても話してくれそうにないしな。昨日のことは陛下に伝える。ゆっくり休めよ」


 そう言ってヴェンゲルさんはその場を後にする。

 そこまで気になる人ではなくてよかった……。


 はぁ……まだ疲れがあるし、ヴェンゲルさんが言ったとおりゆっくり休むとする。

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