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473話 問題解決したが……


 みんな、まだお取込み中だから帰りはライカに任せて俺は先に領地に戻る――。


 空間魔法で集会場に移動すると王様に報告していたヴェンゲルさんは頭を抱えてイスに座っていた。


「その様子だと良い知らせではないですね……」


「はぁ……そうだ……。陛下は賛成している……。もう1週間延ばしていいと……」


 えぇ……王様、何を企んでいますか……?


「理由は聞いていますか……?」


「ファイスが惚れるほどの女性はめったにいないと言って……この機に少しでも進展してほしいとな……」


「一応、魔物が恋愛対象ってことは……?」


「もちろん、言った……。恋愛に魔物や種族は関係ないと言った……」


 すごい応援していますね……。

 確かにスカーレットさん――あれほどの美人が一緒にいても恋愛対象として見てはいなかったしな。

 まあ、仕事の付き合いもあるし、恋愛には至らないか……。


 かなりの堅物を動かすほど珍しいから許可したのかもしれない。 

 多分、王様は面白がっているとは思う……。


 とは言ってもロード次第だ。

 嫌と言ったらきっぱり諦めさせる。


 しっかり返答するまで様子を見る。


 まだ俺が首を突っ込むところではない。


 ヴェンゲルさんは訓練が終わったファイスさんに伝えると、拳を握りしめてガッツポーズする。

 あっ、やっぱり嬉しいようです。


「「「勘弁してください……」」」


 尻追い組は地獄の期間が延ばされて嘆いていた。

 これで性根を叩いてくれるなら万々歳だ。


 もう尻追い組の監視はしなくてもいいな。



 ――夕食後。



 今日はいろいろあって疲れた……。

 もうゆっくり休むか、屋敷に戻ろうとしたとき――。


「ボス……また問題が……」


 ホーツがため息ついて来ました……。

 えぇ……またかよ……。


「今度はなんだ……?」


「まだ……視線を感じるみたいです……」


「はい? もう女性は入っていないはずだろう……?」


「はい、僕たちの種族は入らなくなりました……。ただ……」


「ただ、なんだ?」


「ただ、トリニッチさんが入っていました。それで……」


 トリニッチさんかよ!? 

 たまに一緒に入っているとか言っているのは聞いていたが、まさかトリニッチさん目的かよ……。

 もう女性の身体でダイナマイトボディならなんでもいいのかよ……。

 アイツら……ずっと監視してないとダメなようだ……。


「ちょっとトリニッチさんに言ってくる……」


「まだ温泉に入っていますよ」


 俺とホーツはユニコーン専用に作られた温泉浴場に向かう――。


 すると、露天風呂を見えないように設置している竹垣の隙間を必死で覗こうとする数十人の尻追い組がいた。

 もう言葉がでません……。


「おい、そこで何をしている……?」


「「「ひぃ、レイさん!?」」」


「ユニコーンからまた苦情がきているぞ……。いい加減にしろ……」


「「「し、失礼します!」」


 【威圧】を出そうとした瞬間、急いでその場を去っていく。

 これで解決したわけではない。


「トリニッチさん、相談したいことがあります。上がってからでいいのでゆっくりしてください」


「ワタシに相談~? わかったわ~。けど、あと2時間くらい入るから~レイちゃんが入ってきて~」


 2時間も長湯するのか……。しょうがない……中に入って相談するか……。


 俺は中に入ると――トリニッチさんは…………女性の姿で、タオルをかけないいまま床で大の字に倒れている……。


「この状況はなんですか……?」


「のぼせちゃって、ゆっくりしているのよ~」


 女性の姿とはいえ、男の性格なのは変わらない……。

 知らない男が見たらかなり危ないです。


「なぜそこまでして入るのです……?」


「ソウタちゃんと夜過ごす準備をしているのよ~。入念にきれいにしないといけないわ~」


 そこは乙女の心をもっていますね。

 よかったなソウタ、こんなにも気を遣う女性? は誰もいないぞ。

 素直に認めて結婚してください。


「話が脱線しましたが、相談が――」


 トリニッチさんに説明をして露天風呂のときは元の姿になるようお願いする。


「あらやだ、そうなの!? 視線はわかっていたけど、ワタシの裸を見て欲情するなんて…………嬉しいわ!」


 嬉しいのかよ!?

 それほど、乙女の姿を認められたってことになるのか?


「そうですね……。だから元の姿になってください……」


「どうしようかしら~。ワタシはここままでいいけど~」


 ダメだ、浮かれている……。

 

 しょうがない、最終手段だ――。

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