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470話 赤晶騎士と騎士団長


 夕食の時間に干からびている尻追い組と――。


「まだ足りん……もっとだ……左腕が疼かないぞ……」


 なぜか中二病全快のソウタが戻ってきた。


 これはメア仕業ですね……。


「フフフフフ……むっつりなお兄さんはメンタル崩壊しそうなので与えました……」


 手を出さないのではなかったか?

 まあ、今回はかわいそうだから良しとしよう。


「何言っているの……? ちょっと気持ち悪い……」


 ロードはソウタの言動に引いている。

 中二病患者はダメなようです。

 というかソウタ自身に無理があるようです。

 

 ここまでソウタが嫌われるのは珍しいな。

 やはり印象が悪かったか。


「美しい……」


 ファイスさんは朝食のときと変わらず遠くの席に座ってロードを見つめる。

 尻追い組とは違い、一定の距離をとっている。

 まだファイスさんだから安心できるが、この滞在期間で何かあるとは思う。


「「「団長……」」」


 だからなんでこの世の終わりのような顔をする……?

 ナイスバディな美女なんて探せばどこにでもいるだろう……。


 あれから3日が経つ――。


 尻追い組はファイスさんの厳しい訓練でイライラしてソウタに逆ギレする。


「お前のせいだぞ! なんでこんな目に合わないといけないんだ!」

「テメェせいで散々な目に合っているんだぞ! 責任を取れ!」

「なんで俺が辛い目に合わないといけない! いい加減にしろ!」


 罵声を浴びているが――。


「愚かな道化たちよ……。俺を冥府に落そうとは、なんという醜悪……。緑の小物(ゴブリン)以下に等しい……」


 中二病を炸裂して挑発していた。

 もう薬に頼らないと精神がもたないようで自ら飲むようになりました。

 そして追加注文もいただきました。

 気になって中二病薬をの配合の見た――大量のニンニク、大量のトウガラシ、ワイバーンの血、回復草、魔力草、果実フレーバです。

 

 まさかワイバーンの血が入っていたのかよ……。

 前に大量に倒した分があるから試しに使ったかのかもしれない。


「いつかブルーワイバーンの血で試したいっス」


 メメットは言っていたがシエルが採血をしてくれるわけがない。

 諦めてください。


「はぁ!? テメェが口ごたえしていいといった!? やるのか……?」


「いいだろう……。道化たちを冥府に落とし絶望というスパイスを送ってやる……」


「なにわけのわからないことを言ってやがる!? 今すぐ――」


「お前たち、なにぼさっとしている! 早く定位置に戻れ!」


「「「はい、団長!」」」


 結局、ファイスさんが怒鳴り、ケンカには至らなかった。


 そして訓練が終わると尻追い組はソウタを囲み、剣を抜いてやる気満々です。


 ファイスさんは何も言わずにスルーした。


「止めなくていいのですか?」


「ソウタ殿ならあのバカ者たちにやられるわけがない。信頼をしている。それにもっと痛い目にあわせないと懲りないから止めはしない」


 なるほど、そういうことなら俺も止めない。

 まあ、何度やっても懲りはしないと思うけど。


「これでテメェとはおさらばだ」

「お前がいなくなればスカーレットさんとルージュさんは婚約破棄できる」

「覚悟はできているな、この頭がおかしい畜生が……」


「ふぅ、いいだろう……。久々に俺の左手、左眼は疼いてやがる……。まとめて来い……」


 昨日も左手と左眼が疼いている発言していませんでしたか?

 また適当なことを……。


「このイカレタ野郎め……かかれ――」


 尻追い組は一斉に襲いかかろうとするが――。



「――――業火に焼き尽くすレクイエム!」

「――――深海に沈むグリーフ!」

「――――疾風怒濤のデスペレット!」

 

 

「「「――――ギャァァァ!?」」」


 

 尻追い組は返り討ちにされ空高く吹き飛ばされる。

 中二病全快の名で炸裂しているが、各属性で切り上げているだけです……。

 技の名としては割りに合わないですよ……。

 適当に言っているだけ……。


「なんでこんな奴にやられる……」

「俺のスカーレットさん……ルージュさん……」

「ふざけるな……絶対後悔させてやる……」


 涙を流して悔しがっている。

 まあ、中二病になっても強さは変わらないしな。

 まだ本気は出していないソウタに勝てるのはあり得ないこと。


 これで少しはまともになってほしいところだ。

 

 さて、集会場でお茶でもするか――。


「ロード殿、趣味はいったい何を?」


「えっ、ちょっと……」


 ファイスさんはロードがくつろいでいる隣の席に座り、積極的に話しかけていた……。

 えぇ……もうここまで来たか……。予想外の早さで驚いています……。

 まさか尻追い組をソウタに任せたのは邪魔されないためだったか。

 意外にずる賢いですね。


「まったく、ナンパしやがって……。訓練が終わっているなら別にいいけどよ」


 さすがにやることやっているからヴェンゲルさんは文句は言えないようです。

 

「私……これから小人ちゃんのお世話しないといけないからこれで……」


「あっ、待ってくれないか! せめて趣味だけでも――」


 ロードは質問責めに耐え切れなく席を外す。

 これはフラれたも同然ですな。


「まだだ、次こそは――」


 諦めきれないようですね。

 あとでロードに聞いて、もし嫌なら諦めさせよう。

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