467話 連帯責任?
領地の案内が終わると、集会場にはボコボコにされたソウタと尻追い組が正座され、アイシスとヴェンゲルさんが説教していた。
「「「申し訳ございません……」」」
「なんで俺まで……」
「テメェは紛らわしいことするから連帯責任だ。文句でもあるのか?」
「いえ、ないです」
とばっちりを食らったソウタでも問答無用ですね。
「またムカついて殴りそうだったぞ。それでお前たちの処分は半年は減給だからな」
減給だけはかなり優しいぞ。尻追い組は軽い処分で驚いている。
「ファイスと話し合った結果だ。これは俺たちが決めた処分だ。ちょうどレイが来たし、領主であるお前さんも処分を下してくれ」
軽いと思ったらそういうことですね。
それじゃあ――。
「どうかご慈悲を……」
「せめて強制送還はやめてください……」
「もう二度としませんから……寛大な処置を……」
つぶらな瞳でお願いするな……。
こいつら本当に面倒くさい……。
黙って反省していれば軽い処分にしようと思ったが撤回する。
「ロード、強者が好きとか言ったよな?」
「えぇ、言ったわ」
「お前たち、強くなりたくないか?」
「「「もちろんです」」」
返事だけは一丁前だな……。
まだ何も言ってないのに希望に満ち溢れた顔をするな。
「セイクリッド、モリオン、こいつらを死ぬ気で鍛えてくれ。最低でもAランクの魔物――バジリスクを1人で倒せるくらいで頼む」
「ハハハハハ、承知した。いつでもいいぞ」
「ハハハハハ、任せろ。今すぐやるぞ」
お二方は兜の奥底の目を光らせ、武器を構えてやる気満々です。
「というわけだ、これから訓練が厳しくなるからよろしくな」
「「「えっ……」」」
尻追い組は青ざめて静まり返る。
希望から絶望に変わった。
これでも優しいほうだぞ。Sランクの魔物を1人で倒させくらいなんて言うほど鬼ではないからな。
「妥当な処置だ。お前たち、今すぐ準備がしろよ。そうでなければ俺も参加するぞ」
「「「は、はい!」」
慌てて立ち上がりセイクリッドとモリオンの後について行く。
これで少しは反省するだろう。
「おい、テメェも行くんだよ……」
「えっ? 俺は無関係なはず――」
「また口答えするのか……?」
「喜んで行きます!」
ソウタもついて行った。
理不尽だと思うが、また最近ソウタは気が抜けているからちょうどいい。
頭の中のピンク色を無色にさせないと。
「フフフフフ……主様は突き落とすのがお上手ですこと……素晴らしいです……」
別に無意識でやっただけだが……。
メアとって最高の茶番みたいなようだ。
「悪いな、ロードを利用してしまって」
「いいよ、みんな貢献できるなら構わないわ。ソウタ以外は悪い人ではなさそうだから大丈夫」
ソウタの評価が下がっているのはなぜだ?
よほど、いやらしい目で見られたらしい。
さっそく、領地外で音が鳴り響き、ここでもわかるくらい尻追い組が空高く吹き飛ばされる。
派手にやっているな、死ぬ気で鍛えてくれとは言ったが、吹き飛ばされるでは訓練にはならない。
まあ、そのうち避けられることができるか。
死ぬ気で結晶騎士に鍛えられたらどれだけ強くなるか楽しみだ。
日が暮れて戻ってくるとみんな息が荒くボロボロになっていた。
約1名――ソウタが干からびているのはなぜだ?
セイクリッドの聞いたら――尻追い組はソウタを盾にして逃げ回っていたとのことです。
いや、せめて自力で逃げろよ……。
当分はソウタを盾にして避けるコツを身につけるしかないようだ。




