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461話 強化するフォレストキング


 フォレストキングは、さらに根を増やし太くして、大地を抉ぐって暴走する。


 マズい、間に合わない――。


「私は絶対助ける……」


 デスナイトは盾で防ぐが、耐えきれず吹き飛び根っこ中に吞み込まれていく。




「――――豪炎乱華!」




 俺は襲ってくる根っこ切るのにやっとだ――鉄のように硬い……。

 木の化け物なのにゴーレム以上に硬いぞ……。

 邪石の強化でアダマンタイトくらいの硬度はある……。


 なんとか防ぎきったが、ここ全域は太陽の光を遮るほどの無数の太い根に覆われてしまった。

 

 それに焼き切った根はすぐに再生して俺に襲いかかってくる。

 どうやら俺を養分として吸い取ろうとしている。

 非常に厄介だ……。早く邪石を壊したいがみんなの安否を確認しないと――。

 

「主殿、大丈夫か!?」


 セイクリッドとモリオンが根を切りながら駆け寄ってきた。


「ああ、問題ない。家に入っているルチルたちは大丈夫か?」


「家は無傷だ、安心してくれ」


 さすがエメロッテの【マイハウス】だ。槍みたいに突いてくる根でも無傷なのはさすがだ。

 

「あとはエメロッテとお前たちの友だ……」


「エメロッテは邪石を破壊すると言って1人で戦っている。自分を優先してくれと言った」


 エメロッテ1人でか……?

 すると、空から膨大な魔力――エメロッテが見えた。

 【逆鱗】と【魔力解放】を使って向かったか。


 本気なら邪石を普通に壊せるはずだ。 

 安心してフォレストキングを任せられる。


「友だちを探すぞ。あっちか――」


「おう……無事だといいのだが……」

「友の魔力が……」


 二方も察したか……微かの魔力しか感じない……。


 俺たちは根を切りながら進んでいく――。


 

「――――豪炎刃!」


 

 道を塞いでいる根の塊を切り上げ、デスナイトを見つけた。

 鎧――身体が根で貫かれボロボロの状態で魔力を吸われていた。


 

「友よ! しっかりせい!」

「今助けてやるからな!」


 セイクリッドとモリオンは駆け寄り、根を取り除いだ。


「あの子を助けないと……」


「しゃべるな! エメロッテがフェンリルを助けている。ゆっくり【再生】してくれ!」


 やはり【再生】持ちか。

 だが、魔力がほんのわずかしか残っていなく、【再生】ができなくなっている。

 アンデッドには回復魔法(ヒール)が効かない、だったら混合魔法(マナチャージ)で――。


 すると、再び根が大地を抉り、地盤が崩れて、デスナイトが落ちていく。


 タイミングが悪すぎる……。根が襲いかかってきて、近かづけない……。

 エメロッテ、まだなのか――。


 そう思っていた瞬間に邪石の反応がなくなった。

 よし、これで終わりになる。


 あとは灰になるのを待つだけだ。

 …………噓だろう……なんで終わらない……?


 終わるどころかさらに根が太くなって邪石の禍々しい魔力が通っている……。


 そのときだった――エメロッテが豪快に吹き飛ばされてこっちの方向に向かってくる。


「困ったわね……」


「大丈夫か!?」


「心配しないで、私は魔剣で一番固くて頑丈だから」


「それならいいが……。いったい何が起きた? 邪石は破壊したよな?」


「えぇ……破壊はしたわ……。だけど、フォレストキングが私が破壊しようとした直後に邪石の魔力をすべて吸い取ったの……。本体が灰になることはもうないわ。フォレストキングが邪石そのものになったかもしれないわ……」


 そんなのアリかよ……。

 

「邪石そのものって……本体を滅さないと再生し続けるってことか?」


「えぇ……そうだと思う……」


「言いたくないがフェンリルは……」


「大丈夫、致命傷ではあるけど、フォレストキングの中で生きているわ。救出してから倒せば問題ないよ」


 それを聞けてひと安心だ。


「じゃあ今すぐに――」


「その前にデスナイトちゃん会わせてくれない? 彼女はもう……」


 エメロッテは深刻なそうに言う。

 俺は察してしまった……。 


「わかった……」


 デスナイトが落ちた場所に行く――。


「クソ、根がさらに硬くなってやがる!」


「モリオンよ、全力で守ってくれ! 友よなんとか持ち堪えてくれ!」


「今来たわ――――龍舞!」


 エメロッテは【武器創造・龍】で緑龍の短剣(ドラゴンダガー)を2刀持ち、邪魔な根を舞うように切り刻んでいく――。

 なんとか合流できたが……。


「エメロッテよ、友をなんとかしてくれぬか!? 回復の魔剣なんだろ!?」


「ごめんなさい……。私はアンデッド系の子には治せない設定にしたの……。これから()()すればできるけど……今は無理なの……」


「そんな……。主殿、早く魔力を送ってくれ! まだ助かる!」


「残念だけど、核が自体が破壊されて送っても変わらないわ……」


「なんの冗談だ!? 久しぶりに会ってこんな仕打ちはないだろう……」


「嘆いても何も変わらないわ……。ねぇ、デスナイトちゃん、まだ話せる?」


「あの子をお願い……」


「わかった、安心して眠ってね」


「エメロッテ……本当に無理なのか……?」


 セイクリッドの答えに首を振る。

 だが、治せる手段はある――。


「俺が魔剣に――」


「ダメ、これ以上魔剣を創ったら主ちゃんの命が危ない。無理やりやろうとするなら私が意地でも止める」


 ダメなのか……魔剣でしか手が打てないぞ……。もう残りわずかだ、時間が――。


「みんな大丈夫!?」


 ルチルが魔剣(自分)を使って根を切って向かってくる。

 助かる方法あったじゃないか。


「エメロッテ、核はアンデッドのままだから治せないのだろう?」


「ええ、そうよ」


「じゃあ、アンデッドでなくなれば、壊れた核を治せるわけだよな?」


「ええ、十分可能よ。もしかして――」


 エメロッテは気づいたか。


「ああ、()()()()に変えさせる」  

 

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