448話 旧友と語り合う
リフィリアの説教が終わる頃には日が沈み、夕食の時間となった。
「ハハハハハ! 久々の飯はウマいな!」
モリオンはセイクリッド同様に兜をかぶったままカツ丼を食べる。
モリオンも食べるのかよ……。しかも箸を上手に使っています。
その後、セイクリッドは純米酒を飲みながら思い出を振り返っていた。
隣で聞いていたら――。
ほかの仲間は盾役と弓役とバランスの良いパーティーでプレシアス大陸を旅していた。
最初はケンカばっかりしていたが、次第に認め合い最高の仲間となった。
日々の鍛錬を重ね強い魔物――ドラゴン系を倒したり、道中困っている人を助けたり、挫折を味わったこともあった。
そして違う道を決めたときは大号泣して別れを惜しんだこと。
…………デスナイトが青春を謳歌しているぞ!?
充実した日々を送りましたね……。
それに人助けもしたのですね……。
まあ、助けられた人は騎士と間違えたのかもしれないな……魔物と知らず……。
「うぅ……いい話じゃ……。羨ましいのぉ……」
隣で聞いていたシエルは大泣きしていた。
独り身であったシエルにとって憧れる青春かもしれないです。
「お取込み中悪いがお前さんたちに相談がある」
ヴェンゲルさんはため息ついて近寄ってきた。
王様との報告がようやく終わったみたいだ。
「どうしました?」
「陛下に報告した結果、隠居しているデスナイトを保護してほしいと言っている」
保護か……急なお願いですね……。
王様は何を考えている?
「理由は聞いていますか?」
「人に危害を加えさせないためとレイたちの戦力になるからだ」
そういうことか。
言っていることはわからなくはない。けど、急すぎる。
「言っておくが隠居している奴は人には危害は加えないぞ。オレらの中では一番優しく、人助けを積極的する。誰も傷つけたくがないために隠居生活を選んだぞ。と言っても保護してくれるならオレは大歓迎だ」
まさか人助けをする優しいデスナイトだったとは……。
「モリオンと同意見だ。隠居している友もここを気に入ると思うぞ」
二方も会いたいと思うよな。
「早めに保護するように言われたのですか?」
「できればな。だが、レイの都合に任せる」
都合か……。今のところ落ち着いているからすぐに保護したほうがいいか。
禁忌野郎の騒動が終わったら会いに行こうと思ったが、王様の命令なら仕方がない。
「わかりました。モリオン、案内頼めるか?」
「承知した! ハハハ、会うのが楽しみだ!」
そうと決まれば明日――。
「鎧の兄ちゃん、オレと勝負しろ!」
「オイラが先だ!」
「ガハハハッ! 俺は次でいいぜ!」
戦闘狂組が押し寄せてきた。
残念だが、用が済んだあとに――。
「いいだろう! 明日まとめてかかってこい!」
腕を組んで堂々と言う。
えぇ……そっち優先するのかよ……。
「主殿、明日はモリオンの好きにさせてくれないか? 迎えに行くのは明後日以降で良いか?」
しょうがない、明日は好きにさせるか。
目覚めたばっかりで退屈だっだしな。
「あら~明日行かないのなら~私も交ぜて~」
エメロッテさん、さすがにあなたはマズいですよ……。
やるとしても加減はしてくださいね……。




