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444話 廃鉱に住む魔物


 反応にあったスケルトンは全て倒し、残りは奥にいる1体だけとなった。

 待ち構えているならここに住み着いたボスと言ったところか。

 さすがのヴェンゲルさんも察してしまう。


「採掘場におかしな奴がいるぞ、皆気をつけろ」


「「「は~い!」」」


 小人たちは大声で返事して警戒心はないようです。

 早く採掘したくてしょうがないですよね……。

 けど、みんな感が鋭く、強い相手だと無言になるから、そこまでではないと判断しているようだ。


 すると、奥から大きな魔力反応が出る。俺たちに気づいたか。

 そして異様な空気――【威圧】を出して警戒をしている。

 まさか【威圧】を使う魔物か……厄介なのが住み着きましたね。


「この感じ、Sランク以上はあるぞ。ちょっと面倒なことが起きたな……」


「俺たちで倒せる範囲ですよ」


「余裕なのはわかる、相手が大暴れしたら鉱山が崩壊する可能性がある。すぐ終わらせれば話は違うがな」


「でしたら魔法を使って止めましょうか? その間にみんなで採掘するということで」


「足止めか? …………まあ、大型の魔物ではないな、その方法でいくか。もし止めることができなければ撤退する」


「わかりました」


 話しが決まり進んでいく、相手の魔力でわかる――大体2mくらいの高さの魔物だ。

 なぜだろう……似たような奴と戦った気がする……。

 気のせいだと思いたいけど……。もう感覚でわかりきっている。


 広大な空間――採掘場に到着した。

 周りは金銀、ミスリルと鉱石が輝いて埋まっているのがわかった。

 

 奥には…………SSランクデスナイトが大槍を地面突きつけ、仁王立ちしていた。

 おいおい、姿形はセイクリッドとほぼ同じではないか……。

 まあ、同じと言ってもさすがに声は――。


「オレの眠りを覚ます者よ、ここから立ち去るがいい……」



 ……こいつもしゃべれるのかよ!? デスナイトは全部がセイクリッドみたいに会話できるのか……?

 

「おい、しゃべったぞ……こいつ、ユニークか……」


 ヴェンゲルさんは大変驚いています。

 全部がしゃべることはないようです。

 しかし……デスナイト頃のセイクリッドと一緒なのは単なる偶然か? 

 【威圧】は出しているが殺気なのはまったく感じなく、戦いする気配はない。


「警告だ、これ以上進むのであればこうだ――」



 デスナイトはさらに【威圧】を出して周りに圧をかける。

 うん、メアと比べものにならないが、普通の人なら跪いてチビっているところだ。

 だが、ほかのみんなは――。


「「「ん?」」」


 小人たちは首を傾げて全然効いていないです。

 小人たちは心配する必要ありませんでした……。


「ちょっと重いが……耐えられる……」

「厳しいですけど、なんとかなりますわ……」


 さすがのウィロウさんとグラシアさんは身体が震えて厳しいようだ。

 2人は危ないから後ろに下げる。


「オレの【威圧】が効かないだと……? フフフ……ハハハハハ!」


 急に笑いはじめ、【威圧】をやめた。

 このパターン、まさかと思うが……。


「目覚めていきなり強者が現れるとは運がいい! さあ、まとめてかかってこい!」


 こいつもかよ……知性のあるデスナイトって全部が戦闘狂なのか……?

 魔力全開に出して大槍を振り回してやる気満々ですけど……。



「みんな~採掘開始だ~!」



「「「おお~!」」」



 ミツキさんの声で小人たちはデスナイトを無視して周りに埋まっている鉱石を採掘する。

 相手するほど眼中にないようです。



「オレを無視するとはいい度胸だ! ならオレから――」



「「「採掘しているから待って!」」」


 

 小人たちの大声で注意するとデスナイトの動きが止まった。


「よかろう……少しだけ待ってやる。終わったらオレ勝負はしろよ!」


 そう言い、再び大槍を地面に突きつけ腕を組んで仁王立ちする。

 意外に物分かりが良いことで……。待ってくれるとは優しいですね……。


「なんだアイツ……言うこと聞いてくれるのかよ……」


「稀にいるいますよ……シエルとかそうですし……」


「デスナイトだぞ……普通なら無言で襲いかかってくる冷酷な騎士だ……」


 普通のデスナイトは戦ったことはないけど、そうなのか。

 その普通と遭遇する前にセイクリッドみたいなデスナイトと遭遇するのはどうかと思うけど……。


「まあ、こうして何もしてこないなら運がいいってことにしましょう」


「採掘が終わったどうする? ここで戦うのはやめたほうがいい。アイツくらいの強さなら激しく戦闘で鉱山が崩壊するぞ」


「言うこと聞いてくれますので場所を変えることにしましょう」


「そんなうまくいくか……? 確かに殺気はなく闘志だけあるのはわかる……」


 ヴェンゲルさんもそこまでわかっているなら、疑わなくてもいい気がする。

 あれ? ナゴミが作業をやめてデスナイトに近寄って無表情で見つめている。

 どうした?


「やっぱりセイクリッドに似ている!」


 急に喜んで抱きつく。あっ、それはさすがにマズいですよ……。

 いくら言うこと聞いても見知らぬデスナイトに抱きついていけません……。

 セイクリッドと同じだけど違います……。


「ハハハ! かわいい小娘ではないか! そのセイクリッドとはいったい誰だ?」


 えぇ……大丈夫でした……。しかも頭をなでていますよ……。


「セイクリッドはね――」


 デスナイトはあぐらをかいてナゴミの話を聞く。

 ひやひやしたが、何もなければよしとします。

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