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442話 足りないものが多い


 ――1週間が経過した。


 

 あれ以降、邪石付きの魔物は現れなかった。

 今のところ問題ないが油断はできない、禁忌野郎のことだから何か企んでいるに違いない。

 引き続きエメロッテとライカに捜索をお願いする。


 そして新たな問題が発生した。


「ダンナ、鉱石が足りなくなった。採掘場を探したい」


 オリハルコン以外の鉱石が尽きてしまった。

 人数がいればなくなるのはわかっていたが、このタイミングか……。

 

 さすがにオリハルコンは使えない。というか使ってはいけないように言われている。

 フランカが造ると国宝級になってしまい、一般人が持つことが許されない品物になった。

 もし、造るとしたら俺か王様、アンバーから許可しないといけなくなった。

 まあ、許可が必要としてもそんな簡単にあげられる品ではない……。

 そこは自重してます……。

 この様子だとミスリルも簡単にはあげられるわけないよな、お偉いさん限定としよう。


 しかし、まいったな……ここ周辺に採掘場なんてない。

 ゴーレム系の魔物でもいいからヴェンゲルさんに相談してみるか。

 なければ鍛冶街(ランズベル)にいるノズカッテに頼んで鉱石を買い取ることになる。


「ゴーレム討伐はここ最近入っていないぞ。だが、陛下に頼んで廃鉱となった場所を許可することもないぞ」


 廃鉱にした場所があるのか……。


「廃鉱ならもう掘りつくしてありませんか?」


「それは違う、環境が悪くて廃鉱せざる得なかった――魔物は強いわ、激しい雨で土砂は崩れるわ、地盤はヒビが入りやすく住める場所ではなく断念した」  


 荒れていますね……。だが、俺からしたら都合がいい。


「お願いしてもよろしいですか?」


「ああ、任せてくれ」


 こうしてヴェンゲルさんは通信機で王様連絡してお願いする。

 その横で聞き、変わるように言われると――。


『好きなだけ採掘していいよ、ケガには気をつけてね』


 あっさり許可をもらえました……。


『簡単に決めていいのですか……?』


『いいよいいよ、エリクサーをもらえるから廃鉱の許可なんて安いものだよ』


 えぇ……エリクサーをあげてもおつりがもらえるほどかよ……。

 さすが万能薬だ。ありがたく採掘させていただきます。


 場所は王都の北側100㎞にある廃鉱だ。

 今日は遅いから明日行くことになった。

 俺とフランカ、シエル、案内役としてヴェンゲルさんは決まり、ほかにメンバーの募集をかけると、マリアーテさんとナゴミ率いる小人たちが参加してくれる。

 数十人と十分集まってくれて締め切りにようとすると――。


「私も行きます!」


 ミツキさん率いる商人組も行きたいようだ。

 だが、今回は商品として扱うことができない。もちろん、その鉱石を使った武具もだ。

 その条件で開放してくれるからミツキさんには利益はない。


 そう伝えると――。


「大丈夫です! 鉱山に行ったことないので行きたいです! アイテムボックスで運ぶの手伝いますよ!」


 ただの好奇心で行きたいのか。

 ミツキさんがいれば手分けして回収できるから助かる。


「わかりました。お手伝いよろしくお願いします」


「わ~い、鉱石掘りだぁ~!」


 飛び跳ねるほど嬉しいのか。

 まあ、オーロラのダンジョン攻略に参加できなかったのもあるか。

 そこまで採掘は面白くはないと思うが……。 


 こうしてミツキさんたちも参加するようになった。


 



 ――――◇―◇―◇――――





 ――翌日。



 みんな集まり、空間魔法(ゲート)で王都近辺に移動して、シエルに乗って移動する――。


「「「わ~い!」」」


 小人たちは初めての空の旅で大はしゃぎです。

 いろいろとあってシエルに乗る機会がなかったしな、楽しそうで何よりだ。

 遠足に行くのではないが。


「久々に飛竜に乗るのは気持ちがいいぜ!」


 そういえばヴェンゲルさんとマリアーテさんはスタンピード以来でしたね。

 

「こんなに気持ちがいいと酒が飲みたくなるぜ!」


「おっ、マリアーテもそう思うか、一杯くらい飲んでも平気だろう」


「魔物と戦うことになるから飲酒だけはやめろ……」


 ヴェンゲルさんと同意見です……。2人が飲んだら大変です……。

 親睦会なんて強めの酒を少量飲んで酔っていましたのでやめてください……。


「お酒は危ないですよ! ですが、これなら大丈夫です!」


 ミツキさんはアイテムボックスから最近開発した酒入りのチョコレート――ウイスキーボンボンを出す。

 これなら少量で安心だ。試食で酔いやすい小人たちが食べても全然平気だった。


「いつの間に作った? どれどれ――おお!? 甘さ控えめで美味しいじゃないか!?」


 甘いのが苦手なフランカでも好評でした。


「オレにもくれ――おお!? 甘さと酒が合わさって最高にウマいじゃないか!? 気に入った!」


 マリアーテさんも好評です。食べる人も増えて量産を確定だ。

 

「まだいっぱいありますので食べてください!」




 ――1時間後。




「へへへ……もっとくれ~」

「へへへ……最高の気分だぜ~」



 えぇ……5粒だけで2人は酔っている……。

 もうすぐで着く予定ですけど……。 

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