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441話 情報が足りない


 戻った後、ゲストハウス作りを手伝い、日が暮れる時間になった。

 そろそろ切り上げて、温泉に入って一日の疲れを癒そうと思っていたら――。


「『主よ、邪石付きの魔物を捕まえたぞ。以前、サラマンダーと戦った場所――麓にいる。すぐ来てくれ』」


 ライカから念話がきた。

 領地に戻った後、ライカにも見張りのお願いをした。できるだけ遠くの場所を、

 今日で2体見つけるとは……。


 俺は空間魔法(ゲート)を使い、火山の麓に移動する――。


 移動した瞬間、すぐ後ろに邪石の反応があった。

 振りむくと――ライカが雷魔法(サンダーチェーン)でロックバードを逃がさないように巻き付けていた。

 目玉の代わり邪石が付けられていた。しかも両目に、目の代わりになるのかよ……。

 

 まあ、少し確認して倒すか、近寄ると――異臭が漂い鼻が曲がりそうだ……。

 よく見たら身体が腐敗していた。

 

「来たか……アンデッド化している奴に邪石を付けるなんて悪趣味だ……」


「一理ある。けど、おかしいくはないか? 邪石を付ければ再生するはずだ。このロックバードはアンデッドのままで何も変化していない」


「確かにそうだな……。何か原因があるのか?」


「実験に失敗した可能性はある、よく見つけたな」


「臭すぎてわかりやすかったぞ。禁忌野郎がバカなのか知らんが、すぐに見つけてくださいって言っているようなものだ」


 この異臭だとライカの嗅覚で余裕か。それにしてもやけにおとなしい、弱っているのか?


「主よ、そろそろ限界だ……。吐きそう……」


 よく我慢しましたね、さきにコイツをを片づけたら情報整理するか。

 失敗作なら光魔法が有効かもしれない――。




「――ターンアンデッド!」



 

 ロックバードは全身光に包み込まれ動かなくなり、身体はボロボロに崩れていく。

 邪石はポロっと落ち――落ちた衝撃で灰に変わっていく。

 やっぱりこのロックバードには適用できなかったみたいだ。

 実験っていうことはわかったが、また絶妙なところ――見張りがわからない距離で困ったものだ……。

 禁忌野郎はいったい何を企んでいる?  


「主よ……すまんが、早く戻りたい……全身臭くて嫌なんだ……。温泉に入りたい……」


 臭いがついてしまったか……。聞きたいことがあるが、とりあえず落ち着いてからにするか。

 俺も入りたいしな。

  

 領地に戻り、俺は屋敷に設置してある温泉に入ってゆっくりくつろぐのだが……なぜかライカと一緒に入っている……。

 

「いつもの場所に入らないのか……?」


「人が多くなってゆっくり入れないからな、空いてないときに使うぞ」


「小人たちが寂しがるぞ……」


「そんな子どもではないから大丈夫だろう」


 それはないぞ……いつもライカの背中を洗うためにじゃんけんして決めているからな……。

 今日、当番の人は悲しんでいるぞ……。

 これは温泉のほうも拡大しないといけないな……。

 まあ、一緒にいるからここで情報整理するか。


「それでだ、あのロックバードを見つけて何かおかしな点はなかったか?」


「おかしな点? そういえば儂に気づくと空高く飛んで逃げていった。普通なら襲ってくるはずなのに」


 俺が遭遇したホーンラビットと一緒だ。

 アンデッドになったら理性を失い、襲いかかってくるはずだ。

 それを逃げるなんておかしい。邪石を付けると理性が上がるのか?

 それなら目ではなく、頭に付けるのが普通だ。

 考えてもわからないことだらけだ……。

 実験で片づけられるならいいが、どうも引っかかる……。


 情報が全然足りない、また同じ奴が現れたらすぐに倒さずに確かめる必要がある。


「はぁ……卑怯なことせずに現れてこい……。早く子どもたちの仇を取りたい……」


 早く終わらせて小人たちを安心させたいよな、チヨメのそのうち来る、その前に終わればいいが――。


「「「守り神様いた! 洗いきました!」」」


 当番の小人たちが勝手に入ってきた。


「儂はもう洗っておるから大丈夫だぞ!」


「「「じゃあ、一緒に入る!」」」


 そのまま服を脱いで入っていく。


「これ、勝手に入るな! まったく……」


 そう言いながらいつもどおり尻尾を振って喜んでいる。

 まあ、焦っても仕方ないか。いつでも戦える準備はできている。

 

 何をしようが怖くはない、すぐにケリをつけるだけだ。

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