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437話 ギルドから派遣

 

 ――2日後。


 ギルドから冒険者を派遣する日となった。ヴェンゲルさん曰く、各場所のAランク以上を応募していたらしく、安心してくれと言う。

 やっぱり王様命令だから強い冒険者を派遣しますよね。

 まあ、ユニコーンを守れるくらいの強さをもっていないとこの依頼は任せられないしな。


 王都に集合しているとのことでアイシスが空間魔法(ゲート)で迎いに行っている。


 おっ、戻ってきた――さて誰が来て…………えぇ……数十人といる中で半数が知っている人なのだが……。

 カルムからセーレさんとアルロさん、アスタリカから輩3人組(ジェリックたち)、開拓を手伝ってくれた人、商都(グロワール)からゼネロット、王都ではフェンリ、そしてスタンピードで集結して挨拶をしたエビンさん、アーテリーさん、ロサミネさんにミミルカさんのギルドに所属しているヒーズにマーマネルラだ。

 

 それに……ギルドマスターであるザインさん、オルリールさんに協会のヴィクトリアさん、ホルダーさん、マリアーテさん、受付のエミーニャまで……。

 

「これで十分だろう?」


「十分過ぎますって……、ギルドマスターに協会も呼ぶなんて……」


「ああ、ザインとオルリールは様子を見るだけだぞ、ヴィクトリア、ホルダー、マリアーテは暇だから俺が推薦した」


「俺は陛下からたまたま呼ばれてな、それでレイにも用があって来たわけだ」


 ん? ザインさんが俺に用? いったい何があったんだ?


「俺は余裕ができたから来たぞ、約束したしな。来て早々に言いたいことがあるが……小人が住んでいるのはわかっているが……強すぎだろう……」


 オルリールさんは小人たちを見るとガクブル状態でした。

 参加した人も大勢の小人を見て戸惑っています。


「初めて大人数の小人を見た……」

「こんなに小人を率いているとは聞いてないぞ……」

「俺たち必要あるのか……?」


 最強の種族がいる場所で見張りなんてプレッシャーですもんね。

 約2名は尻尾を振ってテンション爆上げですが……。


「ハハハハハハハ! こんなに強いのがいたとはな! はじめからレイの領地に来ればよかった!」


「すげえ……すげえぞ!? いったいどいつから相手すればいいんだ! 母ちゃん、選びきれないぞ!」  


 時間があるときにしてください……。特にフェンリ、ほどほどにしてくれ……見張りする前に倒れたら困る。


「またボスの奥さんとフェンリは恐ろしいにゃ……」


「ところでエミーニャはオルリールさんと同じで遊びに来たのか?」


「最初はそう思ったにゃ、けど大変だと聞いてお手伝いすることにしたにゃ! 受付の私がいればみんなをまとめられるにゃ!」


 確かにエミーニャがいればみんなを管理してくれる。

 思わぬ助っ人が来たな。


「そうか、冒険者のまとめ役任せたぞ」


「任せる…………にゃ…………にゃ……」


 ん? 急にどうした顔色が悪くなったぞ……。

 そのまましゃがみ込み、口を押さる。


「気持ち悪い……吐きそうだにゃ……」


 急に具合でも悪くなったのか……。

 魔力を見たがどこも乱れてはなく、健康状態ではあるが……。


 大樹の魔力に触れて酔ったのか……?

 

 こういうときこそエメロッテの出番である。

 念話で呼ぶことにした――。


「どうしたエミーニャ!? みんな強すぎて気持ち悪くなったのか!?」


 興奮していたフェンリは我に返り背中をさする。

 さすがに違うぞ……。最初は驚いていたが普通に慣れていたぞ……。


「あら~どうしたの~? 私に見せて~」


 エメロッテが来た、もう大丈夫だ。

 エミーニャに近づき、【龍眼】で原因を確かめる。

 わかったのか「フフッ」と笑いはじめた。


「あらまあ~あなたのお腹に赤ちゃんがいるよ~。おめでとう~」


 まさかの子を宿したのか!? これは手伝いは厳しいな、子を優先して王都に戻ったほうがいいな。

 お相手と一緒にいたほうがいい。


「おめでとう、エミーニャ! というか相手は誰なんだ? エミーニャに男の気配なんてなかったぞ」


 フェンリは相手を知らないのか。まあ、依頼優先していたし、わからないだろうな。


「オイラも知らないぞ。男がいればニオイでわかるぞ。いつもどおりのニオイだからわからなかったぞ」


 ヴィクトリアさんもか、というか王都組は誰も知らないようで大変驚いていた。

 

「エミーニャ、相手は誰だ? 気になるぞ」


「それはにゃ……」


 フェンリが問い詰めると顔を真っ赤にする。恥ずかしいのか?

 よほど内緒にしていたから言いづらいみたいだ。


「あの~私が言っていいのかな~? あそこにいる人だけど~」


 エメロッテが指を差したのはオルリールさんである…………関係をもっていたのかよ!?

 いや、思い当たる節はある。常に一緒にいたしあり得なくはない。

 というかエメロッテ、お相手もわかるのか……。


 ちょっと、汗をダラダラと流さないで何か言ってください。

 

「すまん、魔が差してしまってつい……」


 ただの言い訳にしかすぎない、これでヴィクトリアさんとフェンリが許すわけ――。


「なんだ、夫が相手だったか、気になっていたのが損したぞ」

「なんだ父ちゃんか、それなら早く言ってくれよ」


 全然気にしていないようです……。


「えっ? 俺を責めないのか……?」


「エミーニャは夫が強いから惹かれたのだろう? なぜ責める必要がある?」

「父ちゃんとの強い子がほしかっただけだろう? なんで責めるのさ?」


 そういえばこの2人、戦闘狂の考えということを忘れていました……。

 命拾いしましたね。意外な返答だったのか口を開けたままです。


「私を認めてくれるのかにゃ……?」


「そうだぞ、しっかり強い子を育てろよ。オイラも手伝うぞ」

「オレが強くてするから安心しろ」


「あ、ありがとうにゃ……。ぼ、ボス……これからもよろしくにゃ……」


「お、おう……こちらこそよろしく……」


 簡単に丸く収まった。この2人で本当に良かった……。

 別の人だったら修羅場迎えていた。


「チッ、面白い展開になりそうと思いましたが、残念ですこと……」


 メアさん、相変わらずブレませんね。


「なんにも問題が起きなくて良かったな、誰かさんとは違って大違いだ」


 その誰かさんは優柔不断でもうどうしようもないところまでいっているのでしょうがないですよ。

 半分メアが悪いが。


「まあ、オルリール頑張れよ。それでだ、レイ、伝えたいことがある。場所を変えてくれるか?」

 

「わかりました」


 伝えたいことってなんだ? ほかのみんなはアイシスに任せて、ザインさんを屋敷に案内して、居間で話を聞くことにする。

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