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436話 魔大陸の価値観


 ――数時間が経過した。


 

「ハハハハハ! 久々に楽しかったぞ!」


「ガハハハッ! 強すぎて負けたぜ!」


 セイクリッドはボロボロになったワイルナーさんを抱えて戻ってきた。

 これはまた派手に……。お互い全力で闘ったようで満足しています。


「手加減無用とは言ったが、ギリギリまでやるとは……。今日はもう休め……」


 さすがに言い出したアンバーでも呆れている。

 身体はエメロッテ回復魔法(ヒール)で治して安静させた。

 剣も刃こぼれしているしフランカにお願いして作ってもらうしかないか。


 それに……刺激を受けたのか近衛兵組がセイクリッドと手合わせしたい人が続出する。

 

「いいだろう、毎日相手してやろうではないか。鍛えてやるぞ」


 まあ、セイクリッドは時間があるとき、みんなと稽古しているし、適任ではある。

 近衛兵組の指導はお任せしよう。


 その間くつろいでいた魔導兵組だが…………。


「「「俺と付き合ってください!」」」 


 スカーレットさんとルージュにメロメロで告白する人が続出していました。

 初対面なのにこれほど魅了させるとは、この双子恐ろしいです……。

 当然、「婚約者がいる」と言い、次々と玉砕されて地面に手と膝をついて落ち込む。


 その婚約者――ソウタだとわかると納得をする。

 何気に潔いのは珍しい、ほかの誰かさんとは違いますね。魔王軍はかなり教育がいっているようだ。


「相手は恩人様ならわかる……強いしな……」

「やっぱり強いお方だと美女と一緒にいられるのか……」

「クッ……俺も強ければ……」


 そういえば魔大陸は強い人がモテやすい基準だったよな、忘れていました。

 面倒事にならなくてこちらとしてはよかったが、今後に支障が……。


 それを見た尻追い組は笑顔でウキウキでした。

 ライバルが増えなくて喜んでいます。

 笑顔で駆け寄り慰めて立ち直り、次第に仲良くなっていた。

 まさか尻追い組がこんな形で役に立つとは意外です……。

 良好なれたのはいいが、ノーゼンは双子を見て震えが止まらなかった。


「ピア隊長と雰囲気が似ていて苦手だ……」


 まったく似てはいないが、何か察知したようでした。

 副隊長が魅了されていないのは良いことだ。


 さて、もうすぐ昼飯だし、豪華な食事で歓迎しようか――。




 ――――◇―◇―◇――――



 

 ――3日が経過した。



 

 魔王軍は領地に馴染んでいき、さっそく王国騎士と合同練習をする。

 合同練習とは言っても領外にいる魔物を連携してに倒し、互いの実力を確かめることである。

 

 俺は【飛行】を使って空から様子を見ていたが、連携もしっかり取れていて申し分ない。

 大樹(ユグドラシル)で結界を張っていても魔物は入って来るし、安全とは言えないからな。

 ほとんど入ってきた魔物は小人たちが倒しているが、このくらいなら十分に任せられる。

 

「どうだ? オレの軍は強いだろう? 心配しなくてもぐっすり眠れるぞ」


 さすが魔王軍ってことだけはあるな、さらに領地の守備が強化できて安心だ。

  

 ただ――。


「ガハハハッ! セイクリッド、どれだけ倒したか勝負だ!」


「いいだろう! 受けて立とうではないか!」


 ワイルナーさん……なぜだろう……部下に指示しないで魔物を好き放題狩って単独行動している……?

 

「ワイルナーさん、隊長なのに部下を放置しているが……」


「ああ、アイツは好きなように暴れさせるのが一番だ。気にすることではない」


「よく隊長になれたな……」


「ん? 強いからに決まっているだろう。強いから隊長にする。そして部下が集まる。当然のことだ」


 そこでも魔大陸らしい選び方なのか……。

 どちらか言うと魔王軍より冒険者向けだな……。


 一概には言えんが。


 ひとまず、魔王軍の実力も見れて、みんなと仲良くできて安心した。


 あとは2日後に冒険者が来ることなっていて、どうなるかだ。

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