表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
420/918

414話 エリクサー


 万能薬(エリクサー)なら治せるはずだ。

 だが……。


「作り方はわかりませんよ……。それにエリクサーなんて神話級の品です……。作れるかどうか……あとユニコーンの角を使うではないですか……」


「なあに、心配するな、オレの城にレシピがある。【調合師】スキルを持っている大精霊と獣人なら余裕で作れる。問題のユニコーンだが……」


 レシピを持っているなんて、さすが地上の管理者だ。だが、ユニコーンでため息をつく。やっぱり捜すのは難しいのか……。


「捜索は困難ですか……?」


「いや、オレが保護している。会いたければすぐに会える。アイツら気難しくてな……話を聞いてくれるかどうか……。聞いたとしても問題の角なんだが、失うと生えるまで力がなくなる。誤って折れた角があればいいが、簡単にはいかない……。まあ、盟友のためだ、必ず説得してみる」


 保護しているのか!?

 ユニコーンが気難しいかろうと、大きなチャンスだ。

 だったら俺も――。


「魔王さん、ユニコーンがいる場所に案内してくれませんか? 俺も説得します」


「よそ者にはあまり口を聞かないが、行きたいか?」


「はい、お願いします」


「わかった、用意は――」


「ウチも行く……治せない責任がある……」

「俺も行かせてください……」

「私もお願い……魔王さん……」

「ボ、ボクも……」


 マイヤ、ヴェンゲルさん、アリシャ、リヴァもお願いをする。

 みんな責任を感じていて行きたいみたいだ。


「おい、そんな簡単に許可できんぞ。場所を漏らすわけにはいかない。お前たち、守れるのか?」


 その4名は「絶対守る」と言って一歩も引かなかった。


「はぁ~、しょうがない……。わかった……詳しい場所は言わん、無理に特定はするなよ」


 渋々了承してくれて4名が行くことになった。

 遠い距離だからシエルも同行しないといけなくなった。

 みんな早く行こうと魔王を急かす。


「待て、その前にレシピだ! ユニコーンの角が手に入ってほかに素材も段取りがある! すぐに出発できんから待っていろよ! 小娘、城に戻せ!」


「はいはい……」


 魔王はレシピを取りに城に戻っていった。


 戻ってくるまでやれるだけのことはしよう。

 汚染されたみんなを広い宿に移動させる。


 今はこれくらいしかできない……。


 王様に連絡をして、予定より早く臨時講師をやめることを伝える。

 あとケンカしている場合ではないソウタにも伝え――。


「容体はどうなんだ!?」


 慌てて来てくれた。

 黒い靄を見た瞬間、青ざめて崩れを落ちて泣き始める。


「ごめん……スカーレット……ルージュ……俺がしっかりしていればこんなことに……」


「テメェ……後悔しても遅ぇんだよ!」


「――――ガハァ!?」


 ヴェンゲルさんはこれまで溜めていた怒りをソウタに顔面を殴る。


「テメェが早く来てもなにも解決しないだろう!? ふざけるな!」


「お、俺にも責任はある……。話は聞いている……俺もユニコーンを捜しに行く……」


「はぁ? テメェが行っても足手まといだ! おとなしく待っていろ!」


「で、でも……」


「でもじぁあねぇ! スカーレットとルージュを見守れ……テメェはムカつくが、この2人は女癖が悪いテメェをそれでも愛してるいるんだぞ……黙ってそばにいろ……」


「それでも俺を……。わかった……」


 ソウタは涙をボロボロと流して言うとおりにスカーレットさんとルージュさんのそばにいき見守る。

 なんだかんだヴェンゲルさん、嫌と言いながら優しいところがある。



 ――1時間後、メアと魔王が戻って、リフィリアとメメットにレシピを渡して、ユニコーンの角以外を確認――マンドラゴラの粉末がないとわかると、サイガさんに聞けばなんとかなるということだ。


「あとはユニコーンだ。レイ、ロールヘイス近くに移動してくれないか?」


 

 俺は空間魔法(ゲート)を使おうとした瞬間、エクレールは無言で近寄ってくる。

 しょうがない、一緒に連れて行くか。

 

 気を取り直して、ウルマとララアの故郷のロールへイスに移動する――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ