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395話 転生者


 午後――2クラスの授業が終わった。

 1年生は教えるのが楽で良かった。

 2日目は午前は大学生を教えるのは大変だったが、良しとしよう。


 職員室に戻りと、廊下にクエスリークが待っていた。


「ストップウォッチありがとうございました。また使いたいのでよろしくお願いします」


「ああ、そのことなんだが、それはあげるよ」


「えっ、いいのですか!? ほかの子も使うと思いますが……」


「職員に確認したら時魔法を使うのはほかにいないってさ。だからあげるよ」


「あ、ありがとうございます! 大切に使います!」


「しっかり覚えろよ。それと少し話があってな、中に入ってくれ」


「は、はい!」


 クエスリークを職員室に入れて、俺が使っている個室に案内をする。

 メアがドアを閉めて、話をする。


「まあ、そんなに緊張しないで座ってくれ。メア、お茶と菓子を用意を――」


「仰せのままに……」


「いいのですか、お茶をもらって…………緑茶!? それに……せんべいも!?」


 メアが無限収納から緑茶とせんべいを出すと驚き、そのあとに固まって沈黙する。

 本当にわかりやすい反応だ。


「単刀直入に言うが、前世は日本人か?」


「そ、そうです! 先生はまさか……」


「俺もそうだ、名前でわかるだろう?」


「最初は思いましたが、この世界に日本と同じ文化があると思い、そこの出身かと思いました……」


「俺が知っている限りはこの世界に日本みたいな文化はないぞ。」


「そうですか……。じゃあ、ソウタさんも転生者ですか?」


「ソウタは転移者だ。偶然会ってな、それ以来一緒にいる」


「なるほど……。じゃあ、もらった野菜は2人で捜して栽培したのですか?」


「それは違う、別の転移者が自分の創造した種を創るスキルで栽培をしたやつだな」


「チートじゃないですか!? じゃあ、じゃあ――」


 かなり興奮気味だな、元同郷人だといろいろと話したいことはある。


「まあ、落ち着けって、まずは俺たちのことを話すか――」


 クエスリークにある程度の経緯を言うと――かなりショックを受けていた。


「みんなチートですね……。俺なんか平凡なスキルと時魔法しか使えない……」


「時魔法を使える時点ですごいとは思うが……」


「いいですよ……。日本にいた頃なんてロクな人生送っていなかったので……。その差だと思います……」


「ロクなことか、それ含めて今までの経緯を教えてくれ」


「はい、俺は――」


 クエスリークの話では――前世は本江隼也(ほんごうしゅんや)と言う名前で当時は不良として学校に行かずに周りを荒らしていた。

 喧嘩の毎日で気に食わない人を殴ったりなどして、警察にお世話になることが多かったとのこと。

 そのせいで恨まれることも多く、その中の奴に後ろからナイフで不意を突かれて何度も刺されてしまい、意識がなくなってしまう。

 目を覚ますと、赤ん坊の姿まま奴隷商の馬車に乗っていた。当時は状況がわからなく、さっぱりだったが、ヤーワレさんと輩3人組がその馬車を襲撃して奴隷になりそうな人を助けたと言う。


 赤ん坊であるクエスリークは周りに確認すると金で売られた子とわかった。

 ヤーワレさんは――。


「ウォォォォォ――――! 絶対に幸せにしてやる!」


 っと大号泣をしてヤーワレさんが寄付をしている孤児院で引き取られて不自由なく生活を送っていた。

 魔法ができるとわかると、ヤーワレさんが魔法学校に行くか聞かれると、孤児院のために稼ぐならと言うと、大号泣して抱きつかれたとのこと。

 ヤーワレさんのポケットマネーから学校へ入学したとのことです。


 ヤーワレさんは良い人だな。あのとき、変態だけだと思ってすいませんでした。

 しかし……荒れていたとは思えないほど礼儀正しいが……。本江隼也に何が起きた……?


「話はわかった、じゃあ周りにいないときはシュンヤと呼べばいいのかな?」


「クエスと呼んでください。日本にいたときはもう最低な人間でしたので……。今はクエスリークとして真っ当に生きます」


 反省して今の性格になったのか。

 自分で変えたなら大したものだ。


「そうか、じゃあ前世での後悔はないか?」


「ありますよ……。おふくろと親父に謝りたいですね……。それが前世での後悔です……。」


 難しい問題だな、転移者ならまだしも、転生者は無理だろうな。

 というか転生者がいるならティーナさん言ってくれよ。

 確認のために行くのもアリか。


「それなら、今から女神に会いに行くか? 後悔が晴れるかは別だが」


「いいのですか!? ただ……俺みたいな底辺でも会えるのはですか……?」


「それはわからない、嫌なら無理をしなくていいぞ」


「不安ですが行きます! 行かせてください! 俺が生まれ変わったのも知りたいですので」


 まあ、そこは気になるよな。

 そうなれば教会に行くしかないか――。

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