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391話 助っ人スライム


 今日の授業が終わった。


 初日は問題なく無事に終わった。

 マイヤのことはメアが説明していたから大丈夫だった。

 職員にも事情を説明して助手として加わることとなった。

 別に助手をやらなくてもいいのだが、マイヤは――。


「やる……」


 と言ってやる気のようでした……。


 ブレンダのクラスが終わり、次――大学生の授業に教えに入ると――。


「そこ……魔力を全然使ってない……」

「そこ……魔力を使いすぎ……」

「まだまだ……アクアランスの形になっていない……」


 普通に教えていました……。

 かなり不安だったが心配無用でした……。


 大学生からは「スライムちゃん先生」と呼ばれるようになり、大人気となりました。

 まあ、問題なくやってくれればいいか。


 しかし、別の問題が発生した。


「『ご主人! マイヤちゃんがいない!』」


 ルチルから念話がきました……。


「『フフフ……おチビ、マイヤはお借りしていますこと……。一緒に授業を教えていますので、当分は帰ってきません……』」


「『なんで!? マイヤちゃん、帰ってきて!』」


「『めんどくさい……。恩人様といる……』」


 マイヤはルチルからいつも逃げているから戻りたくはないだろうな。

 メアさん、すごく嬉しそうですね。


「『フフフフフフ……残念ですこと……。おとなしく待ちなさい……』」


「『じゃあ、アタシもシノちゃんを連れて行く!』」


 シノも一緒にかよ……。

 城で待機してくれるならいいが、学校までは困るのだが……。


「『ダメです! ルチル、ご主人様からの命令で領地を守るのですよ。しっかり仕事してください。

もし出て行くようでしたら、ご飯を一ヶ月抜きにしますよ』」


「『そ、それはイヤ!?』」


「『でしたら、しっかり仕事してください』」


「『わかった……』」


 まさかアイシスまで念話に参加したとは……。

 おそらくメアが言ったようだ。


「『フフフフフフ……アイシス、ルチルを頼みました……』」


「『お任せください』」


 こうして念話が切れた。

 さすがのルチルもアイシスには逆らえない。

 まさかマイヤを呼んだのはルチルをからかいたかったのもあるのか?

 あり得そうなのだが……。

 

「ふぅ……やっと解放された……」


 マイヤはホッと息を吐く、あまりしつこいと嫌になるだろうし、ルチルには我慢してもらおう。


 俺たちは職員に挨拶をして、城へ戻った。


 王様たちにマイヤもお世話になると言うと喜んで歓迎してくれた。

 そして、王様にいろいろと確認したいことがあり、個別でお話をする――。


「王子の妹――シェルビーに会いました。情報を知りたいです」


「シェルビーさんにも会ったんだ。わかった、知っている範囲で教えるよ。何が聞きたい?」


「シェルビーはマナシはだと思いますか?」


「僕が見るところ、今はマナシだとは思うよ。そう、今わね。どうも怪しいんだよね。魔力が循環していないだけの可能性もある。だから魔法学校に通わせたのだよ」


 王様もわかっていたか。

 魔法学校に通わせば何かのきっかけで魔力を取り戻すと考えたか。


「じゃあ、黒い靄が見えましたか?」


「黒い靄? それは見えていないな……」


 さすがの王様もそこは見えてないのか、俺は黒い靄のことを説明すると――。


「黒い靄が元凶とはね……。レイ君が言うなら信じるよ。もしかして治せるの?」


「確証はありませんが、やってみます」


「そうか、わかった。もし。治すのであれば僕も見学してもいい? 部屋も用意するよ」


 やっぱり見たいのか……。

 まあ、この目で確かめたいのもあるよな。


「よろしくお願いします。まだ治す日程は決まっていませんので、後日言いますね」


「うん、レイ君も無茶はしないようにね」


「はい、それともう一つ質問が――シェルビーは実母の弟に育てられたみたいですが、育て親の情報が知りたいです」


「ブラントン・クレメス辺境伯のことかな? いいよ、クレメス辺境伯は――」

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