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384話 全生徒に挨拶


 練習場に向かったのはいいが…………はい?


 魔法学校の生徒が来るのはわかるが、ほか――胸当てと制服を着た騎士学校生徒と、その進学先の銅の鎧を着た王国騎士専門学校の生徒が集まっていた。

 練習場で挨拶するのはこのことか……。

 「生徒に挨拶してください」は全学校の生徒って意味ですね……。

 魔法学校だけだと不公平ですもんね……。


 しかも王国騎士もいて……王様たちはお茶を飲んでのんびりしていた……。


「いや~、やっと来たね~。少し時間があるし、お茶でも飲む?」


「それよりも、用って……これのことですか……?」


「そうだよ、スタンピードの英雄が生徒に挨拶するのだったら、当然、僕たちも一緒に参加するに決まっているじゃないか。ローズの急な提案だったけど、たまたま予定が空いていてよかったよ~」


 昨日、王様と話していたのはこのことだったのか……。


「隠さないで言ってくださいよ……」


「急に予定が変わることがあるからね~。だから言わなかった」


 王様の都合があるし、しょうがないか。

 お言葉に甘えてお茶でも飲むか。


 時間が経ち、全学校の生徒が集まり整列をする。

 そこには大学の制服を着た王子もいた。

 てっきり卒業して戦の準備したかと思ったら進学したのか。

 まあ、指導者になるからある程度強くならないといけないし、良い判断だとは思う。


 ローズさん――職員も集まり、準備ができた。


「悪い、遅くなってしまって」


 なぜかヴェンゲルさんとソウタが来ました。

 なんで? 関係ないはずだが……。


「これは面白いイベントが起きますこと……」


 メアさん、そんなことは起きません、過度の期待はするものではありません。

 いや、問題が発生した――ベルガのことだ。

 ソウタが精霊使いとわかったら大変なことになる。

 まさかこんなにも偶然が重なるとは……ソウタは運が悪い。

 

「なんでソウタも参加するのですか?」


「コイツは腐ってもスタンピードの英雄だぞ。王都にいるなら挨拶くらいさせないとな」


 なるほど、受ける依頼がなく、やることがないと、強制参加させましたね。

 

 ローズさんの指示で俺とソウタは生徒の前に出る。


「急な集まりで申し訳ありません。知っている方もいますが、こちらのお方はこの大陸を守ってくださった、スタンピードの英雄――男爵で賢者の称号をお持ちになっている――レイ・アマガセさんと士爵で精霊使いのソウタ・シラカワさんです――」


 みんなに歓声と拍手をもらのだが……一部――王国騎士専門の生徒が魔力を出してソウタを睨みつけている……。

 えぇ……スカーレットさんの尻追いがここにもいるのかよ……。

 ソウタは危険を察知したのか、冷や汗をかきまくりです。


「――ここから大事な話です。魔法学校、大学の魔法取得講師としてレイさんと後ろいる小柄女性――助手をしてくてるメアさんを短期間教えになります。そして、騎士学校、王国騎士専門学校では、実技練習としてソウタさんが短期間教えることになりました――」


 えっ? ソウタが騎士学校の生徒を教えるのか?

 その本人は――。


「聞いていないぞ……」


 青ざめて何も知りませんでした。

 ヴェンゲルさんの仕業ですね。

 よほど依頼がないらしいみたいだ。挨拶だけとはいったい……。


「この機会にしっかり学ぶようにしてください。私からは以上です。次にヴェンゲルさんお願いします」


 ヴェンゲルさんも?

 グランドマスターが何か言うことあるのか?


「おう、そこにいるレイは自慢の孫だ。忙しい中、講師として引き受けてくれた。めったにないことだしっかり言うことを聞いて励めよ――」


 ただの孫自慢かよ……。聞いていて恥ずかしいです……。


「そしてコイツだ。名前も言いたくねぇ。コイツはスタンピードの英雄だが胸の大きな女しか興味なくてどうしようもない奴だ。娘同然に大事に育てたスカーレットとルージュと婚約したのに、次々と胸の大きな女性に手を出すどうしようもない奴だ――」


 ちょっと、ソウタの扱い酷くないか?

 生徒の視線が冷たくなってますよ……。

 尻追い組は魔力を出して怒っている。

 こんな公開処刑でいいのですか……?

 メアさんの笑いが止まりません……。


 ソウタ、逃げたいなら逃げてもいいぞ。


「――それで騎士学校のお前たちにコイツを本気でやってくれ、コイツを倒した者には――騎士学校は生徒に王国騎士専門学校の無条件の進学、専門学校の生徒にも無条件として王国騎士として働いてもらう――」


 えぇ……そんな勝手なこと言っていいのですか……?

 騎士学校の生徒はやる気満々ですね。


「陛下、それでいいか?」


「うん、僕は大歓迎だよ。けど、無茶をしないように頑張ってね」


 王様の許可までもらったよ……。


「だそうだ。明日から開始するから頑張れよ! 俺からは以上だ」


 こうして挨拶は終わり、生徒は解散した。

 ソウタは固まったままで現実逃避してる……。


「フフフフフフ……素晴らしい展開になりましたこと……」


 メアさん、良かったですね。

 ソウタには酷だが頑張れよ。


 俺はローズさんに明日の確認でもしとくか。

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