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381話 学校案内


「そろそろ時間ですね。では行きましょう」

 

 ローズさんは愚痴を吐き出して、表情がスッキリした。


「フフフ……面白いですこと……」


 メアもご満悦で良かったですね……。 


 城を離れて学校に向かう――。


「着きました、ここが魔法学校と大学になります」


 目の前には大きな美術館と間違えるほどの立派な建物が2つ設置してあり、周囲は花が植えてフラワーパークみたいな通り道である。

 近くに来るのは初めてだ、まさかここまで派手とは思わなかったが……。

 しかも両方の建物は新しく、最近建てた感じがする。

 大学も同じ敷地内に建てているのは意外だった。


 ローズさんに聞いてみると職員は共同で教えているとのことです。

 だから大学生にも魔法を教えろってことか……。


「案内の前に職員に挨拶をお願いします」


 校内に入り、職員室に向かう――。


「ただいま戻りましたよ」


 中に入り、ローズさんの声で反応している席から立ち上がり集まってくる。

 職員は数十人いた。大学には教授もいるし、もっといるか。


「連絡で言いましたが、こちらの方が賢者レイ・アマガセさんと助手であるメアさんです」


 職員全員が「おお~」と言いながら拍手で迎えてくれる。


「困ったことがありましたら、そちらのアイクさんとイーチスさんに聞いてください」


 茶色の長髪の男性――アイクさん、金髪ショートのエルフ女性のイーチスさんが手を振る。


「わかりました」


「次にお2人が座る席に案内しますね」


 奥のほうについていき、隣に繋がるドアを開けてると、個室の部屋だ。


「ここは気まぐれエルフが使っている席です。授業がないときはここで休んでください」


 ああ、代わりとして使っていいようだ。というかリリノアさんって、かなり待遇よろしいのでは?


「では校内を案内しますね」


 そのまま校内を案内される――。


 最初は魔法学校――次に大学だ。

 さほど大きな違いはなく、まったく同じ校舎だ。

 

 

「最初は道を間違えそうになりますが、レイさんとメアさんは野外での授業なのでご安心ください」


 今回、俺たちは魔法を教えるだけだから教壇に立つわけではないし移動は楽だ。

 その野外授業は窓から見える学校の裏の魔法練習場である。

 敷地の半分の面積を占めてかなり広い。

 思う存分魔法を使える範囲となっている。

 

 残って練習をしている生徒がちらほら見える。

 勉強熱心な人には放課後は自由に解放しているみたいだ。


「おや、理事長に……レイさんではないですか。久しぶりですね」


 廊下で会ったのはスタンピードで一緒だった協会のホルダーさんだ。


「久しぶりですね。まさかホルダーがここにいるってことは――」


「言っていませんでしたね。本業は大学の教授ですよ」


 教授なのかよ!? 協会が本業ではないのか……。


「てっきり協会の人かと思いましたよ……」


「そう思う人は多いですよ。協会にいるのは、珍しい魔物の素材が手に入るからですよ。私としては有益ですのでありがたいです」


 だからシエルの鱗を欲しそうにしていたのか、納得です。


「そちらはグランドマスターが言っていたメアさんでよろしいでしょうか?」


「はい……そのとおりでございます……。よろしくお願いします……」


 ヴェンゲルさん、メアのこと言ったのか……。

 まあ、協会の人だし、情報を共有しないといけないか。


「それで理事長がいるってことは…………レイさんが大学に入るつもりですか?」


 ああ、見学に来てると思っているのか。


「違いますよ。この2人にはリリノアさんに代わり、魔法取得授業をお願いします」


「そうですか、リリノアさんと。急ですね」


「こちらもいろいろと深い訳があります……」


 ホルダーさんには情報が入っていないみたいですね……。


「すいません、研究に没頭していて耳に入りませんでした。訳があるならなんとなく察します。レイさん、メアさん、もし時間があれば私の研究室にぜひ来てください。それでは――」


 そう言ってホルダーさんは去っていく。

 まさか知り合いと遭遇するとは意外です。

 研究室か、授業がないときに訪ねるとしよう。


 次に案内されたのは裏――窓から見えた魔法練習場である。

 もうすぐ薄暗くなるのにまだ残っている生徒はいるな。

 頑張っているのはいいが、魔力を使いすぎて無理をしてなければいいのだが。


 その中には膨大な魔力を使って練習している見覚えの子がいる……。

 ああ、前に無理をするなと言ったのに……。


「ローズさん、少しいいですか?」


 俺はその子の元へ向かう――。

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