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380話 城内は大変賑やかです


「今日はこのくらいにしてやる。明日はもっと厳しくするぞ」


 ソウタは干からびてボロボロの状態になった。

 ヴェンゲルさんが加わったことによって、一方的にボコられ、怯んでいる間に尻追い組は――。


「お前のせいで、俺の人生が――」

「俺のスカーレットさんを返せ――」

「なんで俺ではなくお前なんだ――」


 っと積年の恨み? が爆発して、最終的には武器を使わず蹴るわ殴るわで、騎士道精神のかけらもない……。

 これを稽古と言っていいのか……。


 さすがに反する行為で、騎士団長が止めに入り、中断された。

 急いで全身にポーションをかけて、元の状態になる。

 

 ファイスさんはソウタに謝罪して尻追い組は王都外を100周を命じさせられる。

 反省しているかと思ったら、ソウタを睨んでその場を去る。全然懲りていません。


 次は正々堂々とやってください。


「皆さんやりすぎです。今日の稽古がなくなってしまい残念です……」


 王女さんは寂しそうに言う。

 相変わらずの戦闘狂ですね……。

 あなたもほどほどにしてください。


「もうお昼だし、みんなで食べよう」


 王様は苦笑いしながら言う。

 えぇ……この空気で言うの……?

 それにみんなって……ヴェンゲルさんとソウタを仲直りさせたいのか?


 その後、3階にある食堂に行き、食事をするのだが……。


「スカーレットとルージュを大切にしろ」

「2人とも平等に愛せ」

「絶対2人を優先しろ」


 っとプレッシャーをソウタにかけていく……。

 食事くらい落ち着かせてください……。


 ソウタは「はい」としか返答がない。

 

 王様も苦笑いして見てないで何か言ってあげてください。

 仲直りは失敗に終わった。


 食後、ソウタは借りている部屋に行き、休むとのことです。

 やっぱり城に泊まっていたか。

 だが、ヴェンゲルさんの隣の部屋ということだ……絶対に休めないだろう……。


 まだ時間があるし、俺は泊まる部屋をメイドに案内させてもらい、休憩をする。

 

「私と同じ部屋でいいじゃない」


 リンナさんは不満でした。

 婚約してるとはいえ、お遊びで来ているわけではありませんよ……。

 王様に事前に言っといて正解でした。


「フフフ……残念ですこと……。結婚するまで我慢してください……」


「ぐぬぬ……」


 メア……誇らしげな顔をしてリンナさんを煽るのではありません……。

 なんだかんだ本人は堪えているが。


 部屋でのんびりしていると、ローズさんが入ってきた。


 食後も王様と相談していたのが終わったみたいだ。

 けど学校に行く時間ではまだないぞ。

 ドアを閉めた瞬間、無表情から涙目になり俺のコートを掴む。


「レイさん聞いてください! 王様と話しているとき、愚姉を追っかけている騎士が私をやらしい目で見てきます! もう我慢できません!」


 確かにお茶しているときにジロジロとにやけながら見ていた気がする。

 領地では大丈夫だったが、大勢いると意識し始めましたね……。

 まあ、スカーレットさんが言ったあとの影響だと思うけど。

 その前は城に行ったりとかしていたと思うし、よく気にしなかったな。


「姉と一緒で人気で良いことですよ……」


「困ります! 愚姉みたいに身体目当てで寄って来るなんて震えが止まりません! 陛下はそのうち慣れるよと言ってきますけど、無理です!」


 まあ、王様はローズさんを護衛したいし、気にするなと言っているものか。

 というか、いつの間に俺が愚痴を聞く側になった……?


「この前と同じように言えばいいじゃないですか……?」


「言いましたよ。ですが、逆にやる気を出して困っています……」


 ああ……やる気にさせては無理だな……。

 大勢いるとポジティブに捉える人がいる。


 このままだと王様の護衛になりたくないよな。


「それは大変ですこと……。安心してください……ワタクシはあなたの味方です……。いつでも相談してください……。なんなら今ここで思う存分好きなだけ吐いてください……」


「メアさん、ありがとうございます……。天使のように導いて、お優しいですね……」


 いえ、悪魔のささやきの間違いでは?

 ただ人の愚痴を聞きたいだけですよ……。


 そのまま部屋の中でメアに愚痴をこぼして時間が過ぎていき、鐘の音が鳴る。

 学校の授業が終わった合図だ。

 やっと校内の案内をさせてくれる。

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