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370話 女神と王様に報告


 ――翌日。


 女神に会うため、像がある神社に向かうと――鳥居をくぐった瞬間に視界が変わり、庭園に移動される。

 目の前には3人の女神が心配そうな顔をして出迎えてくれる。


 やっぱりエフィナが眠っていることに気づいていたか。 

 この空気で言うのは気まずい……。


「レイ……エフィナは大丈夫なの……?」


「本人は大丈夫と言っていましたが……」


「エフィナったら、変なところ頑固なんだから……」


 3人はさらに落ち込んだ。

 今回はそれほどマズかったか……。

 

「あの……エフィナは危ないのですか……?」


「わからない……。だが、致命的なほどではないのは確かだ。レイ君のせいではないから安心したまえ。エフィナ自身でやったことだ。無茶するのはいつものことだからな」


 ソシアさんのことを聞いて安心はした。

 だが、本人は少し眠るとは言っていた、無茶をしたなら短期間で目を覚ますことはないだろう。

 それまで気長に待つしかない。


「エフィナちゃんなら絶対に大丈夫……。ところでレイのほうは大丈夫なの……? またどうしようもないのがいたけど……」


「大丈夫ですよ。警戒はしますけど、みんな強いので心配はいりません」


「そう……。もしあれだったら魔王を呼ぶから心配しないで……」


 シャーロさん……まさかの魔王ですか……。

 来るなら心強いが、魔王も忙しくて大変だろう……。

 いや、サボれるし喜んで来てくれるか……。

 

「レイ君にはゆっくりさせたいと思ったが、こんなことになるとは……」


「ソシアさんは悪くないですよ、俺も気が緩んでいましたし、心配しないでください」


 しかし、相手(ゴミ)が近くいたとは予想外だった。

 それも俺の領地を姑息な真似をして襲おうとしていた。

 何が狙いかわからないが、ただゴミを掃除するだけだ。


「すまない……私は見守ることしかできなくて……。気をつけてくれ……。忙しいところ来てくれてありがとう」


「いえ、エフィナに言われたので、ではこれで――」


 まだ話したいことがあるようだが、今回はそういう空気ではないからな。

 3人の女神は寂しそうな顔して手を振り――視界が変わり、鳥居前に戻った。

 

 次に会うときはエフィナが目覚めからだ。

 いつになるかわからないが、ゆっくり眠ってくれ。

 さて、次は王様に報告だ――。



 屋敷に戻り、王様に魔道具(通信機)で今回の報告する――。


『そうか……。卑怯な手口をするものだね……。見張りとか大丈夫? もしあれだったら騎士を派遣するよ』


 シャーロさんみたいなことを言うな……。

 そんな簡単に王国騎士を派遣していいのか……?


『いえ、こちらのほうは大丈夫ですよ……。心配なさらず……。そちらはズイールの件で忙しいのではないのですか?』


『いや~そうでもないのだよ~。あちらの大陸のギルドの方々は勢力が強すぎて、ドンドン街と都市を占拠しているから僕たちの出番はまだないよ~』


 えぇ……。かなり順調なのか……。


『だけど、レイ君の件を聞いたらどうも引っかかるよね。なんで帝国の軍が苦戦しているのにレイ君の領地近くに来たことをね……』


 王様は急に口調が変わる。

 俺もそう思った。帝王が苦戦しているなら俺たちの相手をしている余裕なんてないぞ。


『まさか、苦戦しているように見せかけて俺たちを狙う余裕があるとかですか?』


『その考えもあるね。僕の考えは苦戦していると思っている。ベースンが小人族を奴隷にしたがっていたし、その戦力不足を小人たちで補おうとしていると考えている。時期的にも合っているしね』


 確かに王様の言っていることは一理ある。


 ソシアさんが勇者召喚を防いでいるし、戦力が著しく低下している。

 ただ問題なのが――。


『帝国の軍は邪石を付けてますよね? あれを付けて苦戦をしていたおかしいです』


『ああ、僕から耳にしているのは――付けている人もいるけど、まばららしい。確かに付けていると面倒くらいで倒せないことはないらしいよ。面白いことに邪石の力を借りて化物になって、力を抑えることができずに味方を攻撃してしまうとか報告ではあったね』


 まさかの自滅かよ……。

 そうなると邪石は実験途中で未完成が多く、大量には生産できないってとこか。

 じゃあ、ゴミどもは小人を狙って戦力にさせると言う賭けに出たか。


『ということで小人たちが危ないし、騎士を派遣させるよ』


 まあ、夜遅くまで見張りをしてくれる人がいるとかなり助かるけどね。


『お願いします。ところで一つ気になることがあります。』


『何かな?』


『スカーレットさんはまだ俺の領地で休暇を取っていますが、大丈夫ですか? まだ代理を見つけていませんよね?』

 


『そのことだけど、今は落ち着いているし、スカーレットにはいろいろと大変なことをさせているからね。緊急のときは呼ぶから心配しないで――』


 そんなに暇なのか? 

 意外だな……。


『――それと、代理はねスカーレットが行く前に見つかってね、問題はないよ』


 見つかったのかよ!? 

 何も聞いていないが……。いや、俺が聞かないのも悪いか。

 というかこのまま長期で滞在して、尻を狙っている騎士が黙っていないだろう……。

 いや、もう遅いか。


『そうですか……。見つかるのが早いですね……』


『ああ、その代理は――』


 王様が名を言うときに、勢いよくドアが開く音がして聞こえなかった。


『国王陛下!』


 慌てた女性の声が聞こえた。

 緊急事態でも起きたか?

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