369話 噴火後の影響
外に出てみると火山の影響もなく、みんな元気にはしゃいでいた。
その中に灰に怯えていたリヴァもいる。
普段の日常が戻っていて安心した。
夕食を食べに集会場に行くと、大量の肉料理が用意されていた。
胃が持たれそう……。
イスに座りみんな集まってきたが、ソウタとトリニッチさんはまだ来なかった。
またか……だいたいは予想ついている――。
「オホホホホ! 待たせてごめんなさいね~!」
「あ……、ああああああ……あ……」
肌艶がいいトリニッチさんが干からびたソウタを担いで来ました。
はい、いつもどおりです。
けど、前より密着しているのは気のせいか?
「オネエさんはむっつりなお兄さんをまだ心配していますこと……。ちょっと見に行けなくて少しもったいないことしました……」
メア曰く、帰宅後、ボロボロだったソウタを見て泣きながら抱きついてそのまま家に戻って熱い夜を過ごしていたらしい。
それは変わらないが、メアは俺と一緒にいて、2人の様子を見に行けなかったことに少々後悔していた。
どれだけ見に行きたいのか……。
最近元気になったとはいえ、また干からびるとは……。
この様子だと自由に行動できないのは確定だ。
まあ、気が済むまで熱い日々を送ってくれ。
しかし……マイヤは山盛りのご飯と肉の塊をスライムに戻らないで人の姿で食べていた。
それも箸とナイフとフォークも上手に使い上品にゆっくりと。
「おいしい……」
無表情だったのが、顔が緩んでいている。
味覚も備わったから早食いはやめたのかな?
スライムのままのときと、ギャップがすごいな、かなり活発に動いていたから元気な子だと思ったらかなりおとなしい。
というか人の姿で食べなくてもいいが。
「アイシス……皿を舐めてもいい……?」
そこはスライムのときと変わらないな……。
「ダメです。人の姿になってしまったからにはマナーを守っていただきますよ」
「もったいないけど……しょうがない……。ごちそうさまでした……」
意外に諦めが早かった。
なるほど、アイシスの仕業か。これで洗浄するライバルは減りましたね。
夕食後、いろいろと確認をする。
まずは普通に水道が使えて飲めることだ。
アイシスに聞くと、マイヤが湖を【浄化】スキルで隅々まできれいにしたらしい。
まさか寝ている間にきれいにしてくれるのは助かる。
このスキルは何気に強力だ。
次にマイヤの【擬態】だ。
試しにやってくれと言うと、スライム状になって変化し――。
「これでよろしいでしょうか、ご主人様」
アイシスの姿になった。しかも声と性格もまったく同じで、一番驚いたのはアイシスがもっている魔力もほぼ同じことだ。
マイヤ曰く、捕食したものと肌に触れたものに【擬態】が可能だと言う。
かなりチートでは……?
触れたものまで擬態できるのはおかしいです……。
ただ、欠点はあった。
魔力をかなり消費することだ。やっぱり姿形――すべて同じようにするには大変なことがわかった。
マイヤ自信も元に戻ると少々ため息をして疲れている。
「おもしろい~! 次は何に擬態してくれるの?」
「めんどくさい……」
ルチル……マイヤで遊ぶのではない……。嫌がっているだろう……。
簡単にはお願いできるものではないな。
まあ、今は【擬態】の活躍はなさそうだし、何かあったときにお願いしよう。
次に【収納】だ。
収納だから身体にしまうのとは思うけど、試しにポーションを渡すと――持った手は、液状に変化して包むように身体に入っていく。
取り出すように言うと、手のひらからポーションが出てくる。
アイテムボックスと変わりはなさそうだ。
しかしマイヤは食べもの収納任せられないということです。
絶対に食べてしまうとのこと。
そうだよな……。
というか無限収納使えるから【収納】の活躍がなさそうにみえるが……。
マイヤも無限収納が楽だと言ってます……。
【収納】の意味……。
まあ、いろいろとわかって今日はいいか。
もう夜遅くになったし、ティーナさんたちと王様に報告は明日にしよう。




