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365話 火山調査⑧


 ルチルは結晶と氷の【混合魔法】魔法を使う――。



「――――アイスクリスタルウォール!」



 広範囲に他の壁とは大きく氷晶の壁を創る――周囲は高温だったのに冷気が漂う。

 風の壁を越えられ、氷晶の壁に流れていくと――触れた瞬間、マグマは冷え切ってしまう。


「まったく……早くこの魔法を使ってくれよ……」


「おチビ……やればできる子ですこと……」


「当然だよ! メアは見とれてないで早くして!」


「まあ、せっかちですこと……。主様どうぞ受け取ってください――――マナチャージ……」


 メアは俺の背中に当て、魔力を注いでくれる。

 ほぼ回復して準備ができた。


「悪いがマイヤ、魔剣にするぞ――」


 俺は左手にマイヤを持ち創造をする――。


 

 あのマグマを打ち消す魔剣――。


 

 それなら水だ、すべての熱を冷やす魔剣――。



 するとマイヤの身体が輝き始めた――。


 頭には魔剣が浮ぶ、思った以上に創造しやすい……いや違う――。


『時間がないからボクの魔力を使って、なんだかんだマイヤを魔剣にしたあとは絶対倒れるからさ』


 そのときだった、視界が変わり、周りは真っ白な空間だった。 

 目の前にはエフィナの声をした白紫色の長髪で、軽装でスカートを着た少女が俺の左手を握って膨大な魔力を分け与えてくれた。


「お前……エフィナ――」


 エフィナらしき少女は俺に穏やかな顔で微笑み――視界が戻った。

 今のは……考えている暇がない、その後だ――。

 助けてやるマイヤ――。





「甦れ――――水の魔剣(マイヤ)!」




 水色の光に包まれてる――光が消えると()()には半透明の水色の魔剣を持っていた。

 頭には【浄化】のスキルと水魔法上級の獲得が浮ぶ。


 エフィナのおかげで魔力は半分以上残っていてマグマを止められる。


 だが、確認したいことがある。



「マイヤ、大丈夫か? 返事ができるなら言ってくれ」


『大丈夫……。生きているの……?』


 しゃべれるようになっているし、成功したようだ。


「治って早々に悪いが、力を貸してくれ」


『うん……わかった……』


 マイヤは無事だと確認できたし、安心して止められる――。


 まずは流れてきたマグマを冷やす。

 氷晶の壁を上り、水魔法を使う――。




「――――タイダルウェーブ!」




 大津波を発生させ、マグマ全域を呑み込む――。

 蒸発すら隙も与えずに冷えて固まる。


 とりあえず火山周辺以外は冷やしきり、ある程度落ち着いた。

 だけど、またまた激しく噴火している。

 元凶を止めないとやっぱりダメか。


 俺は「ウインドフライ」で飛び火口まで進む――。


 山近くまで近づくとマグマの雨が容赦なく降っている。

 もう俺には通用しない、魔剣の加護のおかげで快適に進める。


『恩人様、危ない……』


 水の魔剣(マイヤ)から水が出てきて俺の身体を包み込む。

 また守ってくれるとはな。


「助かる。終わったらご馳走だ」


『ご馳走……やった……』


 魔剣になっても食いしん坊なのは変わりないな。


 火口近くまできた――変わらずにマグマが噴水のように溢れている。

 だが、これで終わりだ――。


 空高く飛び、魔剣を水を纏い、両手で握り締め――。


「――――水流覇!」


 落下して水剣でマグマを切り裂きながら火口の中に入って行く――。 

 そのまま奥――火道と通過し、元凶であるマグマだまりの内部へと入った。


 そのまま一気に水を滝のように出し――周りを冷やす。


 マグマだまりは固まって次第に収まっていき、噴火する様子はなくなった。

 無事に止めることができた。


 問題なのが邪石だ、マグマだまりに入ったのは邪石を確認するためだ。

 だが、反応はなかった。

 起爆装置として消滅はしたようだ。もうここには用がない、「ゲート」を使ってみんながいる場所に戻る。


 俺が戻るのがわかるとルチルがものすごい勢いで駆け寄ってくる。


「ご主人! 早く!」


「わかったよ、マイヤ、元に戻ってくれ」


『うん……』


 魔剣を地面に置いて、輝き始め――スライムではなかった……。

 ミント色のボブカットで瞳は水色、フランカと同じくらいの身長でポンチョを着た少女の姿だった。

 【人化】できるのか……。これはまたみんなに訳を話さないといけないな……。


「わ~い! マイヤちゃんが人になった!」


 ルチルはマイヤに抱きついて大喜びだった。


「ちょっと……離れて……いつも暑苦しい……。離れられない……」


 無表情で塩対応だ。いつもルチルにこうやって接していたのか……?

 スライムの身体ではないから逃れられないな。

 

 あっ、少しめまいがしてきた……。


「おっと、大丈夫か?」


 ソウタが駆け寄り俺に肩を貸してくれる。


「まあ、なんとかな……」


「あとは俺たちに任せてくれ。ちょうどシエルも来たしな」


 シエルはアイシスと応援に参加する人を乗せて来てくれた。

 後処理のことはみんなに任せよう。

 ホッとひと安心したら、意識が……遠くなっていった……。

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