352話 帰らないのか……
「2人ともどうして落ち込んでいる?」
フランカは休憩をしにリビングに来た。
訳を話すと、呆れていました。
「サトウキビか、気持ちはわかるが我慢しろよ」
ん? フランカは気づいていないのか?
サトウキビって――。
「フランカは何を言っているのですか……? あなたの大好物なサトウキビですよ……」
「アタイは甘いものが好きじゃないのはわかっているだろう。なぜ大好物なる?」
「まだわからないのですか……。ではラム酒の原料はなんだと思います……?」
メアの発言で気づいて無言になって、膝をついて落ち込みました。
ようやく気づいたか、知らない方が幸せだったかもしれないが、後々わかるよな。
「フフフ……3人が落ち込んでいる……面白くてたまらないですこと……」
メアさんの好きな展開になって良かったですね……。
「いや~楽しかった~。あれ? 3人落ち込んでいるけど大丈夫?」
お三方も戻ってきて気になるようです。
「気にしないでください……。些細なことですので……」
「そうなの? それならいいのだけど」
先王を受け流しましたね。この様子だとアイシスは昼食を作れないな。
この後、落ち込みが続き、俺と上機嫌なメアで昼食を作った。
…………夕方になっても落ち込んでいた……。
夕食も俺らで準備をした。
――――◇―◇―◇――――
――翌日。
領地に帰宅する日となった。
魔王は2人を心配したのかここに残ると言ったが――。
「私たちはもう子どもじゃないから大丈夫だよ、魔王さんは心配性だな―」
「オレからしたらお前たちは子どもだぞ。心配するに決まっている」
まあ、先王とも長い付き合いだし子ども同然か、なんだかんだ面倒見はいいよな。
『魔王から母性が……意外だ……』
またエフィナは……。
まあ、保護者みたいになのは否定できないが。
定期的に会うし、不便なことはあまりないと思うから島の暮らしはやっていける。
「頼んだものよろしくね~」
2人は手を振り、俺たちは「ゲート」とで領地に移動した――。
「さて、戻ったからにはソウタと会議をするぞ。もうオレは十分に待った、まだ子作りしているのであれば魔王権限でいったんやめにさせる」
戻って早々に娯楽施設の相談ですか……?
というか帰らないのか? いろいろと調べることがあるぞ……。
すると、背後から膨大な魔力がゆっくりと向かってくる。
後ろを振り向くと――。
「げっ、サイガ……何しに来た……?」
作り笑いしているサイガさんだ。その隣にいるカーリーさんは苦笑いしていた。
長く留守にしていれば怒りますよね。
「魔王様をお迎えに来たのですよ……。いつまでのんびりしているのですか……?」
「オレはまだ重要な会議をしていない、終わるまで帰らないぞ!」
「まだやっていないと……? どれだけのんびりしているのですか……?」
「ライカの頼みもあったからな、のんびりはしていないぞ。カーリーも言ってくれ」
「サイガ、魔王様はソウタさんが体調不良のため、会議を中断していました。それで、ライカさんの件でいろいろと忙しかったので、のんびりしてませんよ」
「本当ですか……? 失礼しました……」
サイガさんは魔力を抑えて正常になった。
カーリーさんって魔王の味方だよな―。
久々に会うからゆっくりしてほしいとは思うが。
「わかればよろしい、これから数日は会議する。止めるなよ」
「わかりました。もし、ソウタ様が不調の場合は強制的に戻りますよ。また今度にしてください」
「いいだろう、魔王として約束しよう。さっそくソウタの様子でも見に行くぞ」
結局、帰らないのか……。
なんだかんだサイガさんも優しいな。さすがにソウタも体調が戻っているとは思うし相談はできるはずだ。
ソウタの家に向かい、会いに行くと――。
「ああ……あああああ……」
…………干からびていた。
戻ってくる前より酷いのは気のせいか……?
あっ、サイガさんはにっこりと笑顔ですが……。
「では戻りましょう。魔王様がいろいろとご迷惑おかけしました。失礼します」
「いやだ、まだ帰りたくないぞ!」
「わがままな魔王ですこと――――ゲート……」
メアが強制的に空間魔法を使い、魔王城まで送った。
これはしょうがない、また今度ということで。
さて、俺は領地いなかった間、何があったのか確認しないと。
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