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345話 南の島へ


 ――翌日。



「起きんか! 飯の時間だぞ!」


 

 魔王が早く起こしにきた……。

 ゆっくり寝さしてくれと昨日言ったはずだが……。


「魔王……ワタクシと主様の大事な睡眠を邪魔するな……」


 メアは【威圧】を出しながら不機嫌です。

 今日は南側の無人島に向かうために大移動する。最初はメアの空間魔法(ゲート)を使ってウルマとララアの故郷――ロールヘイスに向かった途中の中間辺りの場所だ。

 あのとき俺は寝ていたから、「ゲート」では移動できない、メア頼みになる。

 肝心な人を不機嫌にさせてどうする……。メアもしつこく言ったのに……。

 絶対にわざとだ……。


「お前は魔剣だろう? メイドとフランカみたいに睡眠はいらないはずだ」


「ワタクシは睡眠がいる体質だ……。2人と一緒にするな……」


 メアは他の魔剣と違って睡眠をとることによって魔力が回復する。

 メアにとって大事な回復源だ、今まで我慢していたが、大移動になるとさすがにな……。


「それでも十分にとっただろう? さっさと起きんか」


 魔王の空気を読まない発言でメアは【魔力解放】をして身体を大きくする。

 ちょっと待て、余計に魔力を使ってどうする……。魔王が悪いとはいえ今はダメだぞ……。

 


「魔王、今日はメアをぐっすり寝かせると言ったろう……。メア、すまぬが落ち着いてくれ……。儂がキツく言うから……」

「おい、魔王、あれほど言ったのに空気読めよ……」

「魔王様、いい加減にしてください。説教が必要のようですね」

「メア……静まってくれるかのぉ……。怖いのじゃ……」


 みんな、危ないと思って見にきたか。


「オレは十分と思って起こしにきたのだぞ! は、離せ、オレは悪くはない!」


 ライカとフランカは魔王の腕をつかみ、強制退居される。

 メアは元の姿に戻り、落ち着く。


「魔王……二度はないぞ……。取り乱して申し訳ございません……。再び眠りにつきましょう……」


 一事はどうなると思ったが、何もなければ良しとしよう。

 俺たちは再び寝る。



 ――昼前に目が覚める。


 久々にぐっすり眠れた。メアも快調な様子で準備万全だ。


 朝食を食べにリビングに行くと、魔王が正座をして涙目でアイシスとライカに説教されていました。

 まさか寝ている間、ずっと説教をしていたのか……?


「もう……よしてくれ……わかったから頼む……。足が痺れてダメだ……」


 さすがの魔王でも長時間の正座はキツイか。

 いや、足のほうにバチバチと音がなっている。ああ、ライカの【電磁波】を流しているのか。

 納得しました。


「だらしない魔王ですこと……。これが地上の管理人ですか……? 無様ですこと……」


 メアさんは不気味な笑みを浮かべて大満足です……。

 

「黙れ小娘……レイよ……反省してるからこの2人を止めてくれ……」

 

 しょうがない、2人に止めるように言い、魔王は解放され、床に倒れる。 


「やっと終わった……この2人……ピアより怖い……」


 この2人は冗談が通じないし、魔王でも容赦しないだろうな。

 まあ、痺れが治まるまでゆっくりしていろ。

 その間に俺は朝食を食べる。


 あの、メアさん……魔王の足を指でツンツンと触らないでください……。

 

「や、やめろ小娘!? この……あとで後悔させてやる……」


 今後もケンカが起きそうだな……。



 ――みんな準備ができ、メアはを使う空間魔法(ゲート)――。



 視界が変わり、誰もいない草原に移動した。

 そしてシエルに乗り、南側の島に向かう。


 

 ――移動中にハーピー族と会う機会が多くなった。


 シエルに驚いて避ける人がほとんどだ……。

 まあ、魔大陸では避けられないことだな……。


 たまにだが、魔王が乗っているとわかった人もいて、近づいてくる人がいた。

 シエルは害がないと周りに伝えてくれと魔王が言うとその人は頷いて、去っていった。


 噂が広まれば魔大陸でも普通に移動できるし、こちらとしては助かる。




 ――6時間後。



 一面、海が広がり、そろそろ予定した島に着きそうだ。

 ここら辺は快晴で気温も暖かく、北側とは違い住みやすい環境だ。

 最初のから南側の島を捜せばよかったと思ったが、ここにも問題があった……空にはワイバーン、ロックバードに、海面にはクラーケンやシースネークなど大型の魔物が多数いた……。

 前に言っていたがこれのことなのか……? 

 本当にハーピー族と人魚族でも行きたく場所だ……。

 

「魔物が多くなったが、まだ少ない方だぞ。行かない島の周辺はもっと強いのがいる」


 えぇ……まだ序の口なのか……。


 北側は天候が中心に悪く、魔物数は少なく、南側は天候は穏やかで、魔物の数が多い。

 どっちもどっちだな……。


 ライカには悪いが、今回見つけるのは厳しいかもしれない。

 どこにいるか、まったくわからなくなってしまった。


 まあ、捜せなくても「ゲート」で近場に移動できるようになり、短縮して捜索活動ができるのは大きいか。

 無駄ではないからな。


「あそこだ、降りてくれ」


 夕日が沈むときに7つ目の島が見えた――。

 

次の更新は20日です。

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