344話 いろいろな島
――翌日。
3人は商談の話をして大満足でした。
まさか最後の最後まで話をするとは意外だな……。
「皆さん、本当にありがとうございました。感謝してもしきれません」
「なあに、十分利益をもらっている。気にするな」
「それでも感謝しています。捜している人、見つかるといいですね」
「おう、またな」
クリントとエレガントモンキーに手を振り見送られ、次の島に向かう――。
「次こそ見つかるはずだ」
昨日から落ち込んでいたライカは気を取り直して、期待をしていた。
まだまだ2つしか周っていない、絶対に見つかるはずだ。
3つ目の島に到着した――。
一つ目の島と同じで荒れた天候――吹雪が俺たちを襲う。
それに地形は氷で覆われて、無数のアイスゴーレムが徘徊していた……。
明らかに住めない環境とわかった。
あの、アイシスさん……そろそろ行くのでじっとしていないでください……。
好きな環境なのはわかるが、アイスゴーレムにバレるぞ……。
「次だ!」
4つ目の島に到着した――。
天候は快晴で肌寒い場所となって、島の面積が広く、期待できそうな環境だ。
だが、周りを見ても何もいない、魔物すらいなかった。畑もなく、ただ荒野が広がっているだけだった。
シエルの体力を考えて今日はこの島で泊まることにした。
ライカ、耳と尻尾を垂れ下げて落ち込まないでくれ、まだ希望はあるぞ。
――――◇―◇―◇――――
――翌日。
次に向かう島はかなり遠く、朝早くから出発をする。
北側で捜す島はあと2つで余裕があればもう一つの島に向かう。
「今日で見つかるといいのだが……」
ライカは昨日と変わらず落ち込んでいた。
まあ、今日で見つかるとは限らないし、あまり期待はしないほうがいい。
5つ目の島に到着した――。
天候は大雨で、キラースネークより小さめのヌタウナギみたいな魔物大群が分泌物を出して、島を移動している……。
「おかしいぞ、前はスライムスネークなんていなかったぞ」
スライムスネークって言うのか……。たしかに分泌物はスライムみたいだが……。
前っていつのことだ? 年月も経てば生態も変わるだろう。
しかし……島中が分泌物だらけで絶対に住めないな……。ここもハズレだ。
「つぎ……」
――6つ目の島に到着した。
気候は穏やかで静かな場所なのだが……砂浜だけの島で何もない……。
北側の捜索は終わった。
まだ日が暮れていないが、ここでお泊りをする。今から南側の捜索は時間的に無理だ、ゆっくり休んで明日に備える。
そう言ったらライカは砂浜に座ってうずくまって、海を眺めている……。
もう少し捜してみたいようです……。
「どこにいるかわからん相手を捜しているから、すぐには見つからんぞ、気長に捜せばよかろう」
そう言っても無反応だった。
魔王の言うとおりだ。あくまでいると予想した場所を捜しているだけだ。
まだ南側がある、今回捜せなくても時間はたっぷりある。そのうち見つかるはずだ。
「かわいそうに……魔王、ライカにとって命がけですわ……。本気で捜索してください……遊びではありません……」
「小娘が言えることなのか!? オレは厳選して選んでいるぞ! 真面目にやっている!」
メアは魔王の言葉を無視してライカに駆け寄り――。
「機嫌を直してください……。今日はあなたの好きな食べ物を作ります。何が良いですか……?」
「何を言っても無駄だ、食べもので釣ろうなんぞ――」
「特大サイズの油揚げ入りのそばとウナギが食べたい……」
「わかりました……。ゆっくり海でも眺めて待ってください……」
まあ、落ち込んでも腹は空くよな。
メアは魔王を見て鼻で笑い、その本人は口を開けたまま何も言わなくなった。
『魔王の負けだね』
エフィナ、勝負しているわけではないぞ……。
とにかく、まだ4つの島を捜せる、ポジティブに考えよう。
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