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333話 新事実……


「わかりました。それでは言います……。ワタクシはソウタちゃんと子作りをしています。一日でも早く子どもがほしく頑張っております。だからここは引けません……」


 顔を赤くして言う。

 …………えぇ……子作りと言いましたか……。

 ちょっと待て……ツッコミたいことは山ほどあるぞ……。

 さすがに魔王は呆れて――。


「なんだ、お前たち子作りしているのか、だったら早く言え、ソウタ何を怖がっている? 最近の若者は奥手でしょうがないな」


 …………噓でしょ……。

 話がとおったぞ……なんで……?

 ソウタは青ざめて逃げようとする。


「いけませんね……しっかり子作りしてください――シャドウバインド……」


「や、やめろ、は、離せ――――!」


 メアがソウタを影で拘束し、逃げられなくする。

 今日も干からびるの確定ですね。


「魔王様、ありがとうございます! メアちゃんもありがとう~。さぁ、ソウタちゃん~今日も頑張りましょうね~」


「まあ、お前が男の姿でいるから悪いのもある。隠してないでスキルを使ってはどうだ?」


「さすが魔王様だわ~。それじゃあ、変わっちゃうわよ~」


 ん? 変わるとはいったい?

 トリニッチさんから膨大な魔力が放出し、眩しいほど輝き始める。

 輝きが収まるとその姿は…………何も変わっていないが?

 いや……胸が大きくなっています……。


「問題なく女の姿になったな、次から【女体化】して誘えよ」


「わかりました。魔王様~」


 まてまてまて……何もなかったようにソウタを担いで行くな……。


「トリニッチさん、いつから女の姿になれたのですか……?」


「そうね~。ソウタちゃんと婚約してから【女体化】のスキル覚えたの~。ごめんなさいね~今で黙っておいて~。この姿は驚くと思ってソウタちゃんだけに見せていたの~」


 いや、胸以外変わっていないから……別に驚くことは最初のうちですけど……。

 それにしてはタイミングが良すぎでは?


「幼――ごほごほ、女神シャーロの恩恵だな。トリニッチ、あの女神を信仰をしているだろう?」


「そうです魔王様~。まさか……シャーロ様がワタシに奇跡を起こしてくれたのですか!?」


「そうと言い切るしかないぞ」


「あらやだもう~! 毎日お祈りしたから届いたのね! もうシャーロ様には感謝しきれないわ~!」


 シャーロさん、やってくれますね……。ソウタに気を遣ってくれたと思うが。

 なんだ、今まで心配してきたが損した。2人とも隠さなくてもよかったのに。

 まあ、言える状況ではなかったが。


「『エフィナはわかっていたのか?』」


『う~ん、もしかしてだと思ったけど、確信はなかったよ。そこまで気になることではないからね』


 最初は面白がっていたのに飽きていたしな。

 意外と温度差が激しいときがあるよな。

 

 とにかく、確認だけはしとくか。


「ソウタ、トリニッチさんは女の身体になっていたのか?」

 

「ああ……悔しいが、あるものが付いていなかった……」


「メア、本当なのか?」


「はい……正真正銘の乙女の身体でした……」


 覗きに行ったメアが言うなら間違いありません。

 メアも早く言ってくれればよかった。


「やだもう~メアちゃんに言われると嬉しいわ~。今日もがんばっちゃうわよ~」


「ちょっと待ってください。誰か、メメットを呼んでくれないか? 栄養剤を大量に持ってきてくれと」


「フフフ……ワタクシが呼びます……」


「レイ、それはやめてくれ……」


 ソウタ、悲しい表情をするな、今まで黙っていた罰だ。しっかり子作りしてこいよ。 

 呼ばれてきたメメットは箱に詰めた大量の栄養剤を持ってきた。


「こんなに用意させるとはお二人さん、好きっスね。ほどほどにしてくださいっス」


「いつもありがとね~。今度はから積極的に夜の営みを多くするからいっぱい作ってちょう~だ~い~!」


「さすがに大量に作らされるなら、条件があるっス。トリニッチさんが連れて来たベヒーモスの角がほしいっス。自然に抜けたり折れたりしたのでいいんでくださいっス」


 もうベヒーモスをペットにしてるとわかったか。

 まあ、あの図体と魔力反応ですぐに見つかるし、噂も広まるよな。


「いいわよ~。約束してあげる~」


「やったっス! じゃあ、あっしは本気で作るので任せてくださいっス!」


 こうして、トリニッチさんはソウタと大量の栄養剤を入れた箱を担いで夕食前の準備運動に行った。

 とは言ってもすぐに夕食だから干からびる心配はないか。


「それにしても、子どもができたらトリニッチさんは男の姿に戻れるのか?」


「それは無理だな、子どもが生まれるまでは女の姿のままだ」


 あっ、やっぱりそういう仕様なのですね……。

 じゃあ、トリニッチさんがずっと女の姿だったら授かったことと認識します。

 そのときは壮大にお祝いをしようではないか。


「末永くお幸せに」


 カーリーさんは2人の姿が見えなくなるまで手を振った。

 拝むのをやめましたね。


「では、私は調理していますので、アイシスさん、「すきやき」と言う料理を教えてくれませんか?」


「かしこまりました」


「なんだ、その料理は? オレにも見せてくれ」



 魔王をおもてなしにするにはもってこいの料理だ。

 

 魔王が調理現場に行ったから相手しなくて助かる。

 身体もべたついているから温泉でも入るとするか――。



 ――夕食の時間。



 鍋と別の皿にすき焼きの具材がテーブルに用意されて、みんなと囲み、鍋に具材を入れて食べる準備はできた。

 それにしてもトリニッチさんとソウタは遅いな。


「待たせてごめんなさい~。さあ、ソウタちゃんも食べるわよ~」


 トリニッチさんは上機嫌で来て、その後ろにいるソウタは…………おお……見事な干からび具合です……。

 短時間の運動なのにここまでやるとはすごいです。

 恐るべし、トリニッチさん。 


「やはり、干し柿のように干からびたか……」


 ライカの言うとおり干し柿ですね。

 ダンジョンではトリニッチさんと一緒に行動していたから察しましたね。


 今夜も大変だ。


 ソウタのテーブルには大量の肉が置いてあるが、物足りないな、アイシスにお願いして追加させてもらう。

次の更新は27日です。

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