表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
327/916

321話 評価は……


 奥に進むと海水が少なくなった。

 とは言っても足に浸かるのは変わりがないが。


「魔石になっても離さないわよ~」


 トリニッチさんはサハギンキングの魔石を大事に抱きしめたり、キスをしたりしている……。

 気に入っていますね……。

 トリニッチさん曰く、イケメンの魔物の魔石はコレクションとして大事に保管しているということです。

 まあ、記念にするのは珍しくないが、イケメンだったのか……?

 あまり深堀してはいけない。


「まあ、なんという愛でしょうか……。素晴らしいですこと……。」


「あら~、メアちゃんはわかっているわね~。今度ワタシが捕まえた魔石(イケメン)を紹介するわね~」


「ぜひお願いします……」


 ネタが尽きなくて充実してますね……。

 メアにとってトリニッチさんはネタの宝庫です……。

 

 魔物の反応もなく、ただ、真っ直ぐな通路を歩いている。

 ここの階層はサハギンだけみたいだな。


 さらに歩くと海水が穴のほう――地下に繋がる階段に流れている。

 やっぱり下りるのか。


「次の階層までの道が長すぎだ。魔物がいないのであればもっと短くしろ」


 っとセイクリッドは文句を言っています。

 ここのダンジョンマスターの考えだからなんとも言えない。

 まあ、長いのは確かだが。


 階段を降りると、海水は設置してある排水口に流れていったが、今度は壁に塩の塊がついていている階層になった。

 小人たちは気になったのか、舐めてみた。


「「「しょっぱい!」」


 だろうね……。

 

「コレ、ここの塩は汚いかもしれないぞ。もう舐めるんじゃない」


「「「は~い!」」」


 見た目は透明で純度の高い塩ではあるが。何があるかわからないよな。

 洗えば普通に使えると思うけど。

 

 塩の中を進み、数分も経たずに大きな扉が見えてきた。ボス部屋か?

 それも大きな塩の結晶で固められている。長い間開いていないことがわかる。 


「手入れをしてないとは呆れたものだ。ここのダンジョンは最悪だ」


 ダンジョンに手入れとかあるのか?

 誰も入る人がいないから放置しても問題はないと思う。


「破壊して開けるしかないか」


「主殿、我にやらせてくれ。ダンジョンマスターに性根を叩き直してやる」


 いや、倒す相手に性根も何もないが……。

 セイクリッドは「覇王斬」で塩の結晶と扉を破壊して中に入る。


 中はサハギンと戦った部屋より広々として、鍾乳石のように塩が天井から垂れ下がってたり、床から盛りが上がっている。

 敵は……上か――。


「シャァァァ――――!」


 上から飛んできたのは蛇――鋭い歯を持った大型のアナゴだ。

 みんな避けて、そのまま床に積もった塩を突っ込み、歯型がつく。

 海水がないのに平気なのか。

 しかも蛇のように素早い。


「Aランクのキングシースネークだわ~。海水がないのによく動くわね~。ここの環境に慣れたのかしら?」


 まあ、それしかないな。

 Aランクならまだしも鍾乳石の間を通ったりして戦いづらい。オマケに広い部屋だ。

 しょうがない、魔力を使うが広範囲魔法で――。



「「「大きいアナゴだ~!」」」

 


「コレ、待たんか!」



 ライカの言葉を無視をして小人たちはキングシースネークを追いかける。

 ああ……倒して食料にしたいのですね……。

 


「「「待て~」」」



 小人たちは鍾乳石を軽々と飛び越えて追い詰める。

 そして――。



「「「――――旋脚!」」」




「ギャァァァ――――!?」



 みんなで蹴りを入れてあっさりと終わった。



「「「大きいアナゴゲット~!」」」



 倒したのはいいが、食料にはできない――。

 時間が少し経つとキングシースネークは青い魔石に変わり、小人たちは一瞬の出来事に落胆する……。

 ここはダンジョンだ、どんな魔物でも魔石に変わってしまう。ぬか喜びですね……。


「また儂の言うことを聞かんで……。もっと慎重にいかんのか……」


「「「ごめんなさい……」」」

 

 小人では余裕で倒せる相手だったから結果としては注意しなくてもいいけどな。

 意外とライカは過保護なんだよな


「まあ、無事でなら良い、次からは気をつけろ」


「「「は~い!」」」


 結局は優しく注意して終わる。

 ライカは小人にとってかわいい子どもだし怒ったりはしないか。


『これが真の母性……。やるね……』


 意味がわからない……。真の母性とはいったい……。


「用が済みましたら急ぎましょう……。ワタクシ、ここの階層は好きではありません……」


「珍しいな、何か嫌なものでもあったのか?」


「塩が髪にべたついて気持ち悪いです……。早く洗い流したいですわ……」


 そっちですか……。


「メアちゃんの言うとおりだわ~。髪は乙女の命でもあるわ~。ワタシも早くここから抜けたい~」


 確かに女性陣は髪を気にしている人が多いな。

 何もないし進むか、俺も帰ったら温泉に浸かりたい。


 部屋を離れて進むと、すぐそこには次に繋がる階段があった。


「まったく話にならん、中ボスを倒したら次の階層か。近すぎるもっと長くしろ」


 今度は近すぎて文句を言っている。

 俺としては楽でいいのだが、ダメなのか。

 セイクリッドが創ったダンジョンはそんなにこだわってなかったが。

 

 階段を降りると海水も塩もない、乾燥した階層だ。

 一本道だし、罠があるかもしれないから地魔法――「アースサーチ」で確認をした。

 

 反応も何もない、大丈夫だ。

 ここの階層は道中は安心して進んで楽に攻略できそうだ。

 このままダンジョンマスターまで行ってほしい。


 そう思っていたが、ダメでした……。

 奥に進むと4本の分かれ道が……。かなり面倒くさい階層だ……。


「ハハハハハ! 道が4本とはなかなか面白いではないか! これぞダンジョンの醍醐味である!」


 セイクリッドは高笑いをして興奮している……。

 そこは評価するのですね……。

 さて、どの道を進むか――。 

 

次の更新は3日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ