318話 食後の運動
ソシアさんを安静し、お開きとなった。
『じゃあ、またね~。ソシアの分のお菓子は食べないでね~』
「心配しなくても渡すわよ。これじゃあ、私とシャーロが食意地を張っているみたいじゃない」
「なんでアタシを含むのよ……ティーナだけなのに……」
シャーロさんの言うとおりティーナさんが危ない気がする……。
まあ、今回はたくさん食べたから大丈夫だとは思うけど。
「シャーロよ。よろしく頼むぞ」
「わかった……。ちゃんと魔王に言っとくからね……」
ライカはチトセの子どもに会いたいと言ってシャーロさんにお願いをする。
魔大陸の島のどこかにいるとのこと魔王に相談して捜索するみたいだ。
通信機でたまに連絡がくるが、いつも「暇なら顔を会わせろ」と言ってくる。
前に娯楽道具の件のことやカーリーさんの料理も恋しくなっているみたいだ。
サンプルなども完成しいるし、カーリーさんも会いたがっているから、今週中には魔王城に行くか。
ティーナさんとシャーロさんに見送られて、領地に戻った。
――――◇―◇―◇――――
――2日後。
今日はカーリーさんが魔王に持っていく料理――試作を味見する。
本人も久々に魔王と会うから張り切っています。
好評だったカレーに牛丼、カツ丼といった魔王が好みそうなものを作っていくことになった。
「ハハハ、ウマいな!」
セイクリッドは好物である牛丼を作っていると聞き、一緒に試食をしているのだが……軽々と5杯はたいらげてしまう。
試食の域を越えている……。
カレーとカツ丼も試食してください……。
まあ、どれも全部美味しくて魔王も喜ぶと思うが。
「ありがとうございます」
「だが、しらたきを入れた牛丼のほうがウマいぞ。ダメなのか?」
「魔王様は食感が好きではないと思い、今回は使わないです」
「そうか、クセになる食感がたまらないのにな、残念だ」
最近セイクリッドはしらたき入りの牛丼がとても気に入っている。
とうとうグルメになったか……まあ、美味しいの食べ続けているとそうなるか。
牛丼としらたきが大丈夫ならすき焼きもアリだな。
試食用に狩った牛肉――キングバッファロー肉も余っているし、養鶏場も設置して新鮮な卵もある、作る環境は整っている。
今夜作るとしよう。
「主よ、ここにいたか。報告したいことがある」
ライカと小人たちが調理場にきて、ソワソワしている。
ん? 今日は南の方角に行って海で釣りに出かけたはずだが?
もう戻ってきたのか。
「何かあったのか?」
「遠いが念のためにな、釣りに行く途中で洞窟を見かけたのだが、奇妙な扉がついていて周りには魔物が多かった。ダンジョンかもしれない。これから儂らで中に入る。探索するから遅くなると言いにきた」
ダンジョンを見つけてしまったか……。
引き返したのは武具を取りにきましたね……。
小人たちは準備はできている。
まあ、俺も行くが。ライカたちなら余裕で攻略できるが、確認のために行く。
「わかった、俺も行く、みんなでダンジョン攻略しよう」
「「「わ~い、攻略だ~!」」」
小人たちは飛び跳ねて大喜びだ。
大勢で攻略するから参加する人を集めるか。
「ハハハ! 我も行こうとしよう! 食後の運動にちょどいい、どのくらいの強さか楽しみだな!」
やっぱり元ダンジョンマスターのセイクリッドは行きますよね。
魔剣組はメア、フランカ、ルチルと行くことになり、ほかは――。
「ダンジョンって魔石が手に入るのよね? 私たちも行くわ」
アリシャのメンバーも行くことに――。
「あら~、面白そうじゃない~。ワタシも行くわ~。最近手ごたえのない魔物ばっかりで腕が鈍っているわ~。楽しみだわ~」
トリニッチさんも行くことになった――。
ソウタは行きたそうにしていたが止めておいた。
なぜなら……干からびてとても戦えない状態だからです……。
悪いが、今回は戦力外だ。
トリニッチさんがいない間はゆっくり休んでくれ。
珍しいのは好奇心があるメメットは行かない。
「ダンジョンっスか? 倒したら魔石になるっスよね? あっしは素材には興味がありますが、魔石は対象外っスね。遠慮するっス」
っと意外な反応だった。
確かに魔石は調合に使えないよな。
数十人のメンバーで行くことなった。
1日中で攻略できなかった場合を考えて、食料とポーションとマナポーションを多めに用意し、準備ができた。
「それじゃあ、行くぞ――――ゲート!」
ライカは空間魔法を使い、ダンジョンになった洞窟前に移動する――。
次の更新は28日です。




