316話 一緒でいいのか……
――2週間後。
小人たちは神社が完成させた。
村のと比較すると小さいが、赤い鳥居に、両脇には狐の石像、社殿と妥協せずに立派な作りである。
短期間で器用に作れるのはさすが小人族だ。
「儂はもう祀られるほどの存在ではないのにのぉ……まったく……」
ライカは呆れてため息をついていた。
何があっても小人にとってはライカは一生守り神だろう。
けど社内に入ると尻尾を振っていた。
内心は喜んでいますな。
「ありがとう」の一言くらい言えばいいとは思う。
素直じゃないなー。
「あら~小人ちゃんの神様の祀り方は変わっているわね~。ワタシも女神シャーロ様を祀りたいのだけど~。祠でもいいから建てていいかしら~?」
トリニッチさんはシャーロさんを信仰しているからそうなりますな。俺もお世話になっているからこの機に3人の女神様を信仰する教会でも建てるよう。
「だったら、社殿に女神の像でも置くと良いぞ。儂だけの神社ではないからな」
いいのかよ……。小人たちもライカがいいならと置いても大丈夫だそうです……。
社殿内にミスリルで作られた3人の女神像を設置した。
トリニッチさんはティーナさんとシャーロさんの像を見て首を傾げた。
今まで見てきたなかで全然違いますよね……。
アイシスが賢者というお得意なワードを使って、ごまかすと――。
「あらやだ、そのなの!? レイちゃんの親はすごいのね! 女神様にあったなんて! ワタシったら失礼なことをしたわね! 今度屋敷に設置する時はフランカちゃんにお願いするわ!」
前と同じで屋敷にも設置するつもりだったのですね……。
それはそうと、俺の屋敷と遠く離れているし、強制的に天界には行かないとは思う。
神社内にいるが、お呼ばれはない。魔王城でシャーロさんに会って以来行っていない。
まあ、設置したばっかりだし、そんなすぐに強制送還させるようなことはしないか。
そう思っていたら――視界が変わり、いつもどおり庭園にいました……。
しかも、アイシスとライカも一緒に……。
「ここはどこだ……?」
最初は驚きますよね。ライカに天界と告げると――。
「なんで儂を呼ぶ……。まさかお迎えにきたのか!?」
それは絶対にない……。挨拶くらいだろうな。
あっ、ティーナさんが向かってくるが…………作り笑いをして負のオーラを纏ってるのですが……。
『アハハハ! 何かわからないけど、機嫌が悪い! おもしろい!』
エフィナ……いつもながら余計に刺激してはいけません……。
やっぱり数ヶ月会っていないから不機嫌か……。
こちらはいろいろとあったから大目に見てほしい……。
「あれが……女神なのか……? 恐ろしい……」
危険を察知しのか、ライカは耳と尻尾を垂れ下げて俺の後ろに隠れた。
『いつものことだから気にしないで』
「いつも……それ以上怒らせると、世界が大変なことになりそうだ……」
最初から印象を悪くさせてどうする……。
「レイ……魔王城でシャーロとイチャイチャしてたわよね……。ズルいわよ……」
そっちのことで不機嫌なのか……。
俺に言っても何も変わらないが……。
あっ、あくびをしながらシャーロさんが来ました。
「ティーナはいつも大人げない……。ライカが震えてる……本当に女神なの……?」
「アナタのことを言っているのよ! なんでシャーロばっかり優遇されているのよ!?」
「日頃の行いが良いだけの話……。ティーナと違っていっぱい貢献してる……」
女神に日頃の行いってあるのか……。
『確かにティーナは天界での管理はしているけど、地上ではあまり貢献していないね』
「エフィナちゃんの言うとおり……。これが格の違い……」
「ギク……」
その言葉にティーナさんは冷や汗をかきながら言い返せない。
図星のようですね。あっ、オーラが徐々に小さくなっている。
『まあ、それはいいとして、ソシアはどうしたの? 姿を現さないのは珍しいね』
「ソ、ソシアはお取込み中なのよ! もうすぐで用が済むからお茶でも飲んで待ってくれない? ソシアも会いたがっているわよ!」
話を逸らしましたね。シャーロさんは呆れて「ふっ」と鼻で笑う。
とりあえず俺は命拾い? したのかな?
「ライカに話したいことがある……ついてきて……」
「わ、わかった……」
シャーロさんは怯えていたライカを安心させてるのように手を繋いで一緒に歩く。
ティーナさんのせいで印象が悪くなったから女神は恐くないよアピールをしていますね。
「これで差が開く……」
小さくガッツポーズをしました。
自分の印象を良くしたいだけですね……。
『やっぱりシャーロは2枚、3枚――いや10枚も違うね~』
シャーロさんはある意味策士だからティーナさんには負けませんね。
いつもどおり、庭園に設置してあるイスに座り、テーブルに用意しているお茶を飲みながら話をする。
次の更新は23日です。




