312話 安定した環境
ライカが復活してから数週間が経つ。
みんなが安定して住める環境になり、そして俺の屋敷が完成をした。
ミランドさんの屋敷より大きく、豪華な作りになっています。
もちろん、責任監督はフランカです。敷地にはフランカの家を置いて、プライベート用の温泉を設置してあり、大変嬉しい作りです。
屋敷内は洋室と和室とミックスに作られていた。和室は気分転換にと設置したみたいです。
まあ、畳の上でゴロゴロできるのはありがたいな。
開拓もある程度落ち着いてゆっくりする時間が増えたのだが、小人たちは――。
「「「守り神様の神社を作りたい」」」
と言って、一部の人が作業をしていた。
やっぱり作りますよね……。
その本人はというと――。
「いい天気だ! 今日も出かけにいくぞ!」
「「「おお~!」」」
小人たちと一緒に食料――魔物探しをする。
その中にナゴミと子供がいる俺にミスリルの短剣を渡してくれた子――ナギが積極的に参加をする。
あの悲劇を起こさないようにと2人は強くなりたいと言っていつも行動をしているらしい。
帰っても2人で一緒に訓練をしているところを見かける。
その気持ちはわかるが、休んでいるか心配になる。無理をしなければいいのだが。
ライカも2人の訓練に参加する。フランカに切れない刀を作ってもらい相手をしている。
やっぱり【武器創造・雷】だとケガをするから危ないか。
【刀術】のスキルのおかげで2人の相手をしても引きを取らない。
それを見た小人たちは守り神の刀さばきに見惚れキラキラと目を輝かせる。
「「「ほしい!」」」
そのあとにフランカに刀を作ってくれとお願いするようになりました……。
さすがに1人で作るのは厳しいから鍛冶ができる小人に教えながら作る。
半数が短剣から鞘付きの小刀へと変えて、次々と訓練に参加する人が増えた。
そしてライカが刀の使い方を教えるようになりました……。
まさか指導する側になるとは意外です……。
王様からたまに連絡がくる。
とくにズイールの情報だ。最近あいつらはプレシアス大陸の人は帝都――イビリガーノは立ち入り禁止されているらしい。
邪石に関しても付けている人はいないらしく空振りのようだ。完全に帝都で隠しているとわかる。
あまり収穫がないと思ったが、良い情報もあった。
ズイール大陸の冒険者は帝王と貴族が仲が悪いらしく、理不尽な扱いをされて文句を言ったらしいです。
帝王は気に食わないのか大陸のギルドを全部廃止し、仕事が受けられなった。
冒険者も黙ってはおらず反乱を起こして一部の街の貴族を追い出して占拠し、帝王に宣戦布告したみたいです。
それも次々と占拠しているとのこと。
最近の情報ではアスタリカの境界近くの街――メデアコットを襲撃しているという話です。
内戦までするとは……意外でした……。
王様はズイール大陸の協会のお偉いさんとコンタクトをとっており、メデアコットを占拠したならこちらもいろいろと支援すると話が進んでいるとのことです。
王様も抜け目ないな……まだ序章でしかないが、王子にとっては良い方向ではある。
もしかしたら数年で王子が帝王になりそうな感じはする。
その報告を受けてヤーワレさんたちはギルドを強制送還される。
「て、天使ともっといたい……」
涙と鼻水を垂らしながら訴えてきました……。
仕事なのでしょうがない……。
諦めが悪いので輩3人組に引きずられて戻っていった。
そのほか王様は街道の設置をオススメする――カルムと商都とそのほか近い街にと。
このまま孤立して不便だと言って繋げたほうがメリットがあると言う。
たしかに街道を作るか考えていたが、距離はかなりある。
それなりに時間がかかると言うと、王様が設備の手配をする大丈夫だそうです。
はじめからそのつもりだったか……。
ありがたく街道整備をお願いをした。
そうなると人も集まるようになるな……。
まだ俺の領地に来るメリットなんて何もないけどな。
――――◇―◇―◇――――
屋敷の和室でトリニッチさんにやっと解放された干からびているソウタと一緒に抹茶を飲んでいる。
「久々の……抹茶だ……美味しい……」
ソウタは身体を震えながらゆっくりとお茶飲む……。
毎日のようにポーションとマナポーションを飲んで強制回復していたから恋しくなるよな……。
それにしても毎日絞られて平気なことで……。
リフィリアに相談して滋養強壮の薬でも作るか。
「レイさん、領地に不法侵入者が出たよ!」
慌ててナゴミが和室の中に入ってきた。
不法侵入者?
「賊か?」
「賊とは違うよ、なんかね……変な人!」
変な人って……。まさか噂を聞いてここに来たのか?
まだ街道の整備もしていないのに街から遥々来るなら変人しかないよな……。
まあ、ヤバい奴でなければ歓迎はするが。
お茶をやめてナゴミと一緒に外に出ると――。
「「「不審者かくほ~!」」」
小人たちが持ち上げて運んで来てくれました……。
その人物は――。
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