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307話 領地に戻ると……


 海沿いの小屋――カーリーさんが経営している店の前に移動した。


「本当に移動するとは……」


「すごい! あっという間にトルマに着いたのね! あれが海なの!? 初めて見た!」


 「ゲート」でウルマは呆然とし、ララアはハイテンションです。

  

 せっかく初めて来た都市だから、少しだけソウタと一緒に観光するように言う。

 店の道具とか無限収納に入れるから時間はあるだろう。


 ソウタと別れて中に入ると、カーリーさんは俺たちに気づいて笑顔でお辞儀をする。


「お待ちしていました。この店も売りに出したのでいつでも行けます」


「わかりました。荷物はアイテムボックスに入れますね」


「ありがとうございます」


 店にある道具を無限収納に入れて、ソウタたちが観光しているのを待つ。

 その間にリフィリア、連れてきた精霊を紹介すると、目を大きく開けて驚いていた。

 大精霊なんてお目にかかれないものですよね……。



 数十後にソウタたちが店に入り、カーリーさんに挨拶をする。

 ソウタの婚約者だとわかると――。


「やりますね。いろいろと大変だと思いますが頑張ってください」


 何かを察したようです。

 メアはカーリーさんに手招きをして潜めるようにほかにもいると言うと、また目を大きく開けて驚く。


「なんと……まだ3人も……しかも男も受け入れるとはすごい……。男女関係なく愛してくれるのですか……。毎日彼には精がつく料理を作らないといけませんね……」


「フフフ……よろしくお願いします……」


 メアは楽しそうですね……。

 まだ悪だくみではないのはいいが。


 これで領地に帰ることができる。

 再び「ゲート」を使い領地に移動する。



 ――領地の中心に移動すると、俺たちに気づいた小人たちは作業を止めて笑顔で駆け寄ってくる。





「「「おかえりなさい!」」」





 ウルマとカーリーさんは小人だとわかると、汗を垂れ流して呆然とする。



「プレシアス大陸の最強種族と住んでいるのか……。とんでもないところだな……」


「来て早々にこの大陸の最強種族が出迎えてくれるとは……予想外ですね……」


 やっぱりこの2人は長年生きているとすぐにわかりますよね。

 

「最強種族なの? こんなにかわいいのに」


 ララアは小人を高く持ち上げて言う。

 ここの大陸事情なんて知らないのはしょうがない。


 アイシスが駆け寄ってきて、異常はないと報告する。

 俺がいなくてもしっかりまとめてくれるのはさすがだ。


 ほかにもスカーレットさん、ルージュさんが来ると、ソウタに抱きつく。

 ララアとウルマは少しムッとした表情になった。

 なぜかメアがお互いのことを話し、仲介役となる。


「あらお兄さん、私たちだけでは物足りないのかしら? 今夜はお仕置きが必要ね」

「お兄さん……今夜は寝かせないからね……」


 まあ、急に2人の婚約者を連れて来たのは納得はしないよな。

 というか、修羅場になっていないからまだマシか。

 メアが仲介役にならなかったら大変だったかもしれない。


「ソウタ~ちゃん~会いたかったわよ~!」



「――――ギャァァァァ!?」



 ソウタの背後から抱きついてきたのはトリニッチさんだ。

 ……あれ? ルージュさんにギルドを任されて忙しいはずでは?


「久しぶりですね。トリニッチさん、ギルドのほうは大丈夫ですか?」


「久しぶりね~レイちゃん~。心配いらないわよ~協会の人に許可をもらって任せているわ~。もうワタシは屋敷を売ってきたからここに住むわよ~。なんでもするからよろしくね~」


 まさか屋敷を売り飛ばして来るとは大胆な行動に出ますね。

 というか…………屋敷で働いていたメイドと執事も全員いるのですが……。

 

 アイシスに聞いたところトリニッチさんに恩があるからと一緒についてきたらしいです。

 トリニッチさんと同じくなんでもするとのいうことだ。


 まあ、手伝ってくれるのは大変ありがたい。

 SSランク冒険者が来てくれるのは心強い。

 この感じだと、豪邸を建てますよね……。

 あとで場所の相談しよう。


「今夜はたっぷりと楽しみましょう~」


 ソウタは身体を震えさせて青ざめています。

 ガッチリとホールドされているのでもう逃げられないですね……。

 ララアとウルマただ見るだけです……あっ、カーリーさん、拝まないでください。


「予想外のことが起きましたわ……。これはこれで面白そうですこと……。夜は覗いてみようかしら……」


 メアさん覗かなくていいです……。

 ソウタも自分が蒔いた種だ。しっかりやり遂げろよ。


「精霊も増えているのは意外だわ。エクレールを呼ばないと――いいところに来たわ」



 変わらずミルチェの顔にべったりと張り付いているエクレールも来る。

 すると、闇と地の精霊は顔を赤くし始め――。


「なに~この精霊~。あれ~~~~~」


「えっ? なになに?」


 急に飛び始めてミルチェに一直線し、エクレールを無理やり離して、頬をスリスリとする。

 …………ミルチェと相性が良いみたいですね。

 そういえばミルチェのことを忘れていたな。

 

「2人ともミルチェに一目惚れして契約したいと言っているよ」


「えっ、そうなの……? 僕が精霊と契約できる……?」


 リフィリアの言葉に本人は困惑していますね。

 無理もない、精霊と契約なんて普通にあり得ないからな。

 

『ほら、ボクが言ったとおりでしょう~。ソウタは諦めてね~』


 エフィナは嬉しそうに言うな。その本人はトリニッチさんで精一杯ですよ。

 まあ、ソウタならわかってくれるだろうし諦めてくれるか。


「まだ、心の準備が……。もう少しで待ってくれない……?」


 急だからそうなりますよね。

 2人も笑顔で頷く。

 というかいきなり2人の精霊をして大丈夫なのか?


『幼いしミルチェなら十分契約できるから大丈夫だよ』


 それもそうか、エフィナが言うなら安心だ。

 じゃあ、止めはしない。


「もっと触りたかったのに~。あれ~? 前よりイケメンになった気がする~触ろう~」


 エクレールは諦めてソウタを触ろうとする。

 イケメン? ああ、光魔法が使えるようになったからそう見えるのか。


「「「ダメ」」」


 当然精霊3人は止める。


「ケチ~。こんなにイケメンになっているのに触らせてないのはズルい~」


 と言いながらソウタに近づこうとする。

 前はすぐに諦めていたが、今回は粘るな。

 それほど変わったのか。


 帰って早々賑やかですな。

 今日はゆっくり休んで明日から作業の手伝いをしますかな。

次の更新は4日です。

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