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304話 精霊使いの頼み


 のんびりしているところにソウタが喫茶店に入ってきた。


「ここにいたか、探したぞ」


「何か用でもあるのか?」


「折り入って頼みがある――俺に地と闇の魔法を使えるようにしてくれ」


 なるほど、あの2人と契約したいのだな。


「それはいいが、なぜ朝に言わなかった?」


「助かるよ。あの子たちに内緒で覚えたい。そうすれば自然と契約したくなると思う」


 陰で努力して認めさせたいのか。

 別に内緒にしなくていいと思うが。


「わかった、それで地と闇の適性は?」


「まったくない」


 だよなー、そうでなければ俺に頼まないか。

 地道にやるしかなさそうだ。


 ティータイムをやめて、村の外――森へと移動する。

 村で練習してもいいはずだが、ソウタはここがいいとのこと……。

 張り切りっているな……本格的な魔法練習ではないはずだが……。

 すぐに覚えられるわけではないぞ。

 

「いつでもいけるぞ」


「まあ、落ち着けって、まずは初歩的なのをやるぞ――」


 俺は手のひらに岩のブロックと黒い霧の球体を創った。


「これが創れるようにイメージしてくれ」


「わかった、最初は岩を出すか」


 ソウタは目をつぶり、深呼吸をして集中をする。


「見えたぞ――」


 目を開けて、手のひらに魔力が出すが…………何も起きなかった。


「難しい……次は黒い球体だ――」


 そう言って同じことをするが、何も起きない。

 最初からできるわけない。適性がなければ普通のことだ。 


「そう簡単にはいかないか。だが、諦めないぞ」


 ソウタは繰り返す――。



 ――1時間後。


 

 変わらないな。

 ソウタ、魔力を多く出しても意味がないぞ。



「ダメだ……全然出ない……」


「少し休憩するか?」


「いや、続ける。何かコツとかないか?」


「コツと言っても参考にならないぞ。俺は初めから適性があったからな。練習するしかないぞ」


「適性なんて関係ないと思うがな……」


 ソウタは息が詰まり、下を向いた。

 関係ないとはいったい……。

 拳を握りしめて顔を上げた。


「実は……俺は光魔法を使えるみたいだが……発動すらしない……」


「初耳だぞ……ステータスに表記されているのか?」


「ああ……この世界にきて確認したら覚えていた魔法だ。だが、何も起きなかった……光も何も出すこともできない……」


「じゃあ、ほかに覚えている魔法はあったのか?」


「光魔法だけだ、ほかは3人と契約して魔法を覚えただけだ……」


 そんなことあるのか?

 覚えていた魔法=適性があってすぐ使えるとの解釈だが、違うのか?

 いや、待てよ――。

 

「俺はティーナさんからギフト(チート)をもらっているから簡単に魔法が使えたことになるよな」


『それは違うよ。いくらティーナから恩恵があったとしてもイメージがないと発動しないよ。基本中の基本だよ』


「確かにそうだが、イメージとは言ってもすぐできたぞ」


『レイだからだよ。レイは何かと創造力が豊かだからね。自分が思っているほど、ほかの人よりは才能があるよ』


 創造力? エフィナが言っていることは、いつもややこしいな……。

 

「俺は創造力を使って簡単に魔法が使えるってことでいいよな?」


『まあ、そんな感じかな。多分だけど、イメージが足りてないから光魔法が覚えいても発動しないと思う。だから適性があったとしても光が出せないと思う』


 結局はイメージだよな……。

 発動しないのは別の問題なのか?

 ソウタの魔法は特殊で身体を使って発動する。ソウタはソウタで発動条件が違うよな。

 だったら、違うやり方で試してみるか。


「変更して光魔法の練習しないか? 多分だが、解決する」


「本当か? けど、スカーレットに教わったが、お手上げだったぞ」


 あまり乗り気ではないな、諦めかけている。


「まあ、試してみろ。そこの木を使ってな――」


 俺は近くにある木に手を当て、光をイメージし、全体に輝かせる。

 

「こんな感じだ。ダメだと思ってやってみろ」


「わかった……」


 ソウタ言うとおり木に手を当て、目をつぶる。

 数分経つが、何も変わらなかった。


「ダメだ……無理だ……」


「もう少しやってみろ。イメージを変えてみるか。たとえば――()()()()をイメージするとかさ」


「太陽……わかった」


 これでダメだったら様子見だな。

 

 すると、ソウタの意識が変わり――木が徐々に光っていく。


『おっ、成功したね~』


「光が……良かった……俺にも使えた……」


 嬉しさのあまり涙を流す。

 まだ初歩的だが、練習をすればちゃんと光魔法が使えるはずだ。


「えっ? ちょ――」


 ソウタは慌てて――木が燃え始めました……。

 太陽だから火までイメージしたか……。


『アハハハハハ! 燃やしている! おもしろい!』


 エフィナさん、笑うところではありませんよ……。

 急いでソウタは水魔法を使い消火した。

 周りは森だ、危なく火の海になるところでした……。


 まあ、この調子で地と闇魔法も教えられそうだ。

次の更新は28日です。

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