表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
309/922

303話 精霊使いとの相性は……


 村に戻ると、入り口前でララアが待っていて、俺たちに気づくと駆け寄ってくる。


「おばあちゃん、どうだった?」


「ソウタ、見せてくれ」


 ソウタはアイテムボックスから神木を出すと、飛び跳ねて大喜びだった。


「ありがとう! ところで、この人は誰? それにほかの精霊もいる」

  

 後ろにいるリフィリアと2人の精霊が気になるようだ。 まあ、疑問に思うことがあるよな。

 長老が起きたことを話し、俺の顔を見て驚く。


「領主さんって、大精霊と契約していたの!? すごい! 私、大精霊がいる領地に暮らせるなんて幸せ!」


「不安だったが、大精霊がいるなら心配することはないだろう」

 

 やっぱり孫を他所に行かせるのは不安だよな。

 大精霊がいるだけで安心とは、ここ周辺と同じ環境だと解釈していいかな。


「さっそくと言いたいが、作るのは明日でいいか?」


「全然平気よ、神木を採るのに大変だったしね。私もお守り作ってもいいかな?」


「なぜだ? ララアが作る必要はないぞ?」


「私も伝統を守りたいの。もし、私が子どもができて旅に出るときは渡したいの」


「そうか、では一緒に作ろうか?」


「ううん、おばあちゃんが私のために作ってくるから邪魔をしたくないよ。お母さんに教えてもらう」


「わかった、作る分を用意する、しっかり覚えるのだぞ」


 いろいろと話が進んでいますな。

 それじゃあ、俺たちはゆっくりと……そうもいかなかった……。

 村人たちも初めて会うリフィリアと2人の精霊に興味を持って絡んできます。


 しょうがない、説明するか……。


 その後、問題が解決したことがわかり、今日も宴が始まった――。


 気性が荒かった闇の精霊は、みんながワイワイしているなか、笑顔で飛び回っていた。

 これが本来の性格と思った。プロミネンスと一緒にいるから仲直りして関係は良好だ。

 ただメアの前だと……すごく礼儀正しいのですが……。

 リフィリアに聞いてみると――。


「お姉様と言って尊敬しているよ」


 ああ、闇の上下関係が生まれてましたか……。


「あら、悪くないですこと……ワタクシをもっと褒めて良くてよ……」


 その本人は調子に乗っています。

 今後、一緒にいることが多いが、変なことを教えるなよ……。


 宴でワイワイしていると――。


「ソウタ、このまま精霊と契約しろよ。3体も契約しているなら2体も余裕だろう」


 酔った村人が急に言い出す。

 冗談で言ったつもりが、ソウタは腕を組み考えていた。


「俺も契約できればしたいさ。強くはなりたい」


 契約したいのか……。

 確かに異なる属性精霊だし、契約すれば闇と地魔法を覚えてソウタにはメリットがある。

 ただ、契約できるほどの魔力と器があるかだが……問題はないか。

 まだ幼いし、ソウタなら余裕で契約できるか。


「マジかよ!? じゃあ、今すぐ契約してくれ!」


 酔ってグイグイいくな……。

 そんなすぐには――。


「わかった。今すぐやろう。なあ俺と契約しないか?」


 ちょっと待て、早すぎだろう!?

 ソウタも酔っているな……。


 急な発言に闇と地の精霊はソウタを見つめたあとに、首を傾げる。

 いまいちな反応だな。


「微妙だって」


 っと、リフィリアが言う。契約に微妙ってあるのか……?

 

「わかった。契約したいときは言ってくれ」


 その発言にも首を傾げる。

 これだけは言えるな――まだ認めていない。

 嫌ではなさそうだし、今後契約する可能性はあるな。


「残念だったな! じゃあ、長老と契約――――ブヘッ!?」


「ウッサイ、騒がしい! 静かにしろ!」

  

 隅っこで飲んでいた長老は急に出てきて、腹パンをする。

 昨日と同じだ……だが、今日は40人と倍多い……。

 まあ、ソウタと一緒に出掛けたからいろいろと聞きたいみたいで絡んでくるのが多い……。


「長老も精霊と契約したいのか? 意外だな」


 長老が途中で腹パンしたから違う解釈になりますよね……。


「ああ……そうだな……。できればな……」


 長老は顔を真っ赤にして誤魔化しています。


「じゃあ、お互いに契約できるように頑張ろうな」


「そのことだが……今回は降りることにしよう……レイ殿も契約したいと思うしな……」


 えぇ……自分の話を逸らして俺に振るう……。


「2人ともマスターと契約はどう?」


 リフィリアが言うと、2人は汗を垂らして全力で首を横に振る。

 

「そう……。恐れ多くてできませんだってさ」


 嫌というより大精霊と契約している人と契約は釣り合わないってことですか……。

 俺はもう他の精霊と契約はできないことがわかりました……。

 まあ、する必要はないが。 


 こうして長い夜は続いた――。




 

 ――――◇―◇―◇――――





 ――翌日。



 リフィリアは魔力も回復したし、領地に戻ると思ったが――。


「薬草いっぱいあるから帰らないよ」


 とのことで、長老の許可をもらって精霊陣と薬草を採りに行った。

 俺が滞在するまでいますね……。


 地の精霊は病み上がりだが、リフィリアがいれば大丈夫か。

 

 まあ、俺はやることないし、村で経営をしている小さな喫茶店で、メアと一緒にハーブティーを飲みながらお守りが完成するまでのんびりする。

次の更新は26日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ