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299話 悪だくみ……?


 夜になり宴が始まった。

 

 みんな飲むは食うわで盛り上がっている。

 もちろん主役のソウタは人気者で、酒を酌み交わしながら自慢げに旅の話をし、そのなかでド変態(スール)騒動を涙目で話をする。

 少し酔っているな、まあ、今まで言える人なんて限られていたしな。

 溜まっていたもの全部吐き出したほうがいいか。


 それを聞いた村人たちは涙を流して同情をする。


「とんだ最低エルフだな」

「同族として恥だ」

「精霊のために街ごと巻き込むなんて大バカ者だな」


 ここでもド変態の評価が落ちました。 


 そういえば、ティアとブリーゼを見てもあまり驚いていない。


「ここ周辺はたまにだが、精霊が通り過ぎることがある、そんな珍しくはないよ」


 っと、村人情報です。精霊が珍しい存在ではないみたいだ。

 精霊たちを見ると、とても穏やかだし、本当にいい場所だと確信した。


 しかし、神木の近くにいる精霊は気性が荒い。

 性格にもよるが、攻撃してくるのはおかしい。

 神木でも守っているのか?


 まあ、しゃべれない相手だし精霊たちに任せれば簡単に解決するか。

 今回の件は俺とメアは関係ないから村でゆっくりするけど。


「長老~ソウタと一緒に飲みましょうよ~。いつまで照れて――――ブヘッ!?」


 長老は絡み酒をしてくる村人を腹パンしながら隅っこで酒を飲んでいる。

 これで20人か……。容赦なく腹に当てているからリバースする人が多数……。

 絡んでくるたびに拳に多めの魔力を出しています。


 ソウタ――周りが盛り上がるとチラチラと見て気になっている。村人の言うとおり輪の中に入ればいいと思うが、我慢しているのか?


「フフフ……チャンスですこと……」


 メアは何を企んでいる……。

 不気味な顔をしているし、ロクなことではない……。


「長老さん、ワタクシたちがいつも飲んでいる秘蔵の酒です……。どうかお飲みください……」


 メアは長老に近づいて、無限収納から純米酒を出し、コップについで差し出す。

 いろいろと持ってきているな。 


「透き通った酒とは珍しい――――こ、これは甘みがあって飲みやすいな!? この世に私が知らないあるとは驚きだ!」


「たくさん持ってきましたので、ドンドンお飲みになってください……」

 

「では遠慮なく――――」


 長老はいっきに飲んではメアがついでいくの繰り返しだ。

 10杯目で少しふらついて、できあがっています……。


「長老が酔っているぞ~。 珍しいな~ソウタとおしゃべりできないからって――――ブヘッ!?」


「うるさい~少しは黙っておれ~」


 これで21人。できあがってもしっかり腹パンはしますね……。


「ついあげすぎましたわ……。長老さん、お飲みになるのはやめて、お話でもしましょうか……?」


「私はまだいけるぞ~」


「そう言わずにむっつりなお兄さんの秘密聞きたいとは思いませんか……?」


「ソウタの……ぜひ聞きたい……」


 長老はソウタと聞くと真顔になった。 


「わかりました……。主様もこちらに来てください」


 なんで俺も?


『いや~おもしろい展開になってきたね~。さあ、ボクを楽しませてくれよ~』

 

 面白いことは何もないと思うが……。

 いったい何を期待している……?


 メアはソウタの秘密――胸が大きい女性が好みと言う。

 …………秘密でもなんでもないが……。

 こんな知っているようなこと、長老はガッカリ――。


「本当なのか!?」


 テールを叩いて立ち上がりました。

 えぇ……知らなかったのか……。


「本当のことですわ……。ワタクシに何度か欲情されたことか……大変でしたわ……」


「ソウタめ……胸さえよければ誰でもいいのか……」


 長老は身体を震えさせてソウタを睨む。

 噓をつくのはやめてください……。

 酔っている人に変なこと言うのではありません……暴れたらどうする……。


「そうですね……。しかし、この村に入ったらワタクシの視線がなくなりました……。これも長老さんのおかげですわ……」


「私のおかげ……? まさか!?」


「えぇ……むっつりなお兄さんは長老さんの胸が気になっていますわ……」


「私のを……?」


「猛獣のように長老さんを狙っていますわ……。いつ襲われるかわかりませんこと……」


 そんな目では見ていないぞ……。

 やらしい目で見ているのは確かだが。


「わ、私をそのような目で……。け、けしからん……」


 とは言いつつも頬を両手に当てて喜んでいます……。

  

「この反応ですと……むっつりなお兄さんが好きですわね……」


「す、好きではな、ないぞ!? 家族としては好きだが」


「隠さなくてもいいですよ……。これではっきりとわかりました……。お二人は両思いと……提案ですが、長老さんもむっつりなお兄さんと結婚したほうが良いかと……?」


 おいおい、どこまで言うのだ……。

 メアの発言で顔が真っ赤になりました。 


「な、何を急に言い出す!? 私とソウタが……絶対にあり得ん!」


「お似合いだと思いますわ……。長老さんと結婚すればワタクシの視線……いえ、この世の胸が大きい女性を守ることもできます……。むっつりなお兄さんの悪い癖も治るかもしれませんこと……。それにワタクシが見たなかで長老さんが一番大きいですわ……。一番愛してくれると思いますこと……」


 メアさん……仮に結婚してもソウタの癖は治りませんよ……。

 変に誘導させるのではありません……。

 さすがに――。


「そ、そうなのか……私が一番愛される……」


 長老の顔が緩んだ。ダメだ……酔っているのもある。

 メアの思うつぼだな……だから酔わせたのか……。


「すぐとは言えませんが、考えてはくれませんか……? 結婚する気でしたら、ワタクシに言ってはくれませんか……? ぜひ協力をします……。どうかお考えになってください……。ワタクシも少々飲み過ぎたのでこれで……。主様……寝る時間ですので借りた空き家に行きましょう……」


「えっ? ああ……」


 にやけている長老から離れた。

 メアは満足して笑顔のままだ……。


「フフフ……計画どおり……」


『アハハハ! いや~おもしろかったね~』


「俺は知らないぞ……。こんなことして面白いのか……?」


「はい……大変に面白いですわ……。ですが、背中を少し押したことにしか過ぎません……。これからどうなるか楽しみですこと……」


『メアは愛のキューピットのようなことをしたから問題ないよ!』


 まあ、悪いことはしていないが、長老は明日、案内をしてくれるから気まずくなりそう……。

 というか飲み過ぎたから案内できるのか?

 

 ……明日問題が起きないことを祈ろう。


 借りた空き家に入り、就寝する。 

 

次の更新は17日です。

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