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28話 庭園を散歩 約束

 女神様のご厚意で庭園の周りを散歩をしている。

 しかし……全員ついて来るのですか……。

 それに……。

 

「レイ……抱っこ……」


「えっ……シャーロさんそれは……ちょっと……」


「抱っこ……」


「わかりました……」


 シャーロさんを抱っこする……うん、軽いな。


「……落ち着く」


『シャーロがこんなに甘えるなんて珍しいね!』


 まあ俺の身体にエフィナがいるし、久々の再会だから甘えるのはしょうがないか……いや、本当にしょうがないのか?

 女神様って人に甘えてもいいのか?

 

 すると翼が生えたポニーテールとツインテールの小柄の金髪美少女の2人がこちらに来た。

 あの子たちは天使なのかな? 

 それに同じ顔だ、双子かな?


「「ティーナ様! 庭園のお手入れ、終わりました!」」


「ご苦労様です。 今日はゆっくりしていいわよ」


「「はい、ありがとうございます!」」


 2人は思いっきり腹の音がグゥ~と鳴る……お腹が空いているのかな? 


「またあなたたち……食事を摂らないで作業していたの?」


「「はい、終わってから食べようかと思いまして」」


「まったく、食べないで作業中に倒れたらどうするのよ……」


「「ごめんなさい……」」


 確かに食べないで作業するのはよくないな……そうだ、無限収納は……発動できるな。

 マドレーヌを取り出して。


「これ、君たちにあげるよ、少し腹の足しになるとは思うよ」


 その2人はマドレーヌを受け取ると、とびっきりの笑顔で――。


「「ありがとうございます!」」


 笑顔が眩しい! なんだこの子たちは! 

 恐ろしい……。

 小さな口でマドレーヌを頬張る――うん、小動物みたいで可愛いな……。


「「美味しいです!」」


「それは良かった」 


「「ありがとうございました! 救世主様! この恩は一生忘れません!」」


「ハハ、救世主なんて大袈裟な、次からは食事を摂ってからやるのだよ」


「「はい! それでは失礼します!」」


 少女たちは翼を広げて飛んでいった――。

 天使みたいな子だったなー。

 えっ? 3人とも驚いている……マズいことでもしたのか……。

 

「レイ、あの子たちになんの魔法を使ったの!?」


「いえ、ただお菓子をあげただけですけど……」


「それよ!? お菓子だけではあの子達は心は打ち解けないわよ!?」


「どういうことですか? 俺が悪いことでもしましたか……」


「その逆だよレイ君、あの双子は極度の人見知りで周りに打ち解けないのだよ」


「そういう風には見えませんけど……」


「アタシたちは大丈夫みたいだけど……ほかの天使たちにはダメみたい……」


「ほかの天使って……」


「ああ、下の層に天使がいるのだよ。忙しいときはこちらに呼んで手伝いとかをしている。あの双子はなぜかわからないが、同族なのに天使たちに怯えてな、周りが困っていたからこちらで引き取ったわけだ」


「そういう事情ですか……」


 やっぱりあの子たち天使だったのか。

 こちらの方でも人間関係いや、天使関係があるのが意外だな。

 天使といえばみんな喜んで微笑んでいるイメージだが、それは俺の頭がお花畑すぎか……。

 けどなんで俺は大丈夫なんだ? まあ、あの子たちしか知らないから深く考えてもキリがない。


「レイ……アタシにもそのお菓子欲しい……」


 そうなりますよね……。

 アイシスに悪いが女神様にあげることを許してくれ……あとでケーキを買うから……。


「わかりました」


「もうすぐ私の家が見えるからそこでお茶にしましょう!」


 ティーナさんの家って転生前に来たな。周りは真っ白だったけど。


 ――ティーナさんの家に着くと、外見は立派な家だ。


「どうぞ」


「お邪魔します」


 あれ? 前来た時と全然違うぞ? 

 引っ越したのかな?


「前来たときと違うような……」


「あのときはレイは魔力がなかったからよ、それに魔力がないと、ここの周りは真っ白で、物も触れないのよ」


「じゃあ、あのときテーブルとイスとかは……」


「私が見える、触るようにしたのよ」


「そうですか……じゃあ地球の人は魔力がないってことですか?」


「それは違うわ、この世界に来たら徐々に適応はするけど、それに耐えられない人がいるわ」


「耐えられないって魔力にですか?」


「そうよ、レイは適正があるから大丈夫だけど、もし耐えられなかったら魔力暴走を起こして自我がなくなるのよ」


「なるほど、そういうことがあるのですね」


 じゃあ地球そのものに魔力がないってことか。いろいろと面白いな……適正がなかったら魔力暴走するのは怖いけど……。


 ティーナさんに客間に案内をされ、テーブルとイスが用意されたとこに座る。

 シャーロさんは……また俺と一緒に座っている。

 

「私がお茶を用意します。台所お借りします」


「ええ、お願いするわ」


 アイシスがお茶を用意する。


「レイ……お菓子……」


「わかりました」


 無限収納からマドレーヌを出して食べる――。


「うん……美味しい……」


「まさかこれほどとは……」


「ここでもこんなに美味しいの食べられないわ!」


 女神様たちも好評だった。


『これはレイとアイシスが作ったからね! 美味しいに決まってる!』


 エフィナは自慢げに言うなー嬉しいけど。


「レイ……もう1個……もう2個欲しい……」


 特にシャーロさんが気に入ったみたいだ。


『この甘えん坊め!』


 エフィナも楽しそうだな、それもそうか久々の再会だからな…………よし、決めた。


 ――エフィナと女神様たちは満喫し終え、俺たちは戻る時間となった。


「レイ君、何度もすまないがエフィナをよろしく頼むよ」


「はい、任せてください!」


「レイ……魔物には気をつけてね……それにまた来てね……」


「はい、わかりました!」


「レイ、今回はシャーロに譲ったけど次は私が甘えるからね!」


 なんでそうなるのだ!?


「ハハハ……そうですか……」


「アイシス、レイをしっかり守ってね」


「はい、お任せください。命に変えてご主人様をお守りします」


「よろしい、ちょっとこっちに来て」


「はい?」


 アイシスはティーナさんに近づき手を取る――アイシスは輝き始めた。


「これであなたも加護持ちよ」


「ありがとうございます!」


「どういたしまして。精霊はもし、レイと契約するのだったら、その時につけるからよろしくね」


 精霊は頷いてた。

 ……今のところ契約する予定はないけど……。


『それじゃあね! 3人とも! またね!』


「ええ、またね!」

「ああ、また会おう!」

「またね……エフィナちゃん……」


 床から魔法陣が出てきた。

 それと戻る前に言わないとな。


「あの女神様たち、聞いてください。俺の【魔剣創造】でエフィナを元に戻そうと思います。例え数年、数十年、いや数百年かかっても、エフィナと対等な魔力を創れるくらいに増やして必ず元に戻します!」


「レイ! あなた無理をしては――」


 視界が真っ白になり――教会に戻った。


『レイ、君は……』


「エフィナ別に言わなくてもいいよ、俺は絶対に約束は守るよ」


『……うん! 期待しているよ!』


「ああ! 任せろ!」


 女神様たちは今手掛かりがないとか言っても、多分俺のスキル【魔剣創造】で元に戻せるのを伏せていたはずだ。

 あのスキルは異常に魔力を消費して命にかかわるから俺が無理をしてまでやると思っているからだ。

 さすがに今はエフィナに魔力を借りてるけど、いずれにしても自分の魔力を増やさないといけない。

 これは時間がかかりそうだな……。

 それまでには地道に年月を重ねて増やしていくしかなさそうだ……。

 それでいつかはきっと――。

 

 さて、アイシスも準備があるし教会を出るとしますか。

レイが戻って女神は……


ソシア「これはレイ君に一本取られたな……」

ティーナ「ええ……あの子には驚かされるばかりだわ……」

シャーロ「忘れていたのだけど……レイに……アタシとソシアの加護あげるの………忘れてた……」

ソシア、ティーナ「「あ……そういえば……」」


2人の女神はエフィナに夢中でレイに加護をあげることを忘れていた。



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