280話 魔力解放……?
あれから1週間が経過した。
即席のログハウスが完成した。
とりあえず小人たちは雨風は凌ぐことはできるが、まだまだ不便だ。
救いなのが、食料があることだ。
賊どもに畑はある程度荒らされたが、7割くらい食物は無事で倉庫に保管していた【創種】の種も無事で、俺の領地にも食物が育てているから余裕で賄えることができる。
飢えはしないが、少し問題なのが、肉――タンパク質だ。
肉は手持ちの分でだいたい1ヶ月分はあるが、すぐになくなってしまう。
手軽に摂れる卵は養鶏場を荒らされてホワイトバードが逃げてしまい、一からやり直し。
ある程度落ち着いたら養鶏場の設置をしてホワイトバードを捕まえないといけない。
まあ、もうすぐでボアが繫殖期になるからその時に大量に捕まえれば問題はない、もしもの時を考えて、タンパク質が豊富な大豆を多めに植えれば問題はないか。
いろいろと課題は多い、村のような生活水準までに戻さないといけからな。
できるだけ早く住みやすい環境にしなければ。
ある日こと――。
忙しい日々がなくなり、ある程度落ち着いてきた頃にメアが――。
「主様……そろそろ魔力が暴走し始めるのでワタクシが解放させてあげます……。どうかこちらに……」
「ん? 全然平気だが、そんなにヤバいのか?」
「はい……とても……」
暴走する気配がないが? まあ、メアが俺の魔力を管理できているから本当のことだろう。
「わかった。ついていくよ」
「ありがとうございます……。ではこちらに……」
微笑んでいるメアについて行くと…………寝室なのですが……。
しかも着いたとたんに服を脱いで全裸に……。
「ワタクシの準備はできています……。さあ、思う存分解放してください……」
俺に抱きついて誘ってきました……。
「ちょっと待て!? 冗談だよな!? 何かの間違いだよな……?」
「ワタクシは大真面目です……。主様の魔力がとても苦しいと……。だからワタクシが解放させます……」
『そうだよレイ! メアの言うとおりにしないと大変なことになるよ!』
エフィナも便乗するな!?
ただ関係を持ちたいだけだろう!?
「主様……どうして抵抗するのですか……? ワタクシは主様の好みの身体になりました……。胸もアイシスには少し小さいですが、十分ありますよ?」
「いや、それはいいのだが……ちょっと身長が小さい……ルチルよりあるとはいえ、フランカより小さい……抱くのに抵抗が……悪いが諦めてくれ……」
関係を持ちたいと言っても140㎝前後を抱くには抵抗がある……。
お気持ちだけでも――。
「ワタクシの身長が小さいですか……。わかりました……では――――」
その瞬間メアの全身に膨大な魔力を放ち、みるみるうちに身体が大きくなり、160㎝くらいの身長に変わり、アイシスよりダイナマイトボディになり、大人っぽい色気を出す。
「【身体強化・変】使えるのかよ!?」
「いいえ違います……。【魔力解放】です……。ワタクシの本気モードです……」
「【魔力解放】なのか!? 俺は発動しても大きくはならなかったぞ!?」
「ワタクシだけ特別に変化できると思ってください。では思う存分解放してください――」
そのままメアに思うがままに解放されました……。
………………。
…………。
……。
ふぅ…………大賢者になりそうだ……。
ベッドの隣でメアは身体を戻し、魔力が溢れるほどいっぱいで、満面の笑みです……。
そしてメアのステータスが浮かぶ――。
【名前】メア
【性別】女 【種族】魔剣(吸血鬼)
【称号】闇の魔剣 レイの魔剣
【加護】闇剣の加護 ミスティーナの加護
ソシアの加護 シャーロの加護
大精霊の加護
【スキル】武器創造・闇 魔力解放
破壊者 威圧 身体強化
第六感 魔力制御 家事
魔力変換 混合魔法 情報共有
器用 人化 アイテムボックス
無詠唱 隠蔽 隠密
【魔法】火魔法 水魔法 風魔法 地魔法
氷魔法 雷魔法 闇魔法 無魔法
空間魔法 回復魔法
…………はい、強いです。いろいろとツッコミたいけど強いです。
それに本当に吸血鬼になっていますね……。
俺を大賢者になるまで解放していたからてっきり淫魔になったと思いました……。
【家事】のスキルもあるから周りの世話ができるみたいだな。
「主様……ごちそうさまでした……。とても美味しい魔力でした……。また危ない時はお呼びしますのでよろしくお願いします……」
その発言、絶対淫魔だよな……。
「吸血鬼だから血で解放は……?」
「血では解放なんてできませんよ……。身体は吸血鬼ですが、元は魔剣ですので血を吸うのは抵抗あります……。ですが血の多い肉――赤身やマグロなどのヘモグロビンが多い食材は好きですよ。血を吸わなくても平気です……」
ああ……そこは吸血鬼意識して血の多い食べ物が好きですか……。
今後も大賢者まで解放されそうだ……。
解放されて外に出ると、俺が体調が悪く見えたのか、みんな心配する。
夕食になると、アイシスは特大のステーキを俺の目の前に出されました……。
「ほどほどにしてください」
それはメアに言ってください……。
このまま続くと肉の減りが早い……明日狩りにでも行くか。
次の更新は10日です。




