277話 王様に報告
女神様の会話が終わり、次に王様に報告する。
アイシスと一緒に行くのだが、メアも行きたいみたいです。
「主様の忠実な僕であるワタクシが国王陛下に挨拶をしないと失礼ですので行きます……」
関係あるのか……。
アイシスもいるからごまかせるし、いいか。
「ゲート」を使い、王城の前に移動する――。
門前にの騎士が俺に気づくと敬礼をする。
王様に用があると言ったら、お取込み中みたいで、終わるまで居間に案内されて待つ。
ドアが開くと、聞きつけたのか――リンナさん、クラーラ王女、ヴェンゲルさん、スカーレットさん、ファイスさんが来た。
「久しぶりね。レイ君、アイシス、それに……誰この子は!? ルチルちゃんよりデカすぎよ!」
リンナさんは真っ先にメア胸を見て驚く。
そっちですか……。
「初めましてリンアイナ王女様……ワタクシはメアと申します……。レイ様の忠実な僕でございます……。以後お見知りおきを……」
「僕? 僕ってどういうことよ!? レイ君、説明して!」
「召喚」の言葉が抜けているぞ……。
アイシスがメアのことを説明するとみんな驚く。
「召喚って……すごいことじゃない!?」
「いえ……もともと契約していたみたいなので……すごくありません……」
「それにしても召喚か……勇者召喚とは違うのか?」
「賢者様が言っていましたが、まったく違いますよ……。ワタクシは任意で召喚されて契約を結び現界しておりますこと……。契約破棄、もしくは契約者の死でこの世にはいなくなります。ですが、もと契約者――賢者様の命令でもありますので……契約破棄はできず、主様の生涯が終わるまで現界します……」
大まかな噓な設定を……まあ、俺が今世を終えていなくなるのは事実だが。
「契約か、確かに勇者召喚とは違うな。じゃあ、今まで召喚されなくて、なぜ今召喚されたんだ?」
ヴェンゲルさん、察しがよいことで……気になりますよね……。
「そのことが関係する話なので、陛下が来てからでお願いします……」
「そうか、わかった」
今言うと二度手間になってしまうからな。
スカーレットさんの胸の谷間からエクレールが震えて出てきた。
ん? 調子でも悪いのかな?
メアを見るとスカーレットさん背後に隠れる。
「ご主人……あの人苦手……」
「あら、エクレールがこんなに怯えるなんて珍しい……何もしていないのに……」
「なんとなくだけど……苦手……」
「ワタクシが苦手とはかなりショックを受けますわ……。精霊とは良い関係で長くお付き合いしたいのに……」
メアは微笑みながら言う。
そうやってエクレールをからかうのではない……。
まさかエクレールが苦手な人がいたとはな……。
ソウタの精霊たちは全然怯えていなかったが……いや、闇の魔剣だから光と反対の属性で苦手とか?
まあ、本人しかわからないから、なんとも言えない。
「いや~待たせたね~。僕に話があるようだけど、何かあったの? 初対面の方もいるね~」
笑顔で王様が来た。
「実はですね――」
みんなにベースン、ジャックが賊を引き連れて小人の村を襲ったこと、メアが現れた理由を話した。
「そんな卑劣な行為を……ごめんね……僕たちがしっかり捕まえればこんなことに……」
「噓だろう……あのクソ野郎どもが恥を……俺が牢屋に放り込めば……悪かった……」
「我らが速やかに対処してれば……騎士の恥だ……申し訳ない……」
王様、ヴェンゲルさん、ファイスさんが頭を下げる。
こんなこと、誰も予想していなかった出来事だ、誰も悪くない。
「悪いのはアイツらです! 頭を上げてください!」
「だけどね……僕は大陸の王様だから……みんな大切な家族だからね……。僕の責任でもあるんだよ……」
「それでも上げてください。今、小人たちは俺の領地にいます。これから安全な暮らしをするので大丈夫ですよ」
「そうか……レイ君の領地に……じゃあ、できる限り補助するから、何か足りなかった言ってほしい。
全面協力するよ」
「ありがとうございます」
補助をしてくれるのはありがたい。
早く開拓ができる。
「陛下、どうしますか? これまでの行為は黙っていきませんぞ?」
「今回はベースンとジャックが起こした問題になるからね。帝国が関わっていたと言っても白を切ると思うよ。それに証拠が隠蔽されているから多くは言えないのだよ」
だからベースンとジャックを使ったのか。あいつらは失敗してもいいようにただの捨て駒か。
「そのまま泣き寝入りするってことですか?」
「そうもいかないよ。やっぱり相談するしかないか……。レイ君、昼過ぎは大丈夫かい?」
「はい、大丈夫ですよ」
「うん、これから相談する相手を呼ぶから参加してね」
「わかりました」
「うん、それまでゆっくりしてね」
そう言って王様は席を外した。
相談するって誰が来るのだ?
前言っていた。ズイール出身の信用できる人か?
次の更新は9月2日です。




