276話 死んだ魂
――翌日。
起き上がり外に出ると――みんなは元気よく、朝食の準備をしていた。
まだ家がなく、ほとんどの人が外で寝ることになったが、心配で深夜に様子を見たが熟睡をしていた。
不安で寝付けないと思ったが、いろいろありすぎて疲れて寝れたのかもしれない。
まあ、元気があって本当に良かった。
「「「いただきます!」」」
作ったうどんを美味しく食べている。
食欲もあってとりあえず一安心だ。
まずは雨風を防げる即席の宿を作らないといけないが、今日は自由行動だ。
いきなり辛い思いをしたあとに家を作るのは酷なものだ。
周りの環境に慣れてもらってから作るようにする。
朝食が終わると、リフィリアが周りの案内役をし、みんなついて行く。
さて、俺は確認したいことがあるから、家に入り、フランカの工房へ――。
無限収納からティーナさんの像を出して祈りを捧げる――。
――いつも通り庭園に移動すると、3人の女神が深刻な顔をして向かってくる。
察していますね。
「レイ……心中お察しします……。大変辛かったでしょう……。」
「俺よりも小人たちが辛いですよ……。ところで……」
「ああ、心配しなくていい。魂は無事にここの領域に来たから安心してくれ。天使の報告だと安静にしていると言うことだ」
ソシアさんは発言でホッとする。
それが聞けて安心した。
「ありがとうございます。ちなみに賊らの魂もここに来るのですか?」
「あれね……あれはアタシたちの領域にふさわしくないから……魂ごと宇宙に放り投げて塵になったよ……。存在を消したから安心して……」
宇宙の塵ですか……。
存在を消したってことは、この世の中にいないってことだろな……。
シャーロさんしれっと恐ろしいことを言うな……。
『やっぱりそうなるか……。地獄でもよかったんじゃない? それで更生もできたはずだけど?』
「そうだけど……。帝国と関係していたから……せざるを得なかった……。あいつら……地獄に落ちても全然反省しないから……」
『そっか……しっかり反省しないのはダメだね』
「うん……仕方ない……」
地獄もあるのか……エフィナもしれっと恐ろしいことを言うな……。
というかそいつら、地獄に行っても反省しないとかどういう神経している……。
「あの……小人たちはまた会えるのですか? 会えるなら――」
「レイ、それはダメなことよ。もし、会ったとしても混乱を招くだけよ。小人の性格上、みんなのところに戻りたいと言うわよ。今世の人が今世を終えた人と会っては禁止。ここのルールだからわかってね」
そうか……。俺は特別扱いされても、踏んではいけない領域か……。
ティーナさんは優しく言っているが、下手したら怒られる発言だな。
慎んでおこう……。
「わかりました……」
「わかればいいのよ。大丈夫だから心配しないで」
「ありがとうございます。では戻りますね」
「わかったわ……。次は元気な顔を見せてね……」
ティーナさんは気を遣っているのか。今回は止めたりはしなかった。
「レイ君、忠告がある。帝国の奴らがまた姑息な真似をしてくるから気をつけたまえ。それと、1人で抱えないことだ。辛かったらいつでも相談するからな」
「忠告ありがとうございます。もう1人では――」
『ボクがいるから大丈夫だよ! 心配性だな~ソシアは~」
「そうだな。エフィナも無理しないでくれ」
『大丈夫だよ! それじゃあ~ね~』
3人の女神は手を振って見送り、フランカの工房に戻った。
帝国の奴らか……俺たちに関わるのであれば蹴散らすだけだ。
この機に帝国を調べるのもアリか……。
その前にみんなの安住の地にしてからだな。
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