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27話 女神様たちとの会話

 3人とも泣いているところ悪いけど……そろそろ説明してほしいのですけど……。


「あの……説明をお願いしたいのですが……」


「ごめんなさい……あまりにも嬉しくて……レイ、エフィナを助けてくれてありがとう! それと後ろの2人を紹介するわ! この前同席できなかった黒髪の方が女神ソシアでオレンジの髪が女神シャーロよ」


「よろしく、レイ君」

「よろしくね……レイ……」


「あ……よろしくお願いします」


 この世界の女神様が集結している……。

 それにエフィナを助けた? 前言っていたイベントはエフィナを助けることだったのか……。

 

「それで……エフィナは女神様たちとの関係はなんですか?」


「そ……それは……」


「…………」

「…………」


 3人とも黙ってしまった……これは相当な訳アリだな……。


『レイ、これだけは言っておくね、ボクは魔剣だけど、この3人とは長い付き合いの親友――言わば、家族同然に育ったの。ボクはある使命で地上に降ろされて、その役目を終えてティーナたちに回収される予定だったんだけど、予想外のことが起きてあそこにずっといたままだったんだ。

それがレイ、君がボクを回収してくれたってことだよ。まあ、回収って言うにはあれだけど、ボク自体は回収できなくてレイ自身に相性が良く、その身体の中に入った感じだけどね』


 これは本当のことなのか疑いはあるけど、あの3人がエフィナの親友ってことは本当だと思う。あの泣きようだと嘘ではないと思えるからだ。

 それに使命ってなんだ? 考えられるのは勇者が魔王討伐に行って英雄に倒されることだ。

 もしそうだとしたらティーナさんが英雄を呼んで魔剣(エフィナ)を持たせて勇者を倒したことになる。

 だが過去の文献を調べたが魔剣(エフィナ)の記載がない……これはおかしいことだ。

 あの魔剣(エフィナ)は綺麗で目を惹かれるほど印象がある……それを記載してないのはおかしい……これはあり得ないな。

 …………まあいいか、俺が突っかかってもキリがないし、大事なのは今だ。

 過去を気にしていたら先へ進まない。


「わかった、そういうことにするよ」


『うん! そうして!』


 すると3人は表情が明るくなった。

 うん、わかりやすいな……。


「ティーナさん……そろそろ離れてくれませんか?」


「いえ、まだ離れません! 2人とも久しぶりだからこのままでいさせて!」


 これは長くなりそうだな……2人もこちらに来て……。


「……えいっ」


 無表情でオレンジ髪の女神様が横腰から抱きついてきた……。


「女神のアタシが言うのもなんだけど、レイの中にエフィナちゃんがいるってのも不思議だね……」


「あの……シャーロ様まで……」


「久々の再会だから私もこのままでいたい……それと様はいらない……」


「は、はい……」


 無表情でいるが耳をピョコピョコして、尻尾を振っている……喜んでいるのかな?


「私も失礼する」


 ちょっ……後ろから抱きついてきた……この女神様はダメだ!

 柔らかいものが…………。


「あの……さすがにそれはダメですよ……ソシア様……」


「何を言ってるのだね。私だけ除け者にしてはズルいぞ、それと様なんていらないからな、私たちの恩人だ、気安く接してくれ」


 この2人も様をつけなくていいのかよ!? この世界の神様はフレンドリーすぎないか……。


『アハハハハ! レイは人気者だね!』


 いやそうではないだろう! ティーナさんは別として、この2人はエフィナ目的だろう!

 それにこの状況にアイシスと精霊はポカーンとしているままなのだが……。

 


 ――30分後。ようやく3人は離れた……。

 

「それでエフィナを帰すのが目的ですか?」


「それについて説明するわ! こっちに来て、もちろんアイシスと精霊もね!」


 ――花の庭園の中をティーナさんたちに案内され、白いテーブルとイス、お茶が用意された場所に座る……アイシスは座るのに抵抗している……。

 やっぱり女神様の前だとそうなるよな……。


「あら、アイシスも座っていいのよ」


「いえ、あの……女神様と一緒に座るのは恐れ多いのですが……」


『大丈夫だよ! アイシス! ここは特別な場所ではないからね!』


 いやいや、思いっきりここは特別な場所だろ!? エフィナと感覚が違うって!

 逆にアイシスが困っている……。


「アイシス、あなたはエフィナの妹みたいなものです。だからゆっくりしてもいいのよ」


「わかりました……失礼します」


「フフ……よろしい」


 アイシスも座ったがシャーロさんはイスに座わらない……どうしたのだ? 

 こちらに来て俺の股に座る……えっ……。


「……なにか問題でもある?」


 大問題でしょ!? なんで俺のとこに座るのだ!?


「これは……いったいどういうことですか?」


「抱きついたとき、居心地が良かったから……それとエフィナちゃんがまた地上に戻るからね……」


「ハハ……そうですか……」


 失礼な言い方になるが、こうしてるとただ可愛い獣人の小柄の美少女と一緒に座っているように見えるのだが……。


「それと……日本人の男はアタシみたいのを見ると欲情するみたいだけど……レイはそれがないから安心する……」


 日本人の男が偏見に見られてる気がする!? 

 確かにそういう人もいるが俺は…………好きな方ですけど……。


 みんな座ったらティーナさんが――。 


「改めて言うわ、エフィナを助けてくれてありがとう!」


「いいえ、とんでもございません! けど……レッドオーガはさすがにキツイでしたが……」


「それは……ごめんなさい!」

 

 テーブルに思いっきり頭を叩きつけてた!? 

 やっぱりやりすぎたのか……。


「言い訳させて! あのレッドオーガはたまたま、あそこにいただけで……本当はレイが成人したら私からエフィナの場所を教えて回収するはずだったの……まさか強力な魔物がいるなんて私も把握できないわ……エフィナとこんなに早く遭遇するとは思わなかったんだもの……」


 さすがに神様でもこれは予想外だったってことか……。

 いや待てよ……。


「あの、もしかして魔剣(エフィナ)を回収すればよかったのですよね?」


「ええ、そうよ」


「それじゃあ、剣だけ抜いて、ティーナさんに渡せばよかったんじゃあ……」


「あ……そういえば……」


 やっぱりそうなるよな……。

 これはいろいろと手違いだな……。


『それは違うよレイ! 先ほど言ったけど、ボク自体は扱えないよ! もし魔剣を抜いただけで持って行くのは無理だよ。もし、あのときレイがボクをずっと持っていると君はボクの魔力に充てられて昏睡状態になっていたからね!』


 怖っ!? 精霊の時もそうだけどこれも怖いな……。


「じゃあ適性があるっていうのはなんだ?」


『あのときのレイは魔力はそこそこあったけど、ボクを持てる程の魔力は持ってなくて耐えきれなかった。だけど君はボクと同質の魔力を持ち合わせていたから魔力をあげることができたんだよ! 簡単に言えば外側はダメだけど内側は大丈夫ってこと!』


 なんとなくわかったけど、話が難しいな……。


「じゃあ、結局は遅かれ早かれ俺の身体に入ることしかできないってことか」


『うん! そういうこと!』


 ティーナさんは頭を抱える……そこまで考えてなかったってことか……。


「まったく、ティーナは話を聞いていないな……レイ君の身体を借りることしかできないってあのとき言ったのに、まだほかの方法があると思っていたのか」


 ああ……俺の言ったこと真に受けただけか。


「本当にそうだよね……けどエフィナちゃんが変な奴に行かなくよかった……これだけは安心できる……」


『アハハ! ティーナは相変わらずおっちょこちょいだね!』


 2人はその方法でしか出来ないことはわかっていたみたいだ。

 じゃあ今後はどうするんだ? 


「あの~ティーナさんからイベントが終わったら自由にしていいって言われたのですが……」


 ティーナさんが冷や汗をかいている……。


「ごめんなさい!」


 またテーブルに頭を叩きつけた……。


「すまないレイ君、そのイベントは続いたままだ……私たち女神でもエフィナを取り出すのは今は不可能なのだ……」


 そんなに深刻なのか!? じゃあ俺がエフィナを【魔剣創造】を使って呼び出そうと思っても無謀ってことか……。


「レイが転生する前にアタシとソシアがしっかり説明すればよかったけど……用事で同席できなかった……」


 そういえば、忙しいから同席できなかったってティーナさんが言っていたな。


「あの……用事とは?」


「アタシは魔物の様子を見に行ってた……」


「魔物ですか?」


「そう……レイが転生する前から魔物が異常な行動を起こしていたから……それに今でもその影響がある……」


「じゃあ、あのレッドオーガは……」


「そう……だからレイ今後は魔物に気をつけてね……」


「わかりました……」


「それに……またズイール大陸の帝王が魔物の活発は魔王のせいだとか、訳もわからないこと言ってソシアも勇者召喚を阻止するの大変だったから……」


「えっ!? 噂で勇者召喚が失敗しているのは……」


「ああ、私が異世界に通じるゲートを塞いでいるのだ。あの帝国の奴らは懲りずにやるから呆れるばかりだ……」


「じゃあ、ズイール大陸の信仰が多いのは嫌ではないのですか?」


「表は女神として我慢しているが、裏では微塵もなにも感じない、まあ私の役目だからしょうがない」


 ソシアさんって結構苦労しているのだな……。


「それだと苦労しますね……」


「まったくだ! だが良い奴もいるからまだ我慢はできる」


「そうですか……」


 ソシアさんが勇者召喚を阻止していることがわかったけど……じゃあ200年前の勇者召喚は阻止できなかったのか?

 シャーロさんが大変とか言ってたから、あのときは何かあったのに違いない。

 これは…………いや聞かないでおこう。苦労してたと思うかもしれない。


「話がずれたがレイ君、不便かもしれないがエフィナをそのままにしてくれないか? できるだけ私たちが元に戻す方法を捜す」


「エフィナがいいのであれば俺は大丈夫ですよ」


『ボクは平気だよ! 今はとても楽しいから!』


「ありがとう……感謝する。本当に君で良かった……」


 感謝されることではないのだけど、まあ現状変わらないだけだから問題ない、それにエフィナの魔力ももらっている。


「これで話は終わりだが、少しここでゆっくりでもするかい? それとも地上に戻るかい?」


 そういえばかなりの時間が経ったけどアイシスもミランドさんの屋敷で準備をするみたいだから戻った方がいいのかー。


「時間もかなり経過しましたし、戻ろうかと思います」


「時間は……経過はしてないよ……」


「えっ……それは……」


「レイたちはここに意識をとばしていて……地上にいるレイたちは時間が止まったままだから大丈夫……」


 そういうことですか……。


「それにエフィナちゃんとまだいたいから……もう少しこのままがいい……」


『アハハ! シャーロは相変わらず甘えん坊さんだな!』


 まあ、時間が経過していないのなら俺はいいがアイシスと精霊に確認しないとな、2人に振ると頷いてきた。


「わかりました、もう少しここにいます」


「うん……そうして……」


 シャーロさんは無表情で耳をピョコピョコし、尻尾をふっている。

 嬉しいみたいだ。


「ティーナも……なにか言ってあげて……」


 ティーナさんは謝っただけでそれ以外なにも言わない……。


「レイ……本当にごめんなさい! 私の手違いで……」


「もういいですよ、俺は怒っていませんし、それに今世でも不便なく楽しいですから」


「うぅ……レイ! ありがとう!」


 イスから離れて勢いよくこっちに来る――ゴンッと鈍い音がして……ティーナさんは透明な壁にぶつかった……。


「はい……アタシもいるから被害を回避……」


 シャーロさんがやったみたいだ……これは魔法かな?


 こうして女神様との会話が終わり……庭園の周りを散歩した。

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