表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
278/915

272話 魔力解放


「まあ、なんて醜い姿ですの……。硬いゴーレムの姿になったつもりですか……。ただのトロールにしか見えませんこと……」


「フンッ、悪魔の挑発になんて乗るか、邪魔だ――」


 闇の魔剣の挑発を無視して、ベースンは俺に向かい、地響きを鳴らしながら前進をしてくる――。

 あの重い体型をしながら速いな、俺は横に躱して、後ろにある土の壁(アースウォール)を破壊し、そのまま前進する。


「お前らに構っている暇などない。帝都に戻って計画を立て直しだ」


 あのゴミ……戦わないで逃げ切るつもりか……。

 ふざけるのもいい加減にしろ……。

 逃げ切ると思うなよ。

 

 これ以上ミスリルの短剣は使えないな。

 あの子に返さないと。

 俺は無限収納にミスリルの短剣をしまう。


「撤回だ、闇の魔剣(お前)を使う。力を貸してくれ」


「ありがとうございます……。ワタクシを使うなんて恐縮でございます……。どうぞ、好きなように扱ってください……」


 闇の魔剣は頬を赤くして言う。

 そういうなら好きなように使う。俺は右手に闇の魔剣を持ち、ベースンに向かう。


 あの体系で足が速いだけで、簡単に追いつく、今度こそ逃がさない――。




「――――ナイトメアチェーン!」




「――――なに!?」



 闇魔法――無数のドス黒い鎖でベースンの身体を巻きつける。

 逃げようともがくが、無駄だ、これから地獄に落としてやる。


「放せ!? 私はこの大陸の時期、王だぞ!」


 魔法の効果で恐怖付与させたのだが、威勢いい。

 まあ、邪石のおかげで耐性がついたと思うが。


「何が王だ……邪石で頭がおかしくなったか……。楽に死ねると思うなよ……」


「フンッ、私は最強の身体を手に入れたのだ! たとえスタンピードを終わらせたお前に私の聖なる身体に傷一つ、つけられないのだからな! 残念だったな! お前の魔力が尽きるだけだ!」


 ごちゃごちゃと勝手に言っている……。

 俺は【魔力解放】【破壊者】を発動させる。

 

 【魔力解放】で全身に膨大な魔力が解放され、闇の魔剣が輝き始める。

 消費が激しいが、あのデカブツを簡単に切れそうな気がする――いや、切れる。


 ベースンの腕――右腕を目掛けて飛び、一振りする。


「私の腕がぁぁぁぁ――――!?」


 切る感覚もなく、腕を切断することができた。


「なぜだ!? なぜそのようなことができる!? それに……腕が再生しない!?」


 ほう、あの邪石は再生能力があったのか。

 無駄だ、闇の魔剣は妨害する能力を持っている。無意味な話だ。

 所詮、邪石にも限度はあるってことだ。


 続けて左腕を切る――。


「あり得ない!? 聖石で力得たのになぜだ!? その剣はなんなのだ!?」


「ここで死ぬお前に言うわけないだろう」


「私は王だぞ!? 王の命令は絶対にだぞ!?」


 またおかしな発言を……。

 しかし、痛みを感じていないのか。両腕を失っても平然としている。

 額の邪石が異常に輝いている――もしかして痛覚を和らいでいるってことか。

 だったら破壊するだけだ――。


 額目掛けて飛び――。





「――――闇月!」



 弧を描くように切り、邪石は真っ二つになり、砕け散る。

 


 

「聖石が――――ギャァァァァ!? イダイ、イダイ、イダイ! タスげテぐレぇぇぇぇ――――!?」




 ベースンの身体は黒から灰色に変わり、痛覚耐性がなくなったのか大暴れする。

 魔法も効いてきたようだ。


 だが、小人の辛さに比べれば軽すぎる……。

 その痛み……思い知れ――。


 続けて右脚、左脚と切断をし、さらに大暴れをする。

 

「素晴らしいですわ! 主様が魔剣(ワタクシ)で下等生物を本当の醜くくさせてくれるなんて、ありがとうございます! そして嘆き、絶望を味わっている……醜い下等生物にお似合いですこと! 喜びなさい下等生物、大変名誉なことですわ!」


 闇の魔剣はベースンの成れ果てように大興奮している。

 今はどうでもいい……ただこのゴミが絶望させるだけだ。 

 

「ユるシテくれ! イダイ! シンでシマう――――!」 


 何が許してくれだ……もういい、地獄に行って反省をしろ――。


 


「――――絶影!」



 


「――――ギャアァァァァ!?」




 もう一つの邪石――腹ごと切り裂き、ベースンの身体は灰に変わり、風と共に吹き飛んでいった。

 まだやることがある確かめに行かなくては――。  

次の更新は22日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ