表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
274/914

268話 歩く戦慄①

ソウタ視点になります。


 俺は皆と離れて森の奥へと進む――。


「待ちやがれぇぇぇぇ! 精霊使いぃぃぃぃ!」


 木々を避けながら走っているが、ストーカー野郎(ジャック)は木を薙ぎ倒し、息を荒くして狂いながら追ってくる。

 ルージュをとられただけでこんなにも恨みを買うとは……。

 この世界の男は女関係の執着がすごい……。

 いや、どこの世界でも同じか。


 レイが言っていた邪石で強力になっているとはいえ、ストーカー野郎の魔力消費が激しい。

 このまま自滅してほしいのが本音だが、輝きを増すばかりだ。

 石を砕いて終わらせないといけないか。だったら障害物のない、平地で戦う。


 それまで様子見だ――。


「『ソータ! 私たちを置いといて1人で行くつもりなの!?』」

「『主……待ってよ……』」

「『ソウタ様、加勢しますよ!』」


 3人が念話を送ってくる。

 来るなと言ったはずなのに……ストーカー野郎のことだ、3人に危害を加えると思って俺だけでなんとかしようと思ったが。

 心配させてしまったか。


「『3人とも、危ないから隠れてくれ』」


「『なんでよ!? 一緒に戦ったほうがいいわよ!?』」

「『主が……危ない……』」

「『危ないのはソウタ様ですよ!?』」


「『大丈夫だ。隠れて見てくれ、本当に危ない時だけ手伝ってくれないか? これは俺のケジメでもある。任せてくれないか?』」


「『しょうがないわね……危なかったら容赦しないで叩くわよ!』」

「『わかった……気をつけて……』」

「『わかりました……無理をなさらず……』」


 3人を説得できた。

 これで【隠密】を発動して隠れてくれるはず。

 

「精霊使いぃぃぃぃ! 精霊使いぃぃぃぃ!」


 マズいな……追いつかれそうだ。

 できれば目的の場所まで魔力を温存して戦いたかったけど、そうは言っていられない。

 風魔法を使う――。


「――――アクセラレーション!」


 脚に風を纏い、地面を思いっきり踏み込み加速させる――。

 木々――障害物を軽々と避けて進む。


「逃げるなぁぁぁぁ――――!」


 変わらず木々を薙ぎ倒し向かってくるが、ある程度距離を保つことができた。

 順調だ――。


 ――数十分後。


 森を抜けて広範囲に見られる平地に入った。

 これで思うように戦うことができる。


「やっとか! 精霊使いぃぃぃぃ!」


 残念だが、一瞬で終わらせてやる――。

 向かってくるがストーカー野郎に剣を炎を纏い、火魔法を使う――。



「――――エクスプロージョン!」



 剣ごと鎧を切りつけ、俺は透かさず後ろへと下がり、ストーカー野郎は全身爆発し、周りは煙が立ち込める――。

 地面を抉る強さだ。この威力なら邪石にも届いて確実に壊せたはず、やったか?

 だが、煙の中から歩いて出てくる。マジかよ!?

 

「精霊使いぃぃぃぃ!」


 禍々しい魔力で深手を負っている身体が再生している……。

 通常なら身体なんてバラバラになる威力だぞ……。

 少し止まって、叫んでいるだけとはおかしいだろ……。


「ルージュは俺の物だぁぁぁぁ――――!」


 再生し終わると、再び狂ったかのように剣を振ってくる。

 一撃、一撃が重いが……対処できる範囲だ。

 しかし、この感じ……暴走をしているのか?

 技も何も仕掛けてこないでただ俺を剣で切り込もうとしている。


 確かルージュとこのストーカー野郎たちと逃げていた時――「砂がある場所には逃げないでね……あの人……砂がないと特大の技が出せないよ」とか言っていた。

 まさか……平地ではただ剣を振るうことしかできないのか……。

 だったら好都合だ――隙を狙って邪石を壊すまでだ。


 ――大振りになったところを再び剣に炎を纏う――。



「――――紅刃閃舞!」



 邪石ごと身体を切り刻んで吹き飛ばした。

 しかし、邪石は無傷のままだ……。

 鎧を壊して丸裸の状態でもダメなのか……いや、ただ威力がなかっただけだ。

 今度は正確に「エクスプロージョン」を――。


「精霊使いぃぃぃぃ! ルージュは俺の物だぁぁぁぁ!」


 攻撃をしてこないぞ? どうした?

 何が来ると思い距離を取る。

 

 ストーカー野郎の魔力がさらに大きくなり――邪石から砂がどんどん出てきて周囲を砂だらけとなる。

 なんの冗談だ…………これじゃあ……ストーカー野郎の技が来る……。

次の更新は15日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ