表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
271/918

265話 怒り②


 ドス黒い反応が強くなった。数は1000人以上はいるな――奥にはこれまでに以上ない禍々しい魔力がある。


 親玉で間違いない、これ以上進むと(クズ)どもの【魔力反応】に引っかかって警戒される。

 足を止める。


「レイ、どうする? 俺が【隠密】を使って奇襲をかけようか?」


「いい考えだが、その必要はない。俺に任せてくれないか? 空から合図を出すから、それまでみんな待機だ」


「えっ? おい待ってくれ!?」


 ソウタの声を無視して、前に進む――。

 悪いが【怒り】なんて収まっていない、(クズ)に八つ当たりをしないと気が済まない。


 俺に気づいたのか5名ほど近づいてくる。

 少人数とは随分舐められたものだ。


「へ、へ、へ、へ、兄ちゃんよ~。こんなことで何をしてるんだ~? 迷子でもなったのか~?」


 向かってきた(クズ)どもは額に黒くて禍々しい邪石を付けて、にやけながら剣を構えている。

 やっぱりズイールの奴らか……みんなを攫って奴隷にするのか。


「何黙っていやがる。何かはな――」





「――――刹那……」




 背後に回り、ミスリルの短剣で首を切った。

 うるさい……少しは黙ってろ……。

 切った賊の首が地面に落ちると灰になって消える。

 所詮、邪石を付けた部位を切ればただの弱者(ザコ)だな。


 それを見た奴は足を震えさせて後ろに下がる。


「ひぃ!? なんだコイツ――」




「――――刹那……」

 

 もう1人同じように首を切る。

 黙ってろ……怯えているのに口は動くな……。


「――ひぃぃぃぃぃ!?」


 残りは3人は背を向けて逃げる。

 さっきの威勢はどうした? 情けない……。




「――――羅刹……」




「――――ギャァァァァ!?」



 逃げている相手に突っ込み、胴体を切る――。 

 コイツら本当にバカげている……。

 背を向けるとは殺してくれと言っているものだぞ。

 まあ、出てきた5人は下っ端で捨て駒でしかないみたいだ。


 やられたのがわかったのか、今度は数十人と来る。 


 さっきの奴よりは禍々しい邪石を付けているな。

 そして遠回りして森の中に隠れいるのがいる――狙撃か魔法で倒そうと思っているのか?


 

「敵襲だ! 相手は1人だが、強いぞ! 皆で一斉にかかれ!」



 来る奴らは首、腹、手などに邪石を付けている……1人、1人相手にするのは面倒くさい……。

 コイツらには苦痛を味わわせてやる……。



「――ナイトメアバインド!」



「「「――――ギャァァァァ!?」」」



 ドス黒い影で拘束をし、周りは奇声と発狂ばかりする。

 これは俺のオリジナルの闇魔法だ。

 拘束されたものは恐怖に陥いり、精神的痛みを与える。

 文字通り――悪夢で【威圧】より強力だ。

 

 しかし、強力とはいえ、束縛した奴ら全員効くとは弱すぎる……。

 耐えきれずに次々と倒れていく。

 そのまま一生地獄を見ていろ。森の中に隠れていた奴も襲ってこないな、倒れているなら進む――。


 大量の馬車で檻を運んでいるのが見えた。

 小人の魔力もある――あそこに閉じ込められているな。

 だが、魔力量が少ない――いや、魔力を制御されている。

 弱体化させる邪石が見当たらないが、どうやら個々に弱体化させる装置を付けられたみたいだな。


「敵が突破したぞ!? 1人相手に何をやっているのだ!」


 さっきの倍はいるな……。

 もう少しで助けられるのに本当に目障りだ……。


 


 …………()()()()()()()()()()




 その瞬間、魔力が抑えきれなく、目の前の雑魚(ゴミ)どもを殺すことしか考えられなくなった。



「な、ななななななんだ、この魔力は!? かかかかか、か、身体が動かないぞ!?」



 俺の魔力に当てられて動かないようだな。ちょうどいい、楽に――。


 ん? 右手から黒い球体の光が出る。


 抑えてようとするが、光が増すばかりだ。

 エフィナの仕業だな……余計なマネを……。 

 魔剣なんて創っている暇なんてないぞ……。


 しょうがない……創ってやるか……。



「出てこい……。――――()()()()……」



 周りは暗闇に包まれ、周囲の視界を阻む。

 右手には漆黒で目を惹かれるほどの美しい魔剣を持っている。

 

「な、何も見えねぇ!? た、助けてくれ!?」


 何も見えない? ああ、闇の魔剣を創って俺は暗闇でも見えることができるのか。

 このまま殺しても構わないが――。


「今すぐ【人化】しろ……お前を使う気分ではない……」


 魔剣を地面に置き――。


『仰せのままに……』


 少女の声を出す魔剣は俺の指示に従い、人の姿に変わる――。


 黒髪ロングでツインテールの赤い瞳で黒いゴシックロリータを着た140㎝前後の少女だ。 

 

次の更新は7日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ