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262話 最強種族の危機


 ナゴミを布団で寝かせて安静でいるが、小人たちは心配でしょうがなく付きっきりだ。

 今日の作業は無理だな、休みにしよう。


 しかし、ナゴミが1人で来るとは思えないな、まさか一緒に行った小人が危険なのか?

 

「戻ったよ」


 周りの様子を見に行ったリフィリアが戻ってきた。


「どうだった?」


「特に強い魔物はいなかったよ。他の小人さんもね」


「遠くまで見たのか?」


 リフィリアは頷いた。

 いないのか……わからないことだらけだぞ。

 もしかして嫌な予感が……いや、やめておこう。

 ナゴミが起きるまで待つ。



 ――数十後。



「お父さん!」



 ナゴミが大声で叫び、起き上がった。

 みんな不安な顔から笑顔になる「良かった」と喜んでいる。


 お父さん? まさか村長が危ないのか?


『レイ……みんなを見てみ……守り神の加護が……薄くなっている……』


 エフィナの発言で小人たちを見ると、周りに輝いてたオーラが徐々に薄くなっているのがわかる。

 まさか――。


「お願い助けて! 村が大変なことになっている! みんなを助けて!」


 ナゴミが慌てて言う。

 嫌な予感が的中した……。


「落ち着いて、村で何があった?」


「黒い石を付けた盗賊が襲いかかってきたの! それと不吉な大きな石が置かれたらみんな力が抜けて思うように戦えないの! お願い早く!」


 アイツらの一味か……マズいことになった……。

 不吉な石とはなんだ? 考えている暇はない。

 小人の村に行かなくては――。


「私も行く! みんなが心配!」


「まだ安静して、俺たちに任せてくれ」


「レイさん私からもお願いします! みんなで助けましょう!」


 ミツキさん、行きたい気持ちはわかるが、みんなを連れていっても石で弱体化して、守れる保証ができない。

 まずは安全確保が先だ。


『ボクはいいと思うよ。石なんて簡単に壊せるからね。みんなで賊を懲らしめよう』


 …………しょうがない。

 みんなで助けたほうがいいか。


「わかりました。すぐに出発しますよ」


「ありがとうございます! よ~し、みんなで盗賊を倒すぞ~」


「「「お~!」」」


 盗賊と戦ってかなりの時間が経っている――みんな無事だといいのだが……。 


「マスター、「ゲート」は私が使うから任せて」


 大人数だから分けて移動すると思ったが、戦闘のことを考えるとそうなるか。

 本当に助かる。


 みんなリフィリアに集まり――「ゲート」を使う。

 村の中心――集会場の方に移動したのだが…………最悪だ。


 無惨な光景だ……周囲の建物は崩壊、全焼されて跡形もなく、小人が傷を負って倒れている。

 その中央には禍々しい黒くて大きな石が設置してある。


「力が入らない……」


 小人たちは魔力が乱れて膝をつく。


 盗賊相手でも精一杯だとわかる。 


 俺たちは何も影響はない、加護のおかげかと思ったが、アリシャたち、ウィロウさんとグラシアさんも影響はないみたいだ。

 あの邪石は小人だけを弱体化させるみたいだ。

 周りに敵の反応がないし、どうやら逃げたようだ。


「我があの石を切る。主殿たちは怪我の治療を――――覇王・一閃!」


 セイクリッドは大剣で邪石を真っ二つにし、小人の魔力が正常になり立ち上がる。


 俺たちは急いで救助と手当をして一命を取り留めるたが、中には――。


「お願い返事をして! どうして返事をしないの!?」


 息絶えてる人がいた……。

 ルチルが必死で呼びかけている小人に亡くなったことを告げると、抱いて泣いてしまう……。


 なんの冗談だ……俺がもっと早く気づけば助けられたのでは?

 もっと早く判断ができていれば多く救うことができたはず――。


 

 俺がもっと――。


 

 俺がもっと早く――。



 俺がもっと早く――――。



『レイ! 君は何も悪くないよ! 今は救助に専念して!』


 エフィナの言葉で我に返った。

 今は目の前のことに集中しなければ、俺は風と回復の混合魔法を使う――。



「――――ウインドチャイム!」


 周囲は心地良い風と癒しの鐘が鳴り響き、怪我を回復させる。

 周りはだいたい治療が終わった。

 だが、あまりにも少なすぎる。

 ほかのみんなはどうした? 守り神も見当たらない。それに村長もだ。

 神社方面に魔力があるな、そっちに向かうと――大量の血が流れた跡がある。


 その跡を追うと――ナゴミが立ち止まり、固まっていた。


「お父さん……守り神様……」


 目の前には大量の血を流している守り神と村長が倒れていた。

次の更新は3日です。

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